灰色の世界
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ここは世界最高峰と名高い大学、ローバード大学。あらゆる学問分野の権威とされている大学だ。
そんな大学の一角にあるコンクリート打ちっぱなしの殺風景な場所に、私はとある男性教授に呼び出されていた。
「鳳来 火蓮さん! 好きです!僕と付き合ってください!」
私は特に心がざわめくこともなく、表情を変えず淡々と応える
「……なぜ? そのメリットはなんだ? 」
「へ?」
沈黙が流れる。どうやら彼が期待していた反応と違ったのだろうか、戸惑っているようだ。
「はぁ……。急に呼び出したと思ったら……どうして私が君と付き合うのだい? 合理的なメリットを教えてくれないか?」
すると男が合点がいったかのように人あたりの良い笑顔を作る
「え~、だって君かわいいし~、凛としたその目もステキだし、スタイルも抜群だしずっと美人で素敵だな~って思っていて、それにめちゃくちゃ賢いしさ~。」
……口説いているな。理解しているがあえて話の流れを無視して続ける。
「私のメリットは?」
「へ?」
「それは君視点の話だろう? 私にはどんな合理的なメリットがあるのだい?」
「合理的なって……それは、まあ、僕は社会的立場がある程度高くて、しかもそれなりにお金持っているし、君の望むものだったら大抵買ってあげられるよ? 色んなおいしいお店とかも知っているから連れていってあげるし……それに、恋愛ってそういう合理性が全てじゃないと思うのだけどさ☆」
男が自慢げにそう語る
「そうか、分かった。結論から言おう。君と付き合う気はない。理由は全くもって不合理だからだ。私はすでにお金も十分に稼いでいるし、君を含めたすべての男性と遊びたいとも思わない。私にとっては必要のない時間だ。それに、合理性がすべてじゃないとはどういうことだ? 逆に他に何がある?」
「それは…『愛』とか?」
「はぁ……君が『それ』を語らないでくれ。」
私は、踵を返して歩き出す。後ろから「待ってくれ!」と聞こえるが知らん。呼び出されたから来てみたものの……時間の無駄だったな。さあ、早く研究の続きをしよう。
ローバード大学には、今年から私の研究室がある。
『ローバード大 心理学研究棟 鳳来研究室』
その立札がある部屋に入り、私は椅子に深く腰を下ろす。
ふぅ……。
机に入ったチョコを取り出す
ほろ苦い味が広がるのをかんじながら、私は虚空を見上げた。
「本物の『愛』とはなんなのだろうな……」
一人つぶやき、逡巡する。
灰色のコンクリートの天井は何も答えなかった。




