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銀河の果てで  作者: 天河 礼昴
ナカマと魔物と
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CN-1131

 ボクは恵まれた人生を送っていた。温かい家族。穏やかな職場、美味しい食事…。エンジニアとしての仕事は大変だけど、この環境からしたらそんなの比べものにならないくらい楽な仕事だった。



「シナロワ。今週末までに終わるのか?まだ心臓部の設計が終わってないんだろ?」


「あぁ、大丈夫です。コイツはとにかく強くって依頼だったので…。設計はそこまで難しくないんですよ。寧ろ、感情を持たせたり、守らせたり…そっちの方が難しい」


「そうなのか…。んにしても、一体大臣は何考えてるんだかな。こんなデッカい戦艦造らせて隣の星乗っ取ろうなんて…。そんな事考えてたらいつかバチ当たりそうだけどな」


「そうですね。でも事実、ボクたちが住むこの星はもう手狭です。どこか広い星に移住しようって考え方だけは妥当かと」


 そんな話をしながら、ボクは最新宇宙戦艦の心臓部の設計の手を進めた。



 それから早くも期日当日。焦る事なく予定通りに事は進み、大臣も納得の出来だった。


「よくやった!お前、名は?」


「シナロワです」


「そうか、()()()()か!中々良い出来じゃないか!早速コイツを目的の星に…!」


「あっ、ダメです、大臣!コイツはボクが乗ってないと…暴走しちゃうんです…!!もしくは……」


「うるさいッ!庶民如きがワタシにごちゃごちゃ口ごたえするんじゃない!!」


 その刹那、ゴゴゴと大きく地面が震え、地響きがすると戦艦は止めてあったロープをブチブチと引きちぎりながら空に飛び上がった。そして、音もなく重鎮の集う王宮へと向い始める。そんな最中、王宮では王をはじめとした錚々(そうそう)たる面々が集い、他の星への移住計画が練られていた。


「___ですから殿下!この星はもう捨てるしかないのです!!ここまで温暖化が進み、これ以上環境が悪化したら…私たちはもう住むどころか、死にますわ!」


「だからですよ、閣下。ここまでこの星を追い込んでしまったのは我々だ。だから我々で、この身体で最後まで責任を負うべきだ!」


「……ホシ…ステル…?オレ…タダノ、ハカイヘイキ…?」


「な、なんなんだ!この戦艦は!」


 戦艦、もとい、宇宙戦艦ヴィランは空に漂ったまま、(つたな)い言葉で迫った。


「あ…あぁ!そうだ!こんな狭い星じゃもう住めないからな。お前で言えばあれだ…。パーツ交換と一緒だよ」


「…ソウカ…。ダッタラ、オマエタチゴミ…。オレガ、コロス…」


「「!!」」


 ヴィランは砲台を部屋に向けると、重鎮たちの意見にも耳を傾けず、ビームを放った。それは王宮のみならず、首都の大半を焼き尽くし、街は黒煙で覆われた。


「ヴィラン…。お前……やりすぎだ…」


「……」



 その翌日、ボクはヴィランを使って王や重鎮を殺した、首都を壊滅させた、などの数多くの罪に問われ、国を追われ、そして遂には星を追放された。しかし、ヴィランは己なりに責任を感じたのか、AIシステムとして暴走した時の最終手段として搭載していた自爆スイッチを自ら入れ、宇宙の彼方で消滅してしまった。


「ボクのせいだ…。ヴィランを殺したのも…国のみんなも…」



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