表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
博士のロボット  作者: おみくじ
5/6

ロボットに感情を

 ロボットの液晶画面から、子ども達の映像が全部消えていた。静寂な研究所の窓からは、綺麗な朝日が差し込んでいる。博士は短いため息を付きながら、床に寝そべっていた。だが博士の口元は、自然な笑みをたたえている。今はとても、清々しい気持ちだった。

 こんなに感情を曝け出したのはいつ以来だろうか。ずっと、研究所に籠りっぱなしで、一人だったから。映像ごしからとはいえ、人と関わることが、こうも楽しいものだとはな……、ふっ、俺らしくもない。


 博士はゆっくりと起き上がり、倒れているロボット達を見て自嘲気味に笑った。


「はははっ、お前も俺みたいに、怒ったり、泣いたり、笑ったりと、楽しめたらさ、煙を吹いて壊れることなんて無かったのかもな。ははははっ」


 倒れているロボット達にそう語り掛けた後、博士はハッとした。


「ロボットが……、俺みたいに? ……、そうだ、そうだよ、そうすれば……、壊れることはないんだ。でもどうやって感情表現を……、はっ⁉ そ、そうだ! 確か日本という国で面白いものがあった。あれを利用すれば!!」


 博士は急いで立ち上がり、パソコンに向かった。ハードディスクに保存されているあらゆる知識のなかに、それはあった。


「こ、これだ!! よし、あとは、園児達の感情表現の言葉を真似して、教育ロボットにインプットさせれば!!」


 博士が一台のロボットにパソコンの回線をつなぐ。慌ただしいキーボードのタイピング音が研究所に鳴り響いた。


『園児達のための豊かな教育を課題とする』


 もう、そんな事知るか。俺の教育ロボット実用化も、もうどうでもいい。あの子達が、あっと驚く様なものを、見せてやる!! 

 博士の表情はとても嬉しそうな笑顔だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ