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異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜  作者: 月城 蓮桜音
第二章

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第83話 懐かしい匂い ★リオ SIDE

 あぁ、お米の炊ける良い匂いがするわ……異世界でお米なんてあり得ないのにね。それにしても懐かしいわねぇ……?こちらの世界に来てから、まだ数ヶ月程度しか経ってないんだっけ?ソウルフードってよく言うけど、私の場合は白くて温かいご飯なのかも知れないわね?


 フッと目を開くと、婆やからご飯の匂いがした。私ってそこまで食いしん坊だったかしら?


「婆やがご飯の匂い……」


 寝起きでボーッとしてるからか、思った事を口にしてしまった。何を言ってるんだろうと思うだろうに……婆やを食べたいと言ってる様にも聞こえない?え、私、人は食べないわよ……?


「ふふっ、リオちゃんには分かるのねぇ。お腹は減ってるかしら?王様が亜空間にしまってくれてるから、いつでも食べれるわよぉ?」


「ご飯?食べれるの?」


 頭が働いて無いわね……考えが纏まって無いわ。


「えぇ、『オニギリ』と『ミソシル』を婆が作ったのよぉ?初めて作ったから、美味しく出来たか分からないんだけどねぇ?」


 婆やが困った顔で私を見ている。え?『おにぎり』と『味噌汁』?婆やが作ったの?


「えぇっ!?婆や、『おにぎり』と『味噌汁』って言った!?」


「ふふっ、そうよぉ?王様の契約者だった人がレシピを残していてくれたのよぉ。材料は王様から頂いたわぁ」


「本当に?私、日本食が食べれるの……?」


 感動し過ぎて固まってしまった。まだ少し混乱しているが、私は今からお米を食べれるらしいわ!


「リオ、今出してやるからな?シア、そこの机の上に置いてくれるか?」


「はいはい、婆が置きますよぉ。」


 サイドテーブルに『おにぎり』と『味噌汁』が置かれた。夢じゃ無いわ!


「お米――――!え?本当に!?夢じゃ無いのよね?」


「ほれ、温かいうちに食べるが良いぞ?冷えると駄目なんだろう?なぁ、シア?」


「えぇ、ご飯は温かいうちに食べるのが美味しいですからねぇ。婆が作ったから毒味も必要無いし、さぁ食べましょうねぇ?」


「いただきます!」


 私は勢い良く両手を合わせ、おにぎりを掴んだ。大きく口を開けて齧り付く。


「梅干しだわ!え?この世界にも梅があるの?」


「あるぞ?我の契約者だったコテツが大陸を探し回って見つけて来たからな。コテツの家の裏に、梅の木が10本近くある筈だ」


「えぇ――!?コテツさん凄いわね……確かに食べたいとは思っていたけど、作ろうとまでは思わなかったわ」


「ククッ、やっぱり食べたくはなるんだなぁ?コテツは泣きながらそれらを食っておったぞ?」


「随分長い事、こちらの世界にいらしたのでしょうね?私はまだ数ヶ月食べて無かっただけだから……この味噌汁のダシは煮干し?え?具が豆腐だわ!?コテツさん、料理人だったのかしらね……?」


「リオちゃん、良く分かったわねぇ?『ニボシ』から『ダシ』を取って作るとは書いてあったけど、合ってるか分からなくてねぇ……その工程の必要性を感じなくてね?」


「婆やも食べて見たら分かるわ。まだあるなら一緒に食べましょう?梅干しは好き嫌いがあると思うけど……」


「そうなの?先ずはお米?だけをいただいてみるわねぇ?あら、ほのかに甘いのねぇ?リオちゃんの世界では、これが主食だったの?」


「私が居た世界と言うよりは、私の住んでいた国の主食が米でした。お肉とお米は最強ですからね……」


「リオはお肉も食べれるの〜?魔物の肉も〜?」


「こちらの世界では家畜っているのかしら?私の居た世界では、食肉用に牛や豚や鶏を飼育していたのよ。だから、魔物の肉を食べれるかは分からないわね」


「この世界でも、家畜はいるわよぉ。牧場もあるわ」


「へぇ〜?知らなかった〜!お城にはいないよね〜?」


「そうねぇ。広い敷地が必要になるから、王都より遠い場所にある事が多いからねぇ。リオちゃんが好きなら、今度爺さんに言って、買って来て貰いましょうねぇ」


「えぇっ!いえ、大丈夫よ、婆や。私は婆やのグラタンも、王城のご飯も美味しくいただいてるから!」


「たまには食べたい物を食べるのも大事よぉ?それに、それくらいは甘えてくれた方が、爺さんも喜ぶからねぇ」


「リオ、『ショウユ』もあるぞ?肉には『ショウユ』が合うのだろう?コテツが言うておったぞ?」


「えぇっ?醤油まで作っちゃったんですか?大豆から?あ、豆腐や味噌があるって事は、大豆も見つけて来たのですね……」


 コテツさんの行動力は凄いわね……お陰様で美味しい和食が食べれたのだから感謝しなきゃね。大豆で作れる物は殆ど作ってるんだもの。後は湯葉や豆乳ぐらい?


「クックッ、その通りだ。あぁ、そうだ、『トウフ』は手の上で切るのは普通なのか?」


「えぇ、お味噌汁に入れる時は掌に乗せて切って、そのままお鍋に入れるんですよ。まな板の上で切ったら、移動してる間に崩れちゃいますからね」


「まぁ!そうなのね?リオちゃん、今度一緒に作りましょう?作り方を知りたいわぁ」


「婆や、とても上手に出来てましたよ?初めて作ったとは思えないくらいに。本当に美味しかった……ありがとう、婆や。王様も材料をありがとうございました」


「リオちゃんが喜んでくれて良かったわぁ。『ウメボシ』は酸っぱいけど癖になる味で美味しかったしねぇ」


「『コメ』や『ミソ』などの材料は、まだまだ沢山あるから持って行くと良い。シアは『ウメボシ』が気に入ったのか?確か『ツボ』ごと入れて置いたはずだ」


「良いんですか?ありがとうございます!また食べれるなんて!嬉しいです」


 王様が出してくれる材料を、自分の亜空間『ソラそら』に移し入れながら、戻ったら何を作ろうかと考えていた。カミルにも食べさせてあげたいわね。


「リオ〜、元気になって来たね〜?あっちに居るよりは楽になってる〜?」


「えぇ、熱も下がったみたいね?怠いのも、前よりは楽に動けるし、良くなってると思うわ」


「王様〜、もう大丈夫そう〜?」


「はっはっは!坊やはリオが心配で仕方ないんだな?良いだろう。我が全力で精霊の悪さを取り除いてやろうな。リオ、こっちにおいで。我の前で膝をつけるか?」


 王様の言う通りに目の前まで進み出て膝をついた。王様の周りに精霊の魔力……キラキラした魔力が集まって来ている。


「リオ、手を出して我の体に触れていなさい。何処でも良いが膝をついたままでな?倒れてしまう可能性があるから危ないのでな」


 精霊王は優しいね。きっとコテツさんとの経験から、色々と人との付き合い方を学んだりしたのかな……きっとコテツさんは幸せだったんだろうなぁと思いながら、王様の左手に右手を乗せた。乗せたというより掴んだ?


 あぁ、フワフワのモフモフだわぁ……ソラより少し長い毛は柔らかくて……埋もれたくなるわね。お許しが出たら是非ともモフモフさせて欲しい。


 直ぐにキラキラの魔力が私の中に流れ込んで来る。お腹の辺りにあった違和感がスーッと無くなって行くのが分かる。とても心地良い……一瞬だけ気を失いかけたが、痛さや辛さでは無く、寝落ちする感覚だった。電車で寝落ちした時にカクンって首が落ちる感覚に似ていた。


「おっと、リオ?大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。王様の魔力が心地良くて気が抜けた?感じなので」


「王様、凄い〜!精霊の力が綺麗に消えたね〜!」


「上手く行った様だな。取り敢えずはこれで大丈夫だろう。リオよ。我の頼みを聞いてくれんだろうか?勿論、体調が回復してからで良い」


「あ、はい。治療をありがとうごさいました。私にお手伝い出来る事でしたら頑張ります。恩もありますが、ソラの家族が困っているなら助けたいですしね」


「ふふっ、そうねぇ。婆も手伝える事ならやるわぁ」


「リオもシアもありがとう、助かるよ。取り敢えず話を聞いてくれるか?」


 精霊王はおすわりの姿勢でポツポツと話し始める。可愛らしくてつい顔が緩みそうになるが、真面目な話だろうと気を引き締めるのだった。

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