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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第4章〜暗躍編〜
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迷宮攻略の開始

コクヨウから与えられた愛情を名残惜しく思いながら皆んなが待つリビングへと向かい、アディライトの用意してくれた朝食に口を付ける。

今日から迷宮攻略が控えているから、しっかりと朝食は食べなくちゃ、ね?



「ご馳走様。アディライト、今日も凄く美味しかった。」

「ありがとうございます、ディア様。」



うん、元気がでた。

どれも凄く美味しくて、今日もアディライトの手料理を全て完食です。



「ディア様、食後のお茶をどうぞ。」

「あぁ、ありがとう、アディライト。」



今日も完璧な給仕だね。

アディライトが淹れてくれた食後のさっぱりとしたお茶をゆっくりと堪能する。

しっかりとあでぃらいとの作った美味しい食事を終え、少しの休息の後に私達が向かうのは、ルーベルン国にある迷宮。



「ーーー・・高い、ね。」



たどり着いた迷宮を見上げ、私はぽつりと呟く。

この街の迷宮は全45階層。

地下はなし。

リリスが集めた情報によれば10階、20階、30階、40階の階にそれぞれボスがおり、最期の45階にフロアボスと呼ばれるガーディアンがいるらしいとの事。



「ふふ、楽しみ。」



目の前の迷宮に私の期待が高まる。

自分と皆んなの経験値も、この迷宮でがっぽり稼ぎたいところだ。

最優先はユエのレベル上げだけどね。



「ーーー・・お、君達全員見ない顔だな。この迷宮へ入るのは初めてか?」



迷宮の入り口に駐屯する男の兵に声を掛けられる。

止まる私達の足。



「はい、私達はルーベルン国で冒険者になったばかりで、この迷宮に入るのは今日が初めてなんです。」

「そ、そうか、頑張れよ?後、迷宮に入る前に全員の身分証の提示を頼む。」



にっこり笑うわたしに吃りながら、身分証に提示を求められる。



「えっと、身分証を?」

「あぁ、君達全員の身分証を記録して、出入りの有無の確認を取るんだ。迷宮から出て来れなかった冒険者もいるから、こればかりは協力してくれ。」



困った様に男の兵が頬を掻く。



「もし、君達が何日も迷宮内から戻らない場合は、冒険者ギルドへ報告する決まりなんだ。その、これから迷宮に入る君達には言いにくいが、中で命を落とす者もいるんでな。」

「実力が伴わなければ、迷宮内で力尽きるのも仕方ないですものね。」



納得とばかりに頷く。



「あの、迷宮内から戻らない冒険者は多いんですか?」

「あー、ここ最近は迷宮内から戻らない冒険者は多いな。冒険者ギルドにも知らせてはあるが、お前達も十分に気を付けろよ?」

「分かりました。」



頷いて全員の身分証を男の兵へ提示する。

それにしても、迷宮から帰って来れなかった冒険者、か。



「・・皆んなが警戒している事と言い、目の前の迷宮には何か有りそうね。」



私達も気を引き締めよう。

ユエや自分達のレベル上げよりも、全員無事に戻る事を何よりの最優先として、今日の迷宮攻略に挑もうとしようか。



「うん、全員の身分証の確認登録は完了だ。無事の戻りを祈っている。」

「ありがとうございます。」



返された身分証をしまい、いざ、お楽しみの迷宮攻略へ足を踏み入れる。





《迷宮1階層》



迷宮内は広い洞窟だった。

洞窟内は全体的に明るいとは言えないが、ぼんやりと淡く光っている石のおかげか、全くの真っ暗ではない。



「これなら、松明やランプの明かりは必要無いね。」



明かりが必要なら魔法もある。

今の所、魔法や松明を出さなくても、このまま迷宮内を進めそうだ。

慎重に私達は迷宮内の奥へと歩みを進める。



「ーー・・あっ、」



しばらく歩けば、さっそく私のマップ上に赤い点滅が現れた。

どうやら敵がいるらしい。

迷宮内で初の、モンスターだ。



「アディライト、ディオン、フィリア、フィリオ、迷宮内での初戦闘だよ。先ずは皆んながどれだけ強くなったか見せてくれる?」



敵は三体。

コボルトの群れだ。



「はい、かしこまりました。」

「お任せ下さい。」

「「敵、倒してきます。」」



私の指示にアディライト、ディオン、フィリアとフィリオの順で頷く。

それぞれのその手には、もう武器を持っている。

やる気満々のようだ。



「ユエ、4人のサポートを頼めるかな?」

「了解した。」



頼もしいユエからの返事。

ユエの戦闘もどんな風か気になるので、ここは任せよう。



「ぐるっ、」



ゆっくりと私達の前に現れるコボルトの群れ。

戦闘の邪魔にならぬようにコクヨウと後ろに下がった私は、皆んなの迷宮内での初戦闘を見守る。

と、言っても、現れたコボルトの群れはリリスのスパルタ指導を受けた皆んなの敵ではなく、あっさりと瞬殺されてしまったのだが。



「うーん、この階層のモンスターは皆んなだと瞬殺、かぁ。低下層はレベルの低いモンスターだけだから仕方ない、のかな?」

「ディア様、しばらく戦闘は皆んなに任せてはいかがですか?」

「そう、だね。皆んなのレベル上げにもなるし。」



しばらく皆んなの戦闘を見守る事にして、私達は迷宮の奥へと進んだ。



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