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異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜  作者: 月城 蓮桜音
第二章

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第79話 爺やのお迎え ★爺や SIDE

 王宮は仕事で毎日来るが、おなごの部屋など当然行く事はほぼ無い。しかし今日は、嬢ちゃんの侍女2人に事情を説明し、夕方までに準備して貰わねばならない。


「嬢ちゃんの侍女はおるかのぉ?」


 部屋の前で軽くノックしてから話し掛ける。嬢ちゃんがおらん事は近しい者なら皆知っとるでのぉ。

 

「はい、お待ちください」


 少しして扉が開いた。


「リオお嬢様の後見人様、どうなさいましたでしょうか?」


「嬢ちゃんがあれから熱を出してしもうてのぉ。数日、ワシの家で婆さんと過ごす事になったんじゃ。急に環境が変わるのもどうかと婆さんが心配してのぉ?身の回りの世話に、侍女のリリアンヌとマリーの2人を連れて来て欲しいと頼まれたんじゃ」


「左様でございましたか。直ぐに準備致します」


「あちらの嬢ちゃんの部屋の隣には、そなた達の部屋も用意してあるからのぉ。ある程度荷物が多くなっても大丈夫じゃ」


「ありがとうございます。それでは、普段リオお嬢様がお使いになられてる物を出来るだけお持ち致します」


「よろしく頼む。夕方にワシがもう一度迎えに来るでのぉ。デュークも連れて来るで重い物があっても大丈夫じゃ。それじゃ、また夕方にの」


 ⭐︎⭐︎⭐︎


 今日の仕事も終わり、デュークを連れて嬢ちゃんの部屋に向かう。人を2人運ぶだけならワシだけでも問題無いのじゃが、荷物の量が分からんので念の為のデュークじゃ。

 

「準備は出来たかのぉ?」


「後見人様、お待ちしておりました。よろしくお願い致します」


「よろしくお願いします!」


「うむ。他に忘れ物は無いかのぉ?うん?あぁ、気配がすると思えば、ソラ殿。一緒に行くかのぉ?」


 ソファでくつろぐ白猫に声を掛ける。


「ん〜、数日居ないならご飯貰いにリオの所へは行きたいけど、オイラが移動するのは迷惑じゃないの〜?バレたら大変な事になりそうだし〜?」


「ワシの肩にでも堂々と乗っておれば平気じゃろう。部屋を出る前には見えん様にした方が良いかのぉ?飛行魔法で行くからどちらにしろ隠密魔法もかけるのでな」


「ジーさんに任せる〜。オイラは出来るだけ気配を消しとくから、運んでくれる〜?」


「それじゃ、この中に入るかのぉ?毛布の上じゃから、運ばれても痛くはなかろう」


 毛布やタオル類の入った箱にソラ殿を入れておけば、早めに開ける箱だから入れっぱなしになる事も無かろう。


「うん、ありがと〜」


 デュークに荷物を運ばせて、練習場の手前辺りで魔法をかける。


「そなた達は飛行魔法の経験はあるかのぉ?無理そうなら馬車を用意するが、どうじゃろうか?」


「私共は大丈夫です。運んでいただけるだけでも有難い事なので」


 もう1人の侍女も頷く。嬢ちゃんの侍女達は雇い主に似て真面目だのぉ。恐らく、そういった人間を呼び寄せるのじゃろうなぁ。


「よし、それでは向かおうかのぉ。デューク、荷物は任せだぞ?」


「はっ!」


 ⭐︎⭐︎⭐︎


「到着じゃ。先にそなた達の部屋に案内させような」


「「ありがとうございます」」


「ソラ殿、屋敷の中なら結界でバレないじゃろうから、嬢ちゃんの所まで自由に行き来して大丈夫じゃよ」


「ありがと〜。ジーさんの結界はオイラでも座標が分からなかったから安心〜」


「ホッホッホ。それは良かったわい。ワシも嬢ちゃんの様子を見に行くから、一緒に行こうかのぉ?」


 ソラ殿と廊下を進み、嬢ちゃんの部屋の前に着いた。


「誰かおるかのぉ?」


 扉を優しく叩き、声をかける。中から元影の護衛が出て来た。


「賢者様、おかえりなさいませ。ソラ殿、よくぞいらしてくださいました。どうかリオ様を癒して差し上げてください」


 ギルから賜ったとは聞いていたが、嬢ちゃんを主と認め、しっかり働いとるのは好印象じゃのぉ。嬢ちゃんはワシと婆さんの家族同然じゃから、顔を合わせる事も多くなる。好ましい人間が増える事は、ワシや婆さんにとっても嬉しい事じゃ。


「リオ〜、まだ寝てるの〜?」

 

「ソラ……起きてるわ。まだちょっと怠いだけよ」


「ん〜?精霊に会った?」


「会ったと言えるのかしら?あぁ、魔法で罠を仕掛けられていたわね……えーと、それで……あれぇ?」


「嬢ちゃん、覚えて無いのかのぉ?」


「思い出そうとすると、頭の中に靄がかかった様な?」


 まずいのぉ。記憶を混濁させる魔法の可能性がある。精神系の魔法は人に使うと厳しい罰則があるのだが、『精霊が使った』場合のみ刑罰に処されないのじゃ。


「罠にかかった時に、一緒に居た人物は思い出せるかのぉ?」

 

「えぇ。エイカー公爵と、リズが居たわ」


「魔法に触れずに済んだ者はいたかのぉ?」


「リズは見てるだけだったはず……閣下はお強いから大丈夫だって……」


 その娘に会って正確な話しを聞いておく必要があるのぉ。記憶を何処まであやふやにされてしまうのか……ワシや婆さんを忘れるレベルだったら許さんからのぉ?


「ふむ、カミルにはもう会ったかのぉ?」


「いいえ、まだなの。お昼に来ると言ってたから、待ってたんだけど……」


 カミルの事もまだ覚えておるな。その罠の時の事だけが曖昧になってるなら大きな問題は無かろうが……犯人は分かっているのに、何故こんな手の込んだ事をするんじゃろうかのぉ?


「嬢ちゃん、ワシはちと王城にカミルを呼びに行って来るからのぉ?ちゃんと連れて来るから、安心して休んでおれば良いからの」


「えぇ、ありがとう。爺やも気を付けて行って来てね」


 ⭐︎⭐︎⭐︎


 分からない事があると不安になるのは人の常で……急ぎカミルの執務室へ向かう。


「カミル、おるかのぉ?」


「はい」


「入るぞー」


「師匠、面倒な事になりそうです。エイカー公爵の記憶が曖昧になってる様で……」


 公爵もか。まぁ、魔法に触れた者の記憶を混濁させたのじゃろうが、かなり高度な精霊魔法じゃからのぉ?まぁ、精霊であれば『イタズラ』の範囲内ではあるが……


「あぁ、ワシもその事で来たのじゃ。リズという娘は何処におる?」


「え?リズですか?確認してみましょう。キース!」


「今、伝言魔道具で呼び掛けました。こちらに呼ぶよりは師匠が行く方が早いと思いますが……」


「あぁ、婚約者だったのぉ?場所が分かれば、キースを連れて行って来ようかの。」


「僕も行きます」


「嬢ちゃんが、昼に来ると言っていたカミルが来ないと、寂しそうにしてたが良いのか?」


「うっ……リオなら分かってくれると思いますが……弱ってる時は側にいてあげたいので、僕はデュークと師匠の家に飛びます……」


「そうしなさい。ワシも何が起こったかを確認したら、直ぐに屋敷へ帰るからのぉ。話しの続きは屋敷でな」


「はい。よろしくお願いします」

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