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第13話 疲労回復魔法の習得 ★リオ SIDE

 (やったわ!初級は全部使えたわね。中級の魔法も使えるかしら。中級魔導書も貸して貰えたし、夕食までに読み終えられるかしら?)


 中級魔導書の表紙をめくる。デューク様が仰っていた疲労回復の魔法は、魔導書の後半に載っていた。


 ヒールが体の表面を覆って治すとしたら、体の中へヒールするイメージで良いみたい。ただ、魔力量がかなり多めらしいから、今の私に出来るか不安だ。取り敢えず練習してみる。


「疲労回復!」


 (詠唱が長いわね……ヒールも疲労回復も回復で良くない?魔法はイメージなのだから、回復って詠唱しながら疲労回復をかけてみましょう)


「回復!」


 (体の内側にヒールするイメージ……詠唱のタイミングからかなり遅れて魔法が発動したわね。やっぱり中級でも詠唱って意味なくない?)


 首を捻りながら悩む。掌に大気魔力を集めてから魔法を使うからか、発動が遅いのかも知れない。


 (じゃぁ、最初からお腹辺りに大気魔力を集めたら良いのでは?掌のように器が無きゃ駄目かしら?)


 お腹を見つめて大気魔力を集めてみる。薄い青色の魔力がお腹の近くでゆらゆら集まったのが目視出来た。


 (ここで疲労回復よね。あれ?やっぱり詠唱してないのに発動しちゃったわ……)


 あーだこーだと言いつつ練習していると、あっという間に1時間が経っており、夕食の支度が整ったと連絡が来た。慌てて着替えると、カミルの元へ向かう。


「こんばんは、カミル。先程振りね」


「やぁ、リオ。中級魔導書は読んだのかい?」


 カミルにはお見通しだったらしい。中級の魔法について、2人の会話が弾む。


「カミル、疲労回復の魔法を練習したんだけど、後でカミルにかけても良いかしら?」


「魔導書を読み終えた上に、練習までしてたのかい?」


「えぇ、大気魔力を使うから、魔力が足りないって事も無いし?いくらでも練習出来るじゃない?」


 カミルはポカンと口を開けたままで動かない。


 (また何かおかしな事を言ったのかしら?)


 カミルの思考が戻るまでゆっくりと夕食を再開した。


「リオ……、僕もどちらかと言えばリオ寄りだから何とも言えないんだけど、普通は大気魔力を集めるだけで集中力は途切れるらしいよ。それを3時間の訓練の後にずっとやってたんだよね?さすがの僕も集中力が途切れると思うから驚いたんだ」


 (そうなのね……普通は……私は普通じゃない?良いのか悪いのか……カミルは怒ってはいないわよね)


「えっと、練習し過ぎは良くないのかしら?」


 分からない事は聞いて良いとカミルは言ってくれてたから、素直に聞くことにした。


「いや、大気魔力を集める練習も、回復系の魔法を使うのも、特に暴発などはしないから問題は無いよ。ただ、頑張り過ぎて疲れてないか心配でね?」


 (あぁ!カミルは心配してくれてたのね……)


「問題無いわ、カミル。心配してくれて、ありがとう。私も少しでもカミルの役に立ちたいから、疲労回復魔法を覚えてカミルにかけてあげたかったの」


 素直な気持ちを伝えると、カミルの頬がブワッと赤く染まる。耳まで真っ赤になって可愛い。


「あ、ありがとう、リオ。リオの気持ちがとても嬉しいよ。後でお願いしても良いかな?」


 照れて頬をポリポリと掻きながら、微笑むカミルに惚けてしまいそうになる。


「え……えぇ、勿論よ。その為に練習したんだもの」


「それだけ練習してたのなら、魔力がまた増えたのでは?後でどれくらい増えたか教えてね」


 (そうね、1時間ぐらい練習したから増えてるかも?えっと、スキルは心の中で『鑑定!』)


 目の前にフワッとステータスボードが現れる。魔力量は……3964。さっきが2914だったから、1000増えたみたいだ。魔力測定では、他の2人は5000超えだったから、彼女達も訓練してる事を考慮するならまだまだ追いつけない。


 (でも焦る必要は無いわ。ちゃんと増やせる事も確認出来たし、中級の疲労回復も発動したもの。明日の訓練も楽しみだわ)

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