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プロローグ

 信じている者は救いを願いとして祈りを捧げるのは身勝手だと祈りを捧げられた神々は思っていた。自分たちは数多なる力を知恵という形で与えては、その世界を発展させてきたというのに……と考えていたからかもしれない。

 激しい大地を揺るがす程の大地震、それと同時に起こっているのは太陽の光ではなく月の灯のみが世界を覆う状態の「白夜」が起こっていた……それによって生命達は生存を賭けて安全な場所を探して大移動をしていた頃。

 『我々はこの世界を愛している。だが、生命は過ちとして生まれてしまった。見守る我々はその過ちを修正しなくてはならない。その役目を彼らに与えて長い時間を使って世界を「浄化」するのだ。それこそが始まりの者達の嘆きと魂の言葉と化す』

 誰がそんな言葉を言ったのだろうか、それは誰でもない世界の創造神を始めとする世界の事を見守る存在でもいるのだろうか。分からないからこそ、生命を持つ存在達は空を見上げて月の灯のみだけで染まる空に願いを刻む。そんな状態で、世界は暗黒期に突入せんとしていた……全ての生命が息絶え始めて世界は生命の存在を感じる事はできなくなる。

 『母なる母神の涙が世界を満たす。涙は純粋な母の愛。それと同時に全てが「再生」を促す。我々も生まれ変わろう……我々こそが新しい世界の「始祖」として世界を作り上げるのだ』

 そして、【神】は世界に降りていく――「始祖」として。

――――

「これが、この世界の成り立ちだと言われているお話よ」

「お母様、その始祖様は僕達の事を生み出した方もその始祖様のお一人なの?」

「えぇ、そうですよ。ルグ、貴方は始祖様が私達の事を見守っていると信じますか?」

「僕は――――」

 伏せていた金の瞳、薄い色ではあるが顔に掛かるのは青色がベースのホリゾンブルー。身体は細身でありながらしなやかな身体をしているのが、寝ていた身体から感じ取れるような無駄のない動きを見せて身体を起こすと跳ねるようにして立ち上がったその人物は、ホリゾンブルーの髪を腰にまで伸ばし背伸びをしている姿は、まるで若い十代の青年を思わせる程の幼さを感じさせた。

 遠くから彼を呼ぶ声が聞こえてきた、名前を呼びながら近付いてくる人物達に彼も微笑みを浮かべてから静かに空を見上げていたが、その空は白夜を感じ取ることができる……まだ世界は「再生」の途中である事を青年の彼は知っている。何故なら彼は――――

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