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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第12章〜獣人編〜
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断罪の準備

自分の子供に王位を継承させたいなら勝手にして。

ただ、継承争いを他の人を巻き込んでまでするのは勘弁してほしい。

とても迷惑だ。



「リリス、王妃が襲撃を企んだ証拠の用意は?」

「すべて揃えて用意しております。襲撃者からの証言、依頼時の場面のやり取り、王妃が側仕えに指示している所も記録用の魔道具に保存しておりますので、いつでもお使いいただけますよ。」

「なら、十分ね。」



一般人とは言え、人の殺害を依頼するなど犯罪だ。

しかも、ガルムンド王国の王妃が首謀者となれば世間の攻撃は王宮へ向かう事だろう。



「王妃が狙った相手はロウエンだけでなくルルーシェルもだと世間が知られて、その地位にいられるのかしら?」



ルルーシェルは、英雄だ。

今回の大会で襲撃を企てた魔族を倒したのだから、それも当たり前。

コクヨウ達も手伝ったとは言え、主体となって魔族を討伐したのはルルーシェルなのだから。



「英雄のルルーシェルへの暗殺依頼。世間は王妃の事を許さないでしょうね。」

「魔族の暗躍が活発にっている今、その実力を見せつけたルルーシェルの暗殺を企てたのです。民衆の王妃への強い批難は免れぬはずです。」



リリスも同意とばかりに頷く。



「このまま王妃でいられる可能性は低いかと。」

「でしょうね。」



まぁ、世間や民衆が王妃の事を許しても、私は許さない。

ルルーシェルや、私が欲したロウエンの暗殺を王妃は企てたのだから。



「リリス、“あの種族”の説得は出来たかしら?」

「はい、カイザー様の鱗を見せた所、快く話を聞いてくださいました。了承も得られましたよ。」

「ふふ、そう、良かったわ。なら、例え私が王家を滅ぼしても問題はないわね。」



保険は用意しなきゃ。

私を怒らせた王家を滅ぼす事になっても、住民に被害は与えなくないもの。



「リリス、ロウエンの様子は?」

「唐突な襲撃に動揺している様ですね。怪我はされていませんが、会いに行かれますか?」

「・・行かないわ。」

「親代わりのお爺様が亡くなって憔悴しておりますが、お会いにならなくて良らしいのですか、ディア様?」



リリスに問われ、目を閉じる。

ロウオンの消息が分かられず、心労が祟ったお爺様が亡くなったのは、魔族が倒された時だった。

もう少し早ければ、ロウオンはお爺様に会えたのに。



「会いには行かない。」



私達が次に会う時は、ロウエンから来るのだ。

だから、私から会いには行かない。

恨まれていようとも、私はロウオンの事を手に入れるの。

目を開け、リリスに視線を向ける。



「リリス、もう少しロウエンの周辺の守りを気づかれない様に固めてくれる?王妃や協力した者達を断罪するまで。」

「かしこまりました。」



恭しく頭を下げたリリスが影に溶けていく。

私指示通り、ロウエンを守る為に向かってくれたのだろう。

心強い。



「ルルーシェル、遊びは終わりよ。これからする事は分かっているわね?」

「はい、ディア様。」



ルルーシェルの瞳が剣呑に煌めく。



「今やこの国の王妃はディア様の敵。このルルーシェル、ディア様の敵に容赦は一切いたしません。」

「ふふ、とても頼もしいわ、ルルーシェル。」



ーーーさぁ、向かいましょう。

私達の敵の元へ。

王妃が住む王宮へ私達は向かう。



「失礼ですが、王宮へ何の御用でしょうか?」



王宮の門前。

門番に誰何され、私達は歩みを止める。



「私は冒険者のディアレンシア・ソウルと申します。ガルムンド王国の国王からご招待がありまして、本日は訪問させていただきました。」



門番へ差し出す招待状。

ガルムンド王国の国王、ジュシュア王の直筆の招待状だ。



「今回の魔族討伐について王からお話があるとの事なのですが、中に入れます?」

「っっ、まさか、英雄ルルーシェル様達一行なのでしょうか?」

「えぇ、そうですよ。一応、こちらが冒険者ギルドのカードで身分証になるかと。」

「はっ、失礼いたしました。身分証も確認いたしましたので、お通りください。」

「ありがとうございます。」



返された招待状を仕舞い、私達は王宮の中へ。

そのまま私達が案内されて通されたのは、調度品の数々が並ぶ豪華な一室。

この部屋で、あちらの準備が整うのを待つらしい。



「ふふ、事前の準備は大事よね。」



今回、英雄となったルルーシェルの存在は大きい。

こうやってガルムンド王国の国王、ジュシュア王自らの直筆の招待状が届くくらいなのだから。



「ガルムンド王国としては、ルルーシェルの事を自分達の陣営に取り込みたいのでは?ルルーシェルは自分達と同じ獣人ですし、魔族を倒せるだけの実力もありますし。」



吐き捨てるアディライトは自分自ら私に紅茶を淹れ、テーブルへと置く。



「ありがとう、アディライト。今日の紅茶はカモミールなのね?」

「はい、ディア様のお心をリラックスさせられれば良いのですが。」

「ありがとう。」



紅茶を飲み、心を落ち着かせる。

さて、この先の断罪が、どの様な展開になるか楽しみだ。

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