第7話 魔力測定2 ★リオ SIDE
(なんて事!魔力は少しでもあれば良いってカミルは言ってたけど、さすがに少な過ぎるでしょ……スキルは『鑑定』と『カウンター』、モヤがかかって見えないようにされてるスキルもあるわね。あら?最後の1行に日本語で何か書いてあるわ)
ゆっくり読む時間もなく、薄く透明な板に結果を写した物を渡されカミルの元へ戻る。
「か、カミル……」
おずおずとカミルを見上げると、カミルは良い笑顔で頷き、複写した板を見せてくれと言う。
ゆっくり最後まで2度ほど読み終えたカミルは、問題は無いとばかりに笑顔で頭を撫でてくれた。
「リオ、良い結果だよ。少しでも魔力があれば大丈夫。スキルの発動条件はクリアしてるしね。後でゆっくり話そう。僕からすれば素晴らしく良い結果だったよ」
「さすがに少な過ぎない?これからの努力で何とかなるかしら……」
「大丈夫だよ。可愛い僕のリオ。これで正式に僕の婚約者として人前に出れる事も嬉しいなぁ」
とびっきりの笑顔で私を見つめるカミルに慌てて自分の頬を両手で包む。カミルが大丈夫だと言ってくれるなら本当に大丈夫な気がする。結果は変えられないのだから、気持ちを切り替えて今後の事を考えたい。
(早くカミルと落ち着いて話がしたいわ。これからどう行動すべきか、カミルの考えを聞きたい)
カミルと目が合うと直ぐに理解してくれたようだ。
「これから婚約式が行われて、その後にパーティーがあるんだけど出るかい?疲れたなら夕食は2人でとろう。婚約記念に2人でゆっくり乾杯したいしね」
「えぇ、そうしてもらえると助かるわ。貴族の名前や作法は覚えたけど、上手く立ち回れそうにないしね」
(カミルの心遣いが有難いわ。私が好奇の目に晒されない様に、この場で声に出してくれるなんて)
婚約式は書類に名前を記入するだけで直ぐ終わった。カミルの嬉しそうな横顔だけが、今の私の心の支えとなっていた。