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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第2章〜奴隷編〜
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不幸少女

リリスの集めた情報によると、アディライトは本人に

関わった人に厄災を運ぶらしい。

それ故、周囲から恐れられ嫌われた。

『厄災の魔女』と呼ばれて。



『魔族の双子以外にディア様のお気に召しそうな奴隷の1人目は、左右の瞳の色が違う少女です。』



アディライトについてのリリスからの報告は、そう始まった。



『・・左右で、瞳の色が違う、ねぇ。』



ふむ、所謂オッドアイ、って事か。

日本でも多くはいなかったが、そこまで珍しいものではないが、この世界では?



『リリス、それは珍しいの?左右の瞳の色が違うって。』

『はい、とても珍しいです。左右で瞳の色が違う存在は、ほとんど見られないですね。ですから、今回のオークションでも高額でやり取りされるかと。』

『そうなんだ。』



この世界では、オッドアイはとても珍しい事らしい。

でも、それだけでリリスがアディライトの事を私に報告するとは思えないんだけど?



『リリス、その子、他にも何かあるのね?』

『はい、その奴隷には色々と曰く付きがある子のようです。』

『曰く付き?』

『それはーーーー』



リリスからの報告に目を見開き、その奴隷を私におすすめした意味を知った。

目の前の、アディライトのその諦めたような表情の意味も。



「その子、アディライトに関わった人間は、()()()()()()()()()と聞きました。」

「・・・・。」



脂汗を浮かべ、頬を引攣らせるヨーデルを、ひたりと見据える。



「ヨーデルさん、その説明は?」

「そ、それは・・・」

「まさか、無いのですか?アディライトを購入する者にとって、とても大事な説明の様な気がするのですが?」



うっすらと微笑む。



「ねぇ、その大切な説明を、彼女を購入するかもしれない者に言わない気ではないですよね?」

「っっ、も、もちろんです、今からご説明する所でした、はい。」



揉み手で愛想笑いするヨーデル。



「で、本当の事なんですか?アディライトの噂は。」

「・・・うっ、はい、認めます。お客様のおっしゃる通り、で、ございまして・・。アディライトに関わった者は不幸になっております。」



諦めたようなような表情で、ヨーデルはアディライトが曰く付きである事を認めた。



「っっ、で、ですが、本当にこれからその話をするもりでした!誓って、お客様を騙そうなどと思っておりません!どうか信じて下さい!!」



ーーーー最後に、見苦しい言い訳を添えて。

目の前の男は、人間としてもハビスさんとは雲泥の差だと思った。

商人としても、また、奴隷に対しての気持ちさえ。

そんなヨーデルに厳しい目を向ける。



「はぁ、ヨーデルさん、商人は信用が大事なのでは?きちんと、お客に対して対応するべきなのでは無いですか?」

「・・・はい、おっしゃる通りでございます。」

「次は、無いです。」



ヨーデルに言い捨てて、不安そうな表情のアディライトへ視線を向けた。

絡み合うお互いの視線。

逸らす事無く2人で見つめ合う。



「ねぇ、私の名前はディア。アディライトにも聞きたいんだけど、貴方に関わった人は本当に不幸になるの?」

「・・っっ、本当、です。そのせいで私は、周りから『厄災の魔女』と呼ばれていました。」



アディライトの目が伏せられる。

ふむ、事実、か。



「・・『厄災の魔女』、ねぇ。」



ーーーーそれは、彼女の持つ()()()()()()()()

なのかな?




名前:アディライト

LV1

性別:女

年齢:16

種族:人族

HP:465/465

MP:240/240

スキル

生活魔法、不幸集来




不幸集来

周りの不幸を集めて、自分に向けてしまう。

本人の意思に関係なく、どんな時も常に発動されている。




つまり、今まで彼女が関わってきた人の不幸は、このスキルの影響を受けた事になるって訳ね。

まぁ、本人は知らないのだろうけど。

任意で常に発動しているなら、どうやってもこのスキルをアディライトには防ぎようもないだろう。



「あ、あの!」

「うん?」

「本当に申し訳ありませんでした。ちゃんと、この事実をお客様にお話しせず・・。」



潤む、アディライトの瞳。

アディライトは、何も悪く無いと言うのに。



「アディライト、大丈夫よ。」

「っっ、ですがっっ、」

「今まで良く頑張ったね?」

「っっ、」



辛いのを、ずっと我慢して。

アディライトに、私は優しく微笑んだ。



「貴方が悪いんじゃないって、ちゃんと私は分かってるわ。」



いつも責められるのは立場の弱い人間。

自分ではどうしようもない事で怒られ、責められる。



「・・・え?」

「アディライト、貴方の事を私が助けるよ。だから、私に買われて?」

「っっ、本当に・・?本当に、私を助けていただけるんですか?」

「えぇ、守るよ。私は冒険者だから危険が伴うげと貴方を。だからーーーー」



手を差し伸べる。



「アディライト、私の手を取って?」

「っっ、お願いします、私の事を助けて下さいっっ、!!」



その私の手の上に、人生に絶望して震えるアディライトの指先が乗った。

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