第14話 2日目訓練後 ★デューク SIDE
想像通り2日目の訓練で、あっさり中級魔法を全属性クリアしたリオ殿の姿を殿下の水の上級魔法で隠しつつ、3時間の訓練を終えて殿下の執務室へ戻る。
「あっさりだったな……」
「あっさりだったね……」
リオ殿に上級魔導書を渡し、部屋まで送って来た殿下が長いため息をついた。
「明日は南の森に行く予定だったけど、変更無しで良いのかい?」
「上級まで簡単に取得出来そうだよな。無詠唱で、あれだけポンポンと中級魔法を放つとは……魔力量も8000を超えてるし、上級も大気魔力を使えば……リオ殿なら明日1日で出来てしまう気が……」
「だよね……まぁ、たとえ上級魔法を全属性クリアしたとしても、当分は秘密にしておく必要があるしね」
「さすがに陛下に報告しない訳にはいかないでしょう」
「ひと月もせずに予言の日が来るんだ。決起会のパーティーが行われるだろう?魔力量の増加は報告したとしても、切り札として上級魔法を使えるのであれば隠しておきたい」
(確かに、王位継承権第一位の殿下に無理難題を押し付ける輩が出て来るだろうからな。何かしら切り札はあった方が良い。最悪、リオ殿が絡まれたとしても、切り札があると無いとでは大違いだからな)
「殿下、リオ殿と魔力循環をしてみては?リオ殿の魔力の色は白だと思っていたのだが、どうにも違うようで」
「ん?珍しいね。デュークでも分からないのかい?」
「あぁ。視覚では白だろうってぐらいだ。魔法を使うのに大気魔力をメインで使ってるから青が混ざって分かりづらい。私が人物鑑定すればハッキリするのだろうが、リオ殿のステータスは守るべきだろう。殿下のみ知る方が良いと判断した。他の召喚者とは面識もなく、異世界人特有の物なのかすら不明だろ?」
「確かにね。夕食の前にリオの部屋で確認してみよう」