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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第4章〜暗躍編〜
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甘味

短かった私の自室での籠城時間。

しょんぼりしながら、アディライト特性の美味しい晩御飯を自分で食べる。

この晩御飯も自分で食べると言い聞かせなきゃ、私はコクヨウとディオンの2人に世話されていただろうから。

恐ろしい、油断も隙もない。



「ディア様、食後の口直しにお茶をどうぞ。本日の夕食のお味はいかがでしたか?」

「ん、ありがとう、アディライト。今日も、全部美味しいよ。」



何の文句のつけようのない、全てが私好みの味。

おかずも私の好物ばかりだし、もしかしてアディライトにバッチリ好みを把握されている?

・・・うん、あり得るかも。

この数日の生活の中で優秀なアディライトの事だから、私の好みまで把握してしまっている恐れがある。



「ありがとうございます。ディア様にそう言っていただけると、嬉しいですわ。」

「でも、アディライト、無理してない?全員の料理を作るの大変だったら、いつでも止めて良いからね?」



こうして釘を刺さなければ、私の為にとアディライトや皆んなは無理をしかねない。

ここは私への溺愛者の集まりだ。

しっかりと私が注意して見ておかないと。



「ディア様、ご心配ありがとうございます。ですが私は料理を作るのは好きなので、なんの苦にもなりません。それに、私が作った料理を美味しそうにディア様に食べていただけるだけで疲れなんて吹き飛びますもの。」

「なら、良いけど。あ、そうだ。ねぇ、アディライト、今度私にも料理を教えて?」

「・・ディア、様に、ですか?」

「ふふ、うん、私も皆んなにお菓子でも作りたいんだ。日頃の感謝の気持ちとして。だから、アディライト、今度、私と一緒に作ってくれる?さすがに1人で作る自信ないからさ。」



私の料理の経験といえば、学校で行われる調理実習だけ。

それも、除け者扱いだったけど。

圧倒的に料理の経験が私は少ないのだ。



「っっ、まぁ、ディア様と私が一緒に料理をッ!?本当によろしいので!!?」

「あ、アディライト?」

「はい、お任せ下さい、ディア様!手取り足取りこのアディライトが、ディア様にお菓子作りでも、他の料理でも、丁寧にお教えいたしますわ!」

「う、うん、お願い、ね?」



満面の笑顔で、こちらへと身を乗り出すアディライト。

目も輝いている。

何かアディライトの琴線に触れてしまったのだろうか?



「うふふ、その日は誰にも邪魔されずディア様と2人っきりなのですね。あぁ、とても楽しみですね。」

「・・・。」



ーー・・とても不安だ。

スイッチの入ったアディライトの暴走が止まらない。

うきうきのアディライトから目を逸らし、無言で私はお茶を口に運んだ。

・・・もしかして、私早まったかも?



「こほん、少し取り乱しました。申し訳ございません。ディア様、今日のデザートはいかがですか?」

「っっ、食べる!アディライト、今日のデザートは何!?」

「うふふ、本日はディア様よりお教えいただき、私なりにアレンジを加えてお作りしてみましたゼリーです。」

「っっ、ゼリーッ!」



そんなうきうきのアディライトが食後に出したデザートは、まさかのゼリーだった。

アディライトによってテーブルの上に出されたデザートのゼリーに、私の目が釘付けになる。



「うわぁ、」



まさに、私の前にあるのはゼリーだ。

あちらの世界の料理。



「私なりに試行錯誤を繰り返して作ってみたのですが、ディア様どうでしょうか?」

「うん、見た感じ私の思った通りのゼリーになってる。アディライト、嬉しい、ありがとう!」



テンションが上がる。

アディライトには、こちらの世界にない料理を色々と伝えていたんだよね。

今日は、やっと身を結んだ記念すべき日だ。



「じゃあ、さっそく。」



おぉ、感触もゼリーらしくぷるぷるしてて素晴らしい。

スプーンでゼリーを自分の口へ運ぶ。



「っっ、!」



私の口の中に広がる、ほどよい甘さ。

口溶けも良く食べやすい。



「ーー、あの、ディア様、お味はどうでしょう?」

「最高だよ、アディライト!このゼリーすごく美味しい。」



文句なしの出来。



「アディライト?明日のデザートもゼリーが良いな?」

「ふふ、そんなに気に入って下さったのですね。分かりました、明日の分のゼリーもたくさんご用意しておきます。」



目が輝く。



「本当?わーい、明日が楽しみ。」

「そんなに喜んで下さるなら、迷宮内でもおやつに召し上がりますか?他の味のゼリーも、ご用意がありますよ?」

「っっ、!?違う味のゼリー、食べる!」



さすが、アディライト。

ゼリーの味も何種類か用意しているなんて、なんて素敵なんだろうか。



「うふふ、ディア様から教えていただいた料理は他にも色々とありますから、ご期待下さい。必ずやディア様のご期待の味に仕上げますわ。」

「ん、すごく期待してる!アディライト、主に甘いデザートをお願い!」

「かしこまりました。」



にこやかに了承するアディライト。

よし、これから先の私の幸せお菓子生活は、アディライトによって確保が出来た。

・・・次は、うん、アイスが良いかな?




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