15.5話 スペード編:しょうごでもちゅうに
読まなくても大丈夫なサイドストーリー
シリアスな気持ちを失いたくない人は飛ばしておkなはずです。
まあ読んでもらったほうが嬉しいですが。
泣き腫らした俺は、引き出しの中にあるノートを見つけた。
黒いノートに題名が付いていた。
『運命』
そう名付けられたノートだった。
さっきの日記とはえらい違いだ。びっしり書き込まれている。
気はひけたが読むことにした。
娘のことを知りたかったのだ。
一ページ目に綺麗な字で書いてあった。字は上手いようだ。
これは大切な足跡
運命に翻弄される私が歩んだ
確かな証拠
そう書いてあった。
俄然、興味が湧いた。娘の事が書いてあると直感できた。
俺が前のめりになってしまったのも仕方ないことだ。
中を見てみる。
まず目に映ったのは絵だった。
お世辞にも上手いとは言えないが、一生懸命描いた事がわかる絵だった。
何故なら、横にもびっしりと説明が書いてあるのだ。
キラキラしたお姫様のような絵。―――白バラ姫アフロディーテというらしい。
薔薇が散りばめられた黒衣の薔薇姫。―――黒バラの吸血姫アキーラというらしい。ん? アキラ?
黒い大きな剣を背負った剣士ののような絵。―――黒バラ姫のきし黒りゅう王ラヴィスカノン というらしい。
気になるのは黒薔薇姫が明に似ているということくらいだろうか。あと、ちょいちょい漢字が書けていない。やはりちょっと勉強は嫌いのようだ。まあこの辺りは、地下帝国で過ごしていたのだろう。地下帝国での生活も見えない。仕方はないかもしれない。
そして次に描かれているものを見る。
両手に銃を持つ悪魔のようなモンスター―――暗黒神マーマアメル(裏ラスボス)というらしい。
…………アメルがモデルか? あいつどんな風に娘と接しているんだ?暗黒神て。裏ラスボスの意味がわからんが良い感じがしない。
横の説明文を読んでみる。
手にもつじゅうで黒バラ姫をいじめるあくま。暗黒の力でせかいをぎゅうじる。
ひっさつわざは『ダークネスエクスプロージョン』
黒バラ姫を見たらとりあえず撃つ。
ごはんにピーマン出したらとりあえず撃つ。
コーヒーが苦いととりあえず撃つ。
蚊をみかけたらとりあえず撃つ。
………………
…………
……
アメルは何をしているんだ?撃ってばかりだ……。
そういえば確かに苦いものとか辛いものが嫌いだった。
好き嫌いの激しいやつだった。
ハエを撃ち落としたのも見たことがある。
撃ってばっかりだ。虐待を疑うレベルだ。
母への想いを綴っていた所を見る限り、心配はないと思うが……。
明にとっては怖い母だったのかもしれない。
そう考えると少し笑ってしまう。
父親もおらずに、地下で過ごしたのだ。自然と厳しくなったのかもしれない。
字が綺麗なのはアメルのおかげだろう。
さっき見た日記には、洗脳された振りをしていたとあった。
一体、何があったのだろうか。
そんな感じの絵が続く。
その中に、明の変身した時の衣装もあった。
後は、色々。
小説。
黒薔薇姫のポエム。
内容は明の名誉の為に伏せる。
人生で一度は言ってみたいセリフ。
その中に「あなたはしなないわ。私が守るもの」があった。
言ってみたかったのか。
魔法少女の名前を考えたであろう走り書き。
キルマ☆カルマに大きく丸がついていた。
後は『最強の必殺技とセリフ集』
最初は俺のように無理矢理にカルマに魔法少女にされたのかと思っていた。
が、思ったよりも魔法少女が好きのようだ。
このノートには手がかりはなさそうだ。
だけど、明という少女の中身がわかった。
それだけでも良しとしよう。
この子はクールではない。
ちょっと愉快な思考の持ち主のようだ。
実に子供らしい。
愛おしさしかない。
俺はもっと知りたい。
明を。
過ごしてきた今までの軌跡を。
「必ず助けるからな。」
俺は微かに震える声で声をかけて、部屋を後にした。
助ければ、話が出来る。色んな事を。今までの事も知ることが出来る。
まずはそれから。
そう。それからだ。
俺が父親としてまず出来ること。
そしてもう一つ考える。
次にする事も決めている。
業を殺する。
……天凶院カルマの事ではない。まあ、あいつも殺すが。
娘の業は深い。
それは小説。
そこにあったのは業
黒薔薇の姫の騎士(♂)に群がる屈強な男達。
飛び交う薔薇。薔薇。薔薇。
飛び散る汗。汁。汗。汗。
催される、狂喜の宴。
そして、可憐な菊。
蕾から花へ。
広がっていく。
広がっていく!
達筆で力強く書かれている「メリメリィ!」
そして、最期は朽ちて、堕ちる。
菊。
堕ちし暗黒の力に目覚めし騎士(♂)に犯さ、、、、襲われる天凶院カルマ(♂)のような奴隷。
飛び交う「アーッ! 」の文字。
そして、開けられる風穴。がっぷりと開けられる風穴。
そして、時は進み、開かれる「ゲロイン」への道。物語は加速していく――――。
ここにあったのは業
( ゜д゜)
俺はいつしか震えていた。
戦慄と恐怖で。
((((;゜Д゜)))))))
娘の抱える闇は深すぎる!
業からの解放。父として俺がすべきこと。
趣味は人それぞれだ。暗黒面をとやかく言う気はない。
だけど。
「あいつ11歳だよな…………?」
酒、煙草を初めたのも、女を覚えたのも社会のルールからは逸脱していた、俺が言うことではないけど。
今までなにも出来なかった父親だ。
ちょっと健全に育てる努力をしようと決めた。
明の希望に俺はなる! 闇を照らす光に!
スペードのターンが暫くこない・・・・はず・・・・多分。
なので一応、こんな娘ってことで。
まあちょいちょい気づいてたとは思いますが。
中二です。そして腐ってます。みかんです。
ですが、美少女です。
僕はそうゆう娘の方が萌えるんですが。
真っ当なヒロインより変わったヒロインの方が好きです。
ハートが父親だと知る日が来るかもしれません。そして『運命』を読まれた運命を知るかもしれません。それを知った少女の運命は、、、。健全に育てるとはそうゆう地雷原を裸足で渡る行為です。流石は世界最強の戦士です。ですが父としては戦闘力5のゴミです。ドラマが、、、生まれるかもしれません。