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酒中偶成  作者: 中郷居哉
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今日も酒に脳を溶かして


今日も酒に脳を溶かして

部屋の隅をぼうと見る


何も見えずに

火照った身体を持て余し

寝巻きのままに

外に出る


星は見えた

月は見えた

みえないものは

なんだったのだろう


肺のあたりの肺じゃないところ

心臓の近くの別の場所

胃では決してない

よくわからないいってんが

ぶるぶるとふるえている

いまにもなくなってしまいそうな

かすかな存在の主張

うれしくもなく

ましてや楽しくもなく

だが

いやではなく

否定して退けたいこともなく

できればそのわずかなふるえがもたらすあたたかさに

いつまでもあまえていたい

そんな思いがこみあげる

消えてしまいそうなその火を

消えそうなままに

むごいだろうか

依存だろうか

むいみな試みだろうか

でも

それでも消えそうなままに

弱く

永く

ずっと

ずっと

ながく

もどかしく

ともして

灯して

やわらかく

やさしく

なみだに変わるまで

ともして

まもって

ともして、

灯しておきたい



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