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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第11章〜勇者編〜
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レベッカとダイアン

クレイシュナ皇女殿下の許可を得て、元クラスメイト達の身柄を無事に手に入れた私。

ご機嫌である。

彼らは、じっくりと、私の気が済むまでその心をへし折る事にしよう。

とても楽しみである。



「で、クレイシュナ、四つ目のお願いなんだけど、ある夫婦の身柄を私に引き渡して欲しいの。」

「・・ある夫婦の身柄、ですか?」



私のお願いにクレイシュナの顔に困惑した色が滲む。



「少しその夫婦に言いたい事があるのね?あっ、私以外にも言いたい事がある子がいるんだけど。」



彼女も2人へ物申したいだろう。

喜べ、2人とも。

お怒りの私と彼女の遊び相手についに選ばれたぞ!



「レベッカとダイアンて言う名前のシスターと神官の夫婦なんだけど知ってる?」

「さぁ、その2人の名をわたくしは存じ上げません。この中にその夫婦を誰か知っている方はいらっしゃいますか?」



首を傾げたクレイシュナが周囲へ視線で問う。

一部の者の目が1組の夫婦の元へ向いた。

ーーーあの2人が、そうなのね。

私の口角が上がった。



「・・あの、愛し子様、私達がレベッカとダイアンと申します。」

「私達夫婦が何か愛し子様に気に障りましたでしょうか?」



1組の夫婦が前へ進み出る。



「ふふ、初めまして、レベッカさん、ダイアンさん。お2人にとてもお会いしたかったです。」

「は、はぁ、」

「それは誠に光栄な事です、愛し子様。」



困った様に、2人は顔を見合す。

しかし、その表情はどことなく嬉しそう。

周囲の人間より先に、愛し子の私と話せて嬉しいって感じかしら?



「私、ずっとお2人にご挨拶したかったんです。」



口元が釣り上がる。



「ーーー・・だって、お2人は愛おしい旦那様のご両親なんですもの。」



会いたかったよ?

コクヨウを見捨てたご両親様?



「え・・?」

「愛し子様の旦那様・・?」



2人が目を見開く。



「コクヨウ、指輪を取りなさい。」

「はい、ディア様。」



頷いたコクヨウが幻影の指輪を指から抜く。

変わるコクヨウの姿。



「ーーーっっ、なっ、お前は!?」

「化け物、何でお前の様な者がこの場にいる!?」



そのコクヨウの姿を見て、2人は増悪の目を自分の息子へと向けた。



「あら、自分の息子だと分かるんですね?」



くすりと微笑む。



「おい、瞳が黒いぞ!」

「なぜ、あの様な者がここへ!?」

「汚らわしい。」



周囲もコクヨウの瞳の色に驚く。

コクヨウの黒い瞳に、中には嫌悪感を表す者までいる。

不快な事、この上ない。



「愛し子様、その様な化け物の側からお早く離れください!」

「尊き御身が汚れてしまいます!」

「そんな化け物をお側に置いてはいけません、愛し子様!」

「お前、愛し子様に何をした!この化け物が!」



集中するコクヨウへの悪意。



「・・・少し、不愉快だから黙ってくれない?」



コクヨウが何をしたの?

誰かを傷つけた?



「何もしていない者を罵るのが、お前達の信仰の教えか?それとも、ニュクスお母様が、人種や見た目で差別するような方だとでも?」



周囲へ冷たい目を向ける。



「そうであると言う者は名乗り出なさい。この私自ら、ニュクスお母様へ真偽を確かめます。」



静まる周囲。

誰もが、気まずそうに私から目を逸らす。

名乗り出る者がいる訳ない。

だって、ニュクスお母様は魔族だって嫌悪してなどいないもの。



「彼、コクヨウは、私の夫。その夫を批難するは、それ即ち私への冒涜である!」



許さない。

コクヨウは、私の大切な家族で夫なのだから。



「お、恐れながら、愛し子様、その様な不吉な色の瞳を宿した者を伴侶にする事はお止めくださいませ!」



ダイアンがまた一歩、前へ進み出る。



「不吉?元勇者様もコクヨウと同じ瞳の色だったけど?」

「勇者様と、そこにおります化け物を一緒にしてはなりませよ、愛し子様。」

「どうして?何が違うの?」

「勇者様はニュクス様が選ばれた方。そこの化け物とは尊さが天と地ほど違うのです。」

「へぇ?」



私の目が細まる。



「ーーー・・ですってよ、カティア?」



虚空に視線を向けた。

すぐさま私の横に降り立つ沢山の神気。

全精霊王達が降臨する。



「・・・なかなか不愉快な事を言うものなのね、人間って。」



降り立ったカティアが不愉快そうに吐き捨てた。



「ま、まさか、精霊王様!?」

「この神々しさは、そうに違いない!」

「だが、なぜこの場に精霊王様方がご降臨されるんだ!?」

「しかも、全精霊王様が揃って!」



驚愕が周囲へ広がる。



「お前達、コクヨウの事を化け物と呼んだわね?良くも闇の精霊王たる私が加護を授けし可愛い子を化け物などと呼んでくれたものだわ。」



コクヨウの両親に歩み寄るカティア。

不機嫌そうに口元を歪めたカテイアは、コクヨウの両親に冷たい目を向ける。



「私が加護を与えた子を侮辱されて、とても不愉快なんだけど?」



冷たく吐き捨てた。




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