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異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜  作者: 月城 蓮桜音
第一章

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第68話 満月の夜に薔薇園で ★カミル SIDE

 宝石店へ行った翌日の夕方、師匠は執務室に現れた。


「カミル、出来上がったようじゃぞ?」


「えぇ!もうですか?」


「プロポーズすると伝えてあるから、急いで作ってくれたようじゃ。どうする?」


「これからこっそり行きたい所ですが……夕食に顔を出さないのはマズイですからねぇ」


「あぁ、夕食だけはいつも一緒だったのぉ。夕食まで後2時間ぐらいあるかのぉ?」


「そうですね。それくらいでしょう」


「隠密魔法で宝石店まで飛べば間に合うかのぉ。手直しが必要な場合もあるから、早めに行っておいた方が良いぞ?」


「では、行きましょう。キース、この事は内密にね?」


「かしこまりました。いってらっしゃいませ」


 師匠と隠密魔法をかけて、飛行魔法で宝石店へ向かった。中に入る前に認識阻害魔法をかけて貰う。


「いらっしゃいませー!」


 先日の店主が奥から顔を出した。


「あぁ!爺さんとお兄さん!指輪もネックレスも出来てるよ」


 奥から大事そうに持って来てくれる。


「さぁ、どうだろうか?良い出来だと思うのだが」


 小さな青い箱を開け、箱に入った指輪を取り出す。繊細なデザインの上に、青紫色の石が乗っていて美しい。リオのイメージにとても合っている。


「とても美しいね……思った通りだよ。ありがとう」


「それは良かったです!こちらはどうでしょう?」


 青い縦長の箱に入ったネックレスも、繊細な同じデザインだと分かる。真ん中にあるアメトリンがデザインにとても良く馴染んでいて、どちらも美しかった。


「凄いね……デザインも宝石も美しいのに、どちらも負けて無い。予想以上の出来だったよ、本当にありがとう。きっと喜んで貰えると思う」


「良かった!安心しました。きっと彼女にお兄さんの気持ちが伝わると思います。プロポーズ、頑張ってくださいね!」


「あぁ、ありがとう。頑張るよ」


 指輪とネックレスを包んで貰い、店を後にする。夕食までに戻らなければならないからと、師匠が滅茶苦茶飛ばして帰ってくれた。


「師匠、ありがとうございました。とても良い買い物が出来ました」


「うむ、役に立てた様で良かったわい。イヤリングは明日には出来るらしいから、また明日以降に取りに行こうな」


「はい!その時はよろしくお願いします」


「ほれ、早よう行ってやりなさい。あぁ、プロポーズは今晩が良いぞ?今夜は満月じゃから、薔薇園も美しかろう」


「そうなんですね!ありがとうございます」


 僕は急いで夕食の席へ向かう。指輪はズボンのポケットへ入れ、ネックレスは上着の内ポケットにしまった。


「リオ、食事が終わったら、少し薔薇園を散歩しないかい?今日は満月らしいよ」


「満月なら明るいでしょうね。薔薇園にはまだ行った事が無いから、行ってみたいわ」


 微笑むリオはとても美しい……これからプロポーズをするのだと思うと少し緊張するなぁ。笑顔で了承してくれると良いんだけど……うわぁ、滅茶苦茶ドキドキして来た。外用の笑顔を貼り付けてやり過ごすしか無いな。


「カミル?大丈夫?どうかしたの?」


 うっ、リオは僕の事を良く分かってくれてるからなぁ。心配させたくは無いけど、ここは薔薇園までバレたく無いのだが……サプライズは僕には難しいらしい。


「ううん、何でも無いよ。リオと散歩なんてこれまで出来なかったでしょう?城の中に閉じ込めてたみたいで悪いなって思って……」


 これも本音である。本当はこの国の王都や観光地に連れて行ってあげたいと思ってはいた。立場がそれを容易に出来ないだけで。いつかは連れて行ってあげたいな。


「気にしなくて良いわよ?カミルが立太子の儀を終えるまでは難しいだろうって、デュークや爺やが言ってたから……事情も分かってるしね。私がカミルの立場でも同じ事になると思うわ」


 本当に非の打ち所がないよね、リオって。僕を分かってくれてる人がいる……それだけでも幸せな事なんだと、リオは知っているのだろうか?僕ばかりが幸せだと思ってしまう。これからは、僕がリオを幸せにしてあげたい。だから、僕の言葉でプロポーズをしようと心に決めた。


 ⭐︎⭐︎⭐︎


 リオの部屋に上着を取りに行き、薔薇園の入り口まではサイラスとリューが護衛を務める事になった。2人とも気がついている様で、小声で「頑張ってください」と応援されてしまった……


「わぁ……月がとても綺麗ね」


「普段はあまり気にかけないからね……勿体無い事をしたと今なら思うよ」


「ふふっ、本当にね」


 月に照らされるリオの笑顔がとても綺麗だ。


「今後は月が出ている日は、偶に散歩でもしようか」


「そうね、気分転換にも良さそうだわ」


「その先が薔薇園だよ。リオは薔薇は好きかい?」


「そうね、薔薇以外でも花は何でも好きよ?小ぶりな花も可愛くて好きかしら。野に咲くような、目立たない花も好きだわ」


「そうなんだね。デュルギス王国は冬が短いから、花は沢山咲くらしいよ。季節ごとに色んな花が咲くらしいから、時期ごとに庭を散歩するのも良さそうだね」


「それは楽しみだわ。お城もとても広いから、きっと見応えがあるでしょうね」


「僕が王太子になったら、景色の良い場所へも一緒に行きたいね。きっと今よりは自由に行動出来ると思うよ」


「そうね……でも、私達が出掛けるとなると大変でしょう?あまり無理しないで大丈夫だからね?」


 いつでもリオは人の事を考えてしまうんだね。それではリオの楽しみが減ってしまうとは思わないんだろうか?それとも僕が頼りないのかなぁ?悩んでも仕方ないんだけど、リオにはいつも笑っていて欲しい。


「リオ、リオは何かしたい事とか、行きたい所は無いの?買い物したいとかでも良いよ?」


「うーん、私は毎日が充実してるから、あまり考えた事が無いわね。あぁ、婆やの所にまた遊びに行きたいわ」


「それはいつでも叶えてあげられるけど……」


「カミル、私の願いはもう叶っているわ。だから無理に願いを叶えようとしなくても大丈夫よ?」


「リオの願いって?」


 リオはハッ!として少し俯いた。


「ひ、秘密よ。もう叶ってるから、言わなくても良いでしょ?何かお願いがあったら、必ずカミルに言うから、ね?」


 リオが上目遣いで僕を見る。これはズルい……


「分かったよ。無理に聞かないから大丈夫。その代わり、困った事とか、小さな事でも良いから絶対に僕に相談してね?リオの願いは僕が全部叶えてあげたいんだ」


「えぇ、分かってるわ。ありがとう、カミル」


 ふふっと微笑むリオにドキッとした。あぁ、このタイミングなら言えそうだ。僕は立ち止まり、リオは僕を振り向いた。


「カミル?」


 僕はスッと膝をつき、指輪の箱を開けた。


「リオ……リオ=カミキ嬢、僕、カミル=デュルギスと結婚してください。僕はこれから先、リオだけを愛し、大切にする事を誓います。一生、ずっと僕がリオの隣にいたいんだ。許してもらえるだろうか?」


 リオは両手を口元に当て、驚いた顔をしている。ブワッと一気に顔が赤くなったのが、月明かりの下でも分かった。そして瞳がウルウルしている……泣かせてしまった!?内心焦っている僕に気づいたリオがコクンと頷いた。


「えぇ、カミル……私も貴方の側にずっといたいわ。こんなに驚いたのも、嬉しかったのも初めてで……どう表現したら良いのか分からないわ」


「あぁ!リオ!」


 僕は嬉しくてリオを抱きしめた。リオの頬を濡らす涙をキスで拭い、こめかみにキスを落とす。


「リオ、大好きだよ。愛してる。これからもずっと一緒にいようね」


「えぇ、私も愛してるわ。私を絶対に離さないでね」


 リオからもギュッと抱き締めてくれた。ギュウギュウと気が済むまで抱きしめた後、少し顔を離し、見つめ合ってから唇にキスを落とした。幸せな時間がゆっくりと流れて行く。


 さすがに少し冷えて来たので、僕の上着をリオの肩に掛け、部屋に戻る事に。帰りも手を繋ぎ、いつもより少し近づいた距離に顔が緩む……


 部屋に着き、侍女達がお茶を淹れてくれるのを待って、リオにもう一つのプレゼントを渡す。


「リオ、本当はこっちの石を指輪にしたかったんだけどね……削るのが勿体無くてネックレスにしたんだ。貰ってくれるかなぁ?」


「まぁ!初めて見たわ……なんて神秘的な色なのかしら?私とカミルの瞳の色が同じ石にあるなんて……」


「アメトリンって言うらしい。希少な石なんだって。削ったら、どちらかの色が消えてしまう気がしてね。指輪と同じデザインにする事で、セットで婚約指輪って事にしようと思ったんだ」


「カミル、ありがとう!指輪の石も素敵だったけど、アメトリンは私達の色で嬉しいわ!大事にするわね」


「僕がつけてあげても良いかなぁ?」


「勿論よ。お願いするわ」


 僕はリオの後ろに回って、ネックレスをつけてあげた。うん、やっぱりこのデザインはリオに似合うね。侍女に鏡を持って来て貰い、リオは鏡を覗き込んでいる。嬉しそうで良かった……プロポーズは成功って事で良いんだよね?明日は1日中浮かれてしまいそうだ……


「あぁ、本当に嬉しいわ。カミル、いつの間に準備したの?」


「あぁ……実はね、師匠にプロポーズしようと思ってるのがバレて、指輪を準備したいと思っていたら、師匠が婆やにプレゼントしてる宝石店を紹介してくれたんだ」


「そうだったのね!デザインのセンスが良いから、爺やもセンスが良いのね」


「婆やが気に入ってるみたいで、いつも婆やにプレゼントするアクセサリーは、その店で買うらしいよ」


「ふふっ。嬉しいわ。今度婆やに見せて貰おうかしら」


「あぁ、そういえば……婆やにもアクセサリーをプレゼントするって一緒に買ってたよ」


「そうなのね!それなら近々見せてもらえるかも知れないわね。楽しみだわ」


 リオはずっと嬉しそうにしている。それを眺めている僕も、ずっと嬉しい。このままずっと幸せでいられるようにと願うのであった。

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[一言] めでたし、めでたし❗️
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