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異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜  作者: 月城 蓮桜音
第二章

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第71話 精霊と空間魔法 ★リオ SIDE

 今日は昼からお休みの日である。ソラと一緒に窓辺で日向ぼっこしながらウトウトしていた。ソラを膝に抱いて、のんびりと過ごす時間はとても癒される。


「ねぇ、リオ〜?リオは最近困ってる事とかある〜?」


「困ってる事?んー、直ぐに出て来ないって事は、深刻な悩みは無いんじゃないかしら?」


「リオはなんでも自分で解決しちゃうからねぇ〜。困ってる所を見た事が……あ〜、カミルに耳元で何か囁かれてる時にいつも困ってるぐらいだね〜」


「も、もう!ソラまで揶揄わないで。元の世界では恋人なんて作ってる暇は無かったのよ……だから、ああ言う事に慣れてないっていうか……」


「リオお嬢様は恋愛関係の話しになると、リューと一緒に黙り込んでしまわれますものね」


 リリアンヌがふふっと穏やかに可愛く笑う。リューも私と同じく恋愛関係の話しは苦手らしい。仲間がいて良かったわ……


「うっ。小説とか漫画とかでなら恋愛モノでも平気で読めるんだけど、いざ自分の事となると特にどうして良いか分からないのよね……」


「マンガ?異世界の物ですか?」


「えぇ、そうよ。小説は文字ばっかりでしょう?漫画は絵がメインで、セリフを文字で入れてある感じね。風景とか、小説では分かりづらい描写とかも、漫画なら分かりやすくて小さな子供も読みやすいの。だから、私の国では子供から大人まで漫画を好んで読む人も多かったわ」


「リオお嬢様はお描きにならないのですか?」


「あー、私は絵が壊滅的に下手なのよ……違う意味で天才だと言われてたからね。何を描いても誰も当てられないからなんだけど……」


 私は言いつつ遠い目をする。元の世界では家族すら私の描く絵を理解出来なかったのを思い出していた。


「なるほど……お嬢様の国では刺繍とかなさらないのですか?絵心が直結するのが、この国では刺繍かと……」


「文明が発達してたからね。機械……デュークが作る装置みたいな物が刺繍とかもやってくれるから……日常的に刺繍をする事は無かったわね。小学生……幼い頃に教育の一環としてやったけど、可もなく不可もなくだったわ。元々図柄を用意されていて、それを刺繍するだけだから、私にも出来たのよね」


「リオお嬢様がいらした国は、装置が刺繍をするのですか!?沢山の装置があるのですか?」


「えぇ、家の中は電化製品……装置だらけだったわね。例えば冷蔵庫や洗濯機は各家庭に大体はある物と言えるのかしら?」


「冷蔵庫……冷やす装置ですか?洗濯機は洗濯する装置でしょうか」


「えぇ、冷蔵庫はお肉とか悪くなりやすい食材を冷やして置いておけるから、長持ちさせる為の箱?ってイメージかしら。洗濯機は、洗濯物を箱に放り込むと、石鹸で洗った後に水洗いと脱水までしてくれる装置ね。後は干すだけの状態までやってくれるのよ」


「便利ですね!それらはこの世界では作れないのでしょうか?」


 マリーが食い付いて来た。洗濯が苦手なのだろうか?


「んー、デュークに言えば作れなくも無いとは思うけど、何気に毎日忙しそうだし、恐らくコストが凄い事になりそうなのよね。だから言わなかったわ」


「確かに、動力が要りますものね。庶民は殆どの人が魔法を使えませんので、人力で水を汲んで来て洗濯してます。少しでも生活が楽になると良いのですが……」


「マリー、買える人はごく一部よ?恐らく貴族が見栄のために買うぐらいでしょう。安価な物が普及すれば別だと思うけど、手に入れるには一生分の生活費が必要で。その為にわざわざ手洗い出来るのに洗濯機を買うかしらね?」


 水を出すための魔石に、洗濯物を回転させるための動力の魔石……水は何回も出すから魔石の交換か、魔力の補充をしょっちゅうしなければならないから、コストもそうだが逆に面倒な気もしたのだ。


「うっ、確かに……数時間の為に買う人は居ないかな……冷蔵庫は需要がありそうですけどね。お肉屋さんとか」


「そうね……今は氷室か何かで氷を作って置いて、冷蔵庫に近い物を使ってるのかしらね?」


「この国は冬が短いので、隣国から氷を買う事が多いですね。ごく稀に生まれる平民の氷魔法を使える魔導師は、貴族の家で雇われる事も多いですし」


 マリーは庶民の暮らしにも詳しいらしい。色んな事を知っているから助かる事も多かった。


「そうなのね。基本的に魔法を使えるのは貴族だけだと言っていたわね……王城内は涼しいけど、暑い日もあるのでしょう?」


「ございます。ただ、雨もそれなりに降りますので、作物を育てるには良い気候だそうです」


 リリアンヌは国の産業や仕組みについて詳しい。カミルが考えてつけてくれてるんだと改めて感謝した。


「そっか。じゃあ、国としては問題無いのね……」


 考え込んでいると、ソラが肉球でポンと私の腕を叩いて見上げて来る。


「リオ〜、リオは『空間魔法』を覚えれば、食べ物悪くならないよ〜?『空間魔法』で作った空間の中は時間が止まるから、温かい物が冷めもしないし?冷たい物も冷たいままだよ〜」


「えぇ?そんな魔法があるの?」


「精霊の加護を持ってるリオなら使えるはずだよ〜」


「精霊系の魔法なのね?んー、面白そうだけど……どれくらい収納出来るのかしらね?」


「ん〜と、この前のパーティー会場ぐらいかなぁ?リオは魔力量も多いから、もっと広く出来るかも〜?」


「そんなに広かったら、中から探し出すのが大変じゃないの?」


「息が出来ないから中には入れないけど、手を入れて探せない時は、頭の中で出したい物を念じれば取り出せるよ〜」


「それは便利ね……デュークに作って貰った護身用の短剣があるでしょう?陛下がいらっしゃる時は手元に持っていられないから、仕舞えるなら便利かなぁなんて?」


 ドレスの中から短剣を出す勇気も無くって、実は全く使った事が無かったりする。まぁ、平和って事よね?

 

「あ〜、その短剣には追跡魔石が取付けてあるから、出来るだけ持ち歩いた方が良いよ〜」


「やっぱり何かついてるのね。魔力の波動は感じるんだけど、それが何かまでは分からなかったのよね」


「リオはそれで良いの〜?プライバシーの侵害とか言うんじゃなかった〜?」


「ふふっ。ソラは難しい言葉を知ってるのね。私は別に構わないわよ。それでカミル達が安心するならね」


 ソラも私を思って色々考えてくれてるのが嬉しい。たまにこうやって、持っている物やカミルから贈られた物の解説をしてくれたりするのだ。


「ふぅ〜ん?『空間魔法』で作った『亜空間』に短剣を入れたら、追跡出来なくなるけどね〜?」


「そうなの?まぁ、持ってないよりは良いのかしら?その魔法は『魔力封じ』されていても使える?」


「うん、使えるよ〜。魔法とは言ってるけど、リオの魔力じゃ無くて、精霊の力を借りて使うからね〜。リオの場合は僕の力を使って、リオの魔力と引き換えに使えるって言えば分かるかな〜?」

 

「『魔力封じ』されていても、ソラは私から魔力を貰えるって事?」


「うん、そう〜。『魔力封じ』は、つけられた人が体内の魔力を動かせないから魔法が使えないだけで、外から吸ったり弄ったりは出来るんだよ〜」


「へぇー。面白いわね……これから練習してどれくらいで使える様になりそう?」


「あ〜、オイラと魔力を繋ぐ練習だけすれば直ぐじゃないかなぁ〜?魔法と同じでイメージが大事だよ〜」


「ふぅん?ソラと魔力を繋ぐ……魔力を糸の様に出して、ソラにピタッと……」


「あ、繋がったね〜」


「えぇーーっ!こんなんで良いの?確かにしっかりイメージはしたけど……」


「うん〜、オイラもこんなに早く繋げられたニンゲンは初めて見たから何とも言えないけど〜。リオとオイラの相性が良いんだって事で〜?」


「適当ねぇ……まぁ良いわ。次はどうしたら良いの?」


「オイラの魔力を見せるよ〜?それ〜!」


 ソラは猫の姿のままで両手を空に向かって伸ばす。どんな仕草でも、私にとっては癒しでしかない。そんな事を考えていると、上からキラキラしたソラの魔力が降って来た。


「わぁー!私の魔力よりキラキラしてるわね?」


「そうだよ〜。リオも少しキラキラしてるでしょ?あれはリオが加護持ちで、精霊の力が宿ってるからだよ〜」


「そうなのね!ソラは純粋に精霊だから、もっとキラキラしてるのね!わぁー、本当に綺麗な魔力ね……」


 つい見惚れていると、ソラに腕を突かれる。

 

「これを両手で掬って〜?そうそう〜。それで亜空間をイメージ出来る?」


 ポンッ!と『狭間』の様な場所が出来た。


「おぉ〜、初めてで出来たね……普通は数日掛かるらしいんだけどなぁ〜?まぁいっか。リオ、扉?箱の入り口的な物をイメージしてみて?」


 うーん、大きさ的には小さめの冷蔵庫ぐらいかしら?これに合う扉と言えば……んー、思いつかないわね。折角だし、ステンドグラスの綺麗な窓のイメージで!


 ポンッ!と今度は扉のデザインが変わった。イメージ通りにカラフルなステンドグラスで、猫のシルエットが右下に浮かんでいて可愛く出来た。


「わぁ〜、綺麗な扉だねぇ〜?色んな色がキラキラしてて……取っ手が地味なのが目立つけど……」


「本当ね……取っ手が無いと開かないわねって、最後に引き戸の取っ手を想像しちゃったからね……」


 金具の地味な取っ手が目立つ、カラフルな扉が出来上がったのだった。


「この中に、好きな物をしまうと良いよ〜。今は無いなら、必要な時に使うと良いよ〜」


「消してから次に出したい時はどうするの?」


「消すのは、扉の前でバイバイって手を振れば消えるよ〜。出す時は〜……『亜空間』に名前をつけるのが1番簡単かなぁ〜」


「『亜空間』に名前を?『倉庫』とか?んー、そうすると分かりづらいから……『スピースペース』なんでどう?」


「精霊って意味のスピーリトゥスから取ったんだろうけど、毎回そんな長い詠唱は面倒なんじゃ無いの〜?」


「うぅ……『ソラ空間』とか?略して『ソラそら!』」


 パァーッと空間の扉が光り、少しするとおさまった。


「リオ〜……『亜空間』の名前は『ソラそら』だよ〜……」


「えぇ!良いわね。『ソラくう』だと語呂合わせが悪い気がしたから、そらで正解だと思うわ!」


「まぁ、リオが気に入ってるなら良いけどぉ〜……」


「一回空間を消すわね?バイバイっと手を振って……消えたわね。これで『ソラそら!』」


 ポンッ!とステンドグラスの扉が現れた。これなら物を入れるのも出すのも楽しそうね。


「わー!思ってたより簡単なのね!便利そうだわ」


「リオ、オイラの魔力も使うから、精霊が居るってバレちゃうからね?隣国の皇太子が来てる時は使わない方が良いと思うよ〜」


「あぁ、そうなのね!分かったわ。ありがとう、ソラ」


「体調は悪く無い〜?初めて空間を作る時って、ニンゲン側の魔力も一気に使うからね〜」


「ちょっと待ってね。……うん、ステータス上でも問題無いし、既に魔力も自然回復してるみたいよ?」


「それなら良かったよ〜。オイラは少し疲れたからお昼寝しても良い〜?」


「えぇ、良いわよ。お疲れ様」


 ソラを膝に乗せ、ゆっくり撫でてあげるとソラは気持ち良さそうにゴロゴロと喉を鳴らした。

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