サイゴの星
いよいよ完結です。
この作品を初めてご覧になる方は、ぜひ、第一話、「CN-1131」からご覧になって頂けると嬉しいです!!
それでは、本編始まります。どうぞ最後まで、ごゆるりとお楽しみくださいませ!
それからはヴィランを休め、ボク一人で作業を進めた。一体どれほどの時が経ったのか。アークのシステムは少しずつではありながらも、修復されていった。ボクたち二人で作業していた甲斐もあってか、内部も外部もだいぶ修復が終わりつつあったアークは、途切れ途切れではありながらも、ボクとの通信が少しずつ戻ってきていた。
「あとちょっとだからな…。頑張れ……」
そして遂に。その時がきた。
「____シナロワ……」
「…アーク…!!やっと…気づいたんだな…」
「あれから…どれくらい……」
「半年だよ…。もう…目、覚まさないかと思った……。良かった…」
「ごめんなさい。ありがとう、シナロワ」
「いいんだよ、ボクだけじゃない。ヴィランの力がなかったら、お前のこと、直せなかった」
ボクは半身振り返り、ヴィランの方を指す。すると、アークは驚いた様子で声を上げた。
「ヴィラン…?どうしてここに…。シナロワとはもう会わないって……」
「…オレ、アークトシナロワ タスケラレタ。ダカラ、オンガエシ シタカッタ」
「……ヴィラン…」
「デモ、コレカラ ズットフタリイッショ。オレモ、ソバイル」
「…!一緒に居てくれるの?絶対?約束?」
「ヤクソク」
ヴィランがそう優しく言うと、アークは今まで聞いたことのない声を上げて喜んだ。よっぽど嬉しかったのだろう、二人して宇宙に飛び上がり、楽しげに飛び回る。
「おぉーーーい!!ボクを置いて行くなよぉーっ?」
そんな笑い声の響く宇宙には、数多の星が瞬いていた。
ボクが故郷の星を発ち、五年の月日が経った。今では、アークとルドロフィと過ごしたMHRA-224がボクの故郷となっている。
アークが目覚め、二人とボクとで世界を救いに行こうとしたあの日。ボクたちが故郷の星に帰ると、ボクの知るCN-1131は消えていた。ヴィランが首都を半壊してしまったのが功を奏したのか、国はすっかり平和を取り戻し、首都は交易都市と化し、隣国とも国際間での貿易が進んでいた。けれど、残っていた唯一の家族だった母さんは家で一人で亡くなっており、ボクがCN-1131にいる意味は無くなってしまっていた。
そして現在。母さんをMHRA-224で天に返したボクは、第二の家族、アークと、ヴィランと、共に過ごしている。不便はなく、何不自由なく過ごしている。ただ、一つ気がかりがあるとすれば、もっと家族に寄り添って、一緒に居てあげれば良かった__それだけだ。
ボクはこれからも、この星で生き続ける。母さんの分も、アークアの分も。そうすればきっと、このわだかまりはボクの生き甲斐に変わるはずだから。
最終回、いかがでしたでしょうか。楽しんでいただけましたら、幸いです!
活動報告でもお知らせさせていただきましたが、今作、ルドロフィ視点のものも書いてみようかなと思っております。
明後日から投稿予定ですので、よろしければそちらの方もご覧いただけると幸いです!
それでは、「銀河の果てで」最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました!!また次回、お会いいたしましょう!!