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零からの魔法回路 〜世界システムをハックする反逆のSE〜  作者: ラレイラ
第二章:漆黒の檻と深層の侵蝕

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第58.2話 深紅の私室、狂おしい支配

夜の帳が下りた『特区ドミトリー』。その一角にあるミラの個人部屋は、彼女の几帳面な性格を映すかのように整然と片付けられていた。


不意に空間がゆらりと歪み、音もなく現れたのはゼノン・フォン・グレイスだった。


「――夜分だな、ミラ。お前の忠誠心を確認し、訓練生たちの状況を聞きに寄った。」


机に向かっていたミラは、現れたゼノンの姿を認めるやいなや、溢れ出る愛おしさを隠しもせずに立ち上がり、自らその胸の中へと飛び込んだ。カイトの前で見せる「穏やかで優しいお姉さん」の顔は綺麗に消え去り、ただ一人の男を心から求める一人の女性として、甘い体温を全身から漂わせている。


「ゼノン様……っ」


首筋に細い腕を絡め、吸い寄せられるようにその端正な唇へと自ら深く口づけた。幾度となく重ねてきた夜の記憶を確かめ合うかのように、熱を確かめ合う濃密な口づけ。抗うどころか、彼に身も心も委ねる歓喜に胸を躍らせながら、ミラは熱い吐息を漏らした。


「ふあ……っ……」


唇が離れた時、ミラはゼノンの胸元にすがりつくように息を荒らげていた。頬を朱に染め、陶酔し切った瞳でゼノンの美貌を見上げている。


ゼノンは彼女の顎を優しく、そして逃がさぬようにすくい上げ、低く甘い声で囁いた。


「ミラ。お前のその忠誠心……言葉だけではなく、その身のすべてをもって俺に捧げてもらおうか」


その言葉と密やかな息づかいが肌を撫でた瞬間、ミラの瞳に妖しい情念が灯った。


「ええ……もちろんです、ゼノン様……っ」


ミラは返事と共に、さらなる熱を求めるように二人の距離をゼロにし、部屋の空気をいっそう甘く濃厚な熱で満たしていった。


静まり返った部屋の中、ミラは身に着けていた清潔な上着をそっと脱ぎ捨てると、一切の迷いもなくゼノンへとその身を寄せた。隙のない医療官としての姿を捨て去り、無防備な心と身体のすべてを彼へと委ねる。


ゼノンが指先を僅かに滑らせると、目に見えぬ波動が彼女の身体を包み込む。

彼が持つ固有能力——空間の密度数値を書き換え、重力を変調させる領域支配。本来ならば対象を押し潰し砕き割るための破滅的なエネルギーだが、ゼノンの驚異的な制御精度は、それをミラの体内で「心地よい空間の圧力」へと変換してみせる。


「あ……っ、はあぁっ……いつもの、これ……っ……身体の力が、抜けちゃう……っ!」


ミラの全身を、繊細にコントロールされた高次元の重力波が包み込む。

逃げ場のない空間密度の変調によって、彼女の体と思考は、ゼノンの圧倒的な力によって優しく押し潰され、深く屈服していく。外部からの直接的な拘束ではなく、彼女を取り巻く「空間そのもの」が、ゼノンの意のままに彼女の身体と思考を支配しているのだ。


「カイトに見せるような綺麗な顔はいらん。お前のその素顔を俺に見せてみろ。お前の感覚も心も、今や俺の手の中でいくらでも書き換えられるのだからな」


圧倒的な支配の中で、ミラの理性の残滓も完全に溶けて消失していく。頭の中に残っているのは、ゼノンの美しすぎる顔と、彼が刻みつける逃れられない甘い支配の感覚だけだった。


「んぁ……っ! ゼ、ノン……様……っ、愛しています……っ! もっと……私を支配して……っ、私の心も、身体も……全てあなたの物です……っ!」


ゼノンの圧倒的な空間支配と甘い言霊の中で、ミラは完全に服従の虜となり、彼の胸元へと崩れ落ちるように身を委ねたのだった。

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