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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第3章〜恋愛編〜
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不愉快

そしてオークションの翌日。

新しく、私の家族となったアディライト、ディオン、フィリアとフィリオの4人。

大家族である。



「色々と皆んなの物を買わないと。」



下着に服。

これから先の食器や日常品。



「うん、街で買うものはたくさんありそうだわ。」



特に皆んなの洋服は急務。

同じ服を、皆んなに着せたくないからね!



「て事で、朝食を食べたら、今日は皆んなの洋服とか必要な物を街へ買いに行くよ!」

「はい、分かりました。」



頷くコクヨウ。



「・・・洋服まで買っていただいて良いのでしょうか?」

「買い物・・?」

「「街?」」



恐縮するアディライト。

首を横に傾げる、ディオン、フィリアとフィリオの3人。

様々な反応を示す。



「アディライト、この買い物は必要な事だから、なんの遠慮もいらないよ!あと、ディオンとフィリアとフィリオは街の中を一緒に見て回ろうね?」



3人は、外の世界の事をあまり知らないだろうから。

さっそく、朝食を食べてから皆んなの必要な物を買いに街へ繰り出したのだが。



「・・・視線がうざい。」



じろじろと、こちらに集まる不躾な周囲からの視線にうんざりとする。

分かってるよ?

眉目秀麗な子達を連れて歩いてるんだから、周囲から見られる事はね?

コクヨウの時も、そうだったし。

でもーーー



「おい、魔族がいるぞ。」

「・・奴隷、なの?」

「暴れ出さないよな?」



ひそひそと交わされる周囲からの不愉快な会話に、眉を顰めた。

魔族だから?

だからって全員が好戦的でもないし、増悪の対象じゃないと言うのに恐怖し、こうして怯えるのか。



「ーーくだらない。」



不愉快だ。

こんなにも、私の子は可愛くて良い子だというのに。

不機嫌になる。



「・・・・ディア様・・、あの、申し訳ありません。」

「・・・コクヨウ、なんで貴方が謝るの?」

「・・・集まっている視線が、ディア様を不愉快にさせているので。前の時も、色々と言われてましたし。」



寂しげに、コクヨウが微笑む。

側では、フィリアとフィリオも周りの視線から逃れるかのように目を伏せていた。



「・・・なら、尚の事、コクヨウが謝る必要はないよ。そして、フィリアとフィリオの2人もね。」



人は、自分と違うものに恐怖し、排除しようとする。

コクヨウが、フィリアとフィリオが一体、貴方達に何をしたって言うの?

胸を張って言える。

コクヨウも、フィリアとフィリオも良い子であると。



「早く必要な買い物を済ませて、宿に帰ろうか?気分悪いしね。あっ、今日のお昼は、皆んなの歓迎会パーティーでもしようかな?」



うん、良い考えかも。

美味しいものを食べて、嫌な事を忘れて皆んなに癒される。

何それ、天国じゃんか。



「ふふ、何だか機嫌も治りそう。よし、そうと決まったら、パーティに必要な物も色々と買わなくちゃね。」



右手をフィリアと、左手をフィリオと繋ぎうきうきと歩き出す。

誰かに何かをされてもコクヨウは自分で撃退出来るとして、フィリアとフィリオは心配だ。

2人に何かあったら嫌だもの。



「今日の夜にでも、皆んなの事を強化していかなきゃ。」



あと、皆んな戦力の強化も、ね。

浮上した私の機嫌。

上機嫌で次々と皆んなに必要だろう物を買い揃えていく。



「っっ、ディア様、これ以上は、どうかお止め下さい!買いすぎです!!」



アディライトに怒られながら。



「ーー・・へ?これ買いすぎ、かな?」



自分では、少ない方だと思う。

皆んなの洋服も、私の中ではまだまだ買い足りない気分である。

が、アディライトの方にしてみれば、これは多すぎたようで。



「ディア様、もう少し自粛しましょう?」



宥められる。



「えっ、でも・・。」

「・・分かりました。また季節が変わったら、その時に新しく服を買いましょう?」

「っっ、!!なるほど!」



何て良い提案。



「・・ふぅ、妥協案を受け入れてくださって良かった。」



私達の中では1人、常識人のアディライトが安堵の溜息を吐いた。

そんな事を知らず、アディライトの素晴らしい提案に頷いて、そこでの買い物を終わらせる。

そして次のお店へ。



「・・これで、一通り皆んなに必要な物は揃ったかな?」



少し歩き疲れた。



「では、ディア様、そろそろ宿に帰りましょう。」

「そうね、コクヨウ。これから皆んなの歓迎会のパーティーをしなきゃだし。」



パーティ会場は宿の部屋。

周りの目がない部屋の方が、皆んなくつろげると思ったから。



「ディア様、お口に合いますか?」

「うん、美味しいよ。」

「ありがとうございます。ディア様のお口に合ったみたいで、良かったです。」



アディライトが微笑む。

料理は、大量に買ってきた食べ物や食材を使ってアディライトが宿の厨房を借りて作ったりしてくれた。

それがもう、とても美味しいのだ。

皆んなの箸も進んでるようだし、アディライトの料理に文句無しだよね。



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