全てのチカラ
最近、この小説を書くに当たってルドロフィのカタカナ表記が増えた気がします。
演出上の都合で丁寧語、句点の次の言葉等をカタカナで表記しているのですが、読む際に「疲れる」「読みにくい」などの意見がございましたらコメントお願いいたします。
「___サイ…。オキテクダサイ!!シナロワサン!!」
「んん…。なんだよ…。朝から騒々しいな…」
「イイカラオキテクダサイ!アークサンガ…!」
「えっ…?アーク…?」
ボクは慌てるルドロフィに続き、操舵室へと足を運んだ。しかし、いつものように解析を進めるアークのモニターはいつのまにか黒く染まり、どのボタンを押せどもうんともすんとも言わなくなってしまっていた。
「アーク…。一体…何が…」
「ワタシタチが眠っているアイダにダレカが侵入したヨウデ…。コレ…舵の側のカギアナに取り付けられていたモノデス」
「…これは…」
ルドロフィから手渡されたそれは、小さなチップのようなものだった。とても緻密で繊細なそのチップは到底MHRA-224のものではないように見えた。
「…ありがとう。ごめんな、ルドロフィ。ボク、アークのこと心配だから…。ちょっとこのチップ調べてみるよ」
「ワカリマシタ」
それからボクは何日も、何週間もかけてそのチップのことを調べ上げた。いつもなら、アークや端末で読み込めば一瞬で解析できるのだが、このチップは何重にもロックが掛かっていて、かつ、ボクには理解できない言語で暗号化されていた。
「……アァーーーーッ!!一体いつになったらロック解除できんだよッ!これじゃあアークは…」
ボクは一ヶ月近い解読の末、未だに先の見えないゴールに痺れを切らしてしまった。
「あぁっ…!もう…。中断だ!こんなんじゃいつまで経っても終わんねぇ!!」
いつもは肌身離さず持っている端末をベッドの上に放ると、部屋を出た。するとその刹那。
「オット!シナロワサン。…ヨカッタ。ゴブジなようデスネ」
「…?なんで?」
「サキホド大きな声が聞こえたモノデ。ナニカアッタノカト。デスガ、何もないならヨカッタデス。アマリゴムリをナサラナイヨウニシテクダサイネ?」
「うん、ありがとな」
「ソレト。オショクジのゴヨウイが出来てオリマス!良かったら一緒にタベマショウ?」
「…おう!」
少し、ルドロフィのお陰で元気が出た気がする。アークのためにも、ルドロフィのためにも…もっと頑張らなくちゃな…。
ボクたちはその後、共に食事を取り、ボクの精神面を心配してくれたルドロフィの提案で魔物の狩りに行った。久しぶりの外、ということもありボクの身体はだいぶ鈍っていたものの、CN-1131にいた頃の射撃の腕は健在だった。そして夜になり、部屋に戻った___その時に起きた、あってはならない、いや、起きるはずもない事件。ボクの端末が、壊れていた。画面やその他の損傷は一切ない。けれど、どこを触れても、チップを差し込んでも、何も反応しない。
「なんで…。マジでなんなんだよ……ッ!」
絶望的な状況のあまり、ボクは思わず絶叫した。
「シナロワサン…?」
すぐ側にいたのか、ボクの声を聞きつけたルドロフィは間も無くしてボクの部屋に静かに入ってきた。
「シナロワサン…。ナニカアッタノデスカ…?ワタシでヨロシケレバ、オハナシウカガイマスヨ?」
「……ボクはもうどうすることもできない。アークにも、お前にも」
「……ドウイウコトデスカ…?」
「壊れたんだ。ボクの全てが詰まってる、この端末が。ちょっとやそっとじゃ壊れない。なのに…なんで……」
「ジャア、キミはモウ『ムリョク』ナンダネ?」
「…は?」