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ラベンダー  作者: はまち
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どうしようもない 2

勝ち誇ったような影の表情。

あまりにも残酷だ。

あぁ、なぜこのような競争をこんな幼い頃からやらなければならないんだろうか。

他の4人の表情は、悔しさと、恥ずかしさと、嫉妬と……。


偶然、得意なことが優劣を決める物差しになった時、劣った者はどうすればいいのか、どうするべきなのか。

魚が陸上で走れないように、象が木に登れないように。

やはり努力すべきなのだろうか。いや、努力しないといけないのだろうな。

それが人間として生きるための処世術なんだろう。周りの人間が努力しない人間を嫌うのだ。


――暑い日差しが園庭を照りつけ、時々吹く風が園庭の砂を濃い青の空へ巻き上げていく。


全ての競技が終わり、運動会が終わった。

我が子の成長に涙する親の姿。子が生まれる前は、その気持ちを察する事はできたが、当たり前だが、実感はできなかった。

息子も幼稚園に入り、できることが今よりも増えて運動会で競技をやり切った瞬間に立ち会うことが出来たのなら、今のボロボロに傷ついた私でも涙を流すことができるのだろうか?


あぁ、そうだ。私はボロボロに傷ついているのか……。

いつの間にか摩耗していた。気づかなかった。

毎日仕事に行き、やりたくもないことをやり、上司や同僚たちの顔を伺い、波風立てないように過ごしてきた。それが普通だと思うし、上手く切り抜けることが社会人として上手くやっているということだと錯覚しているんだ。


何よりも他人の評価が気になり、ここ5〜6年なんて行動する基準が『自分がしたいから』ではなく、『あの人が喜ぶから』『あの人のご機嫌を取りたいから』になってしまったようだ。

そして、上手くいくと心から嬉しく思ったし、注意や非難をされるとそれこそ自分には価値がないと思ってしまう。

実際、自分には価値がない。


私は自分が何をしたくて行動するかも分からなくなっている、そういう空っぽな人間なのだ。


手で顔を覆う。眩しい世界と離れる。

自分だけの世界。

静寂。


――鍵盤ハーモニカの音とピアノの音


手を戻し、瞼を少しづつ開ける。

私は、幼稚園の教室の隅に立っていた。

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こうして頂くと泣いて泣いて庭を駆けずり回ります

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