なおちゃんとボルト君
大好きなボルト君をテーブルに乗せて、今日もたのしく、お話しよう、
なおちゃんは、おかっぱ頭の瞳がとても綺麗な女の子だ。毎日の楽しみは、茶色の毛並みが自慢のミニレッキス、ボルト君と過ごす時間。テーブルの上にそっとボルト君を乗せると、そこからが日課の始まりになる。
「ねえねえ、今日はね――」
なおちゃんのお話は止まらない。学校のこと、空の色のこと、昨日見た夢のこと。ボルト君はというと、静かに首をかしげながら、その声をじっと聞いている。言葉を返すことはない。ただ、動かない。逃げない。それだけで十分だ。
時々、ボルト君は小さく鼻をひくつかせる。その仕草に、なおちゃんはくすっと笑う。「聞いてる?」と聞かれても、ボルト君は答えない。でも、その丸い瞳は、なおちゃんから離れない。
それを見ていると、不思議と心が温かくなる。会話が成立していなくても、想いはちゃんと届いている。人と動物のあいだに、言葉は必要ないのかもしれない。
なおちゃんの声と、ボルト君の静かな存在。その空間には、嘘も駆け引きもない。ただ、やさしい時間だけが流れている。心は、ちゃんと通じ合える。そう、静かに教えてくれる、素敵な世界だ。
人とペットの繋がり、そこには決して嘘はない




