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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
最終章〜魔族編〜
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史実との違い




エストア国へ向かう為、色々と準備を済ませる。

まぁ、皆んながしてくれるんだけどね。



「…ディア様、お身体にお気をつけくださいね?」

「このルルーシェルと共に行ければよかったのですが…。」

「ふふ、大丈夫よ、ロッテマリー、ルルーシェル。コクヨウ達もいるんだから、安心して?」



過保護が発動。



「ですが、あの様な危険な場所へ向かわれるのですよ?」

「とても心配です。」



出発が決まってから、ロッテマリーとルルーシェルとの毎日のやり取りである。

他の皆んなも同様で、心配性なのだ。



「2人は、エストア国にいい思い出がないでしょう?」



そんな2人を連れて行きたくない。

今回は留守番だ。



「うぅ、お優しさが嬉しくて悲しいです。」

「くっ、そこまで私達の事を思ってくださるディア様は、何処までも尊いのでしょう。」



悔し涙と恍惚の表情になる2人。

ある意味、いつも通りの2人だね。

ほっこりしつつ、皆んなと別れを済ませてエストア国へと旅立つ。

目的は、そこに住む魔族との接触だ。



「本当、砂漠が続くね。」



旅立ちから数日。

私達の目の前には砂漠が広がる。

暑さを凌ぐローブがあるが、なければ辛い旅となっただろう。



「この様な場所に住めるのでしょうか?」



アディライトが首を傾げる。




「確かに、砂漠ばかりで人が住めそうにないわね。」



過酷な場所だとは聞いていた。

が、ここまで砂漠が広がっているとは想定外。



「人が住むとしたら、オアシスの近くからしか?」



水の確保は必須。

なら、オアシスの近くに集落がある可能性が高い。

気配察知も、そちらを指している。



「そうですね、ディア様。その可能性は高いです。なら、ますばオアシスを探しましょか。」

「えぇ、そうしましょう。」



私達はさらに進む。

すると現れるオアシス。



「少し、ここで休憩しましょうか。」



皆んなへ目配せする。

私達を見つめる視線に注意を促して。



「ーーーお前達、此処へは何の目的で来た?」



オアシスでゆっくりと休んでいれば、中央の魔の森の中から厳しい声で問いかけられる。

現れるのは数人の多種族の青年と年配の男性一団。

声を掛けてきたのは年配の男性だ。



「私達は、このエストア国に魔族の生き残りがいると聞いて会いに来たのです。」

「…魔族に?」

「はい、この子達の知り合いがいるかと思いまして。フィリア、フィリオ、指輪を取りなさい。」

「「はい、ディア様。」」



魔族の証の黒髪、黒目が現れる。



「ご覧の通り、この子達は魔族の双子です。」

「…その子達は君の奴隷か?」

「はい。ですが、家族と思っています。」

「そうか。」



薄まる敵意。



「で、魔族の方達と会えますか?」

「…村長に聞いてから答えたい。確認してくるので、君達はそこで待っていてくれ」

「分かりました。よろしくお願いします。」



微笑み、年配の男性が村長の元へ向かうのを見送る。

数人は見張として残る様だ。

未だ私達の事を警戒しているのか、向けられる視線は優しいものではないのは仕方ない。

待つ事数時間。



「村長がお会いになるそうだ。」



戻った年配の男性。



「ありがとうございます。」



年配の男性に案内され、魔の森の中へ入る。



「魔の森な中にお住まいがあるのですか?」

「そうだ。森の浅瀬に我々の集落がある。」

「危険はないのですか?」

「時たま中央から魔物が現れる。その時は、なんとか討伐しているな。群れでこられると厳しいがな。」



話しながら進む事数十分。

少し開けた場所に、その集落はあった。



「ようこそ、お客人。我が集落へ。私はこの集落の村長、エクニスと申します。」



集落の村長、エクニスが私達の事を出迎える。



「初めまして、ディアレンシア・ソウルと申します。本日は、唐突な訪問申し訳ありませんでした。」

「ふむ、この様な場所へ来るとは驚きました。魔族とお会いしたいとの事。私の家の中で詳しくお聞きしましょう。」



エクニスの家へ招かれる。



「で、魔族に会ってどうしようと言うのでしょう?」

「はい、魔族の方達が生き残っていると聞きましたので、この子達の亡くなった両親を知る方がいないかと思い訪問させていただきました。」

「うむ、我が集落にも魔族は数人いるが、その子達の両親を知る者がいるかは分からぬぞ?」

「構いません。いずれ、この子達にも魔族の方達に会わせたかったので。」



同じ魔族なのだ。

いずれは、フィリアとフィリオの2人に会わせてあげたかったんだよね。

今回はいい口実にもなった。



「ふむ、分かった。我が集落の魔族の者を紹介しよう。」

「ありがとうございます。」



第一関門突破。

後は、世間話をしつつ、勇者と魔王の話を聞ければ良い。



「ーームガと申します。」



詳細された魔族は、ムガという名前の男性。

その他に奥さんと子供がいるとの事。



「お嬢ちゃん達の両親の事を知り合いを探してるみたいだが、名前はなんて言うんだ?」

「ヒュクロとミミリです。」

「僕達の両親の事を知ってますか?」



フィリアとフィリオの問いに、ムガは首を横に振る。



「残念ながら、俺は知らないな。力になれず悪い。」

「いえ、お気になさらず。この子達に両親の思い出が増えればと思っただけなので。」



2人の両親は、口実に過ぎないからね。




「ムガさんは、この集落にはどうやってたどり着いたのですか?」

「人間達との戦に加わらなかった俺達に魔族の元にも、他の国に居場所など無かったからな。流れ着いたのが、この集落だったのさ。」



ムガがからりと笑う。



「ありがたい事に、魔族だからと理不尽に虐げられたい、この集落は居心地がいい。逆に、魔法を使える俺達は重宝されてるよ。」



どうやら、この集落での扱いはいいらしい。



「なぜ、戦いに加わらなかったのですか?」

「魔王様が戦いに前向きではなかったからな。周囲の連中が戦いを後押ししたのさ。」

「え…?」



魔王は戦いに前向きではなかった?

史実では、魔王の指示で戦いが始まったはず。

本当は違った?



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