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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第10章〜海竜編〜
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ディオンも加わる企み

私がサフィアに何かされると思っているのだろうか?

そんな心配は杞憂なのに。

皆んな、本当に過保護なんだから。



「でも、ただサフィアの情報をリリスに集めてもらっているだけよ?だって偶然、ルドボレーク国の街で出会う事もあり得るでしょう?」



くすりと笑う。

偶然なんて、自分で作り出してしまえばいいのだ。



「その時、相手に対して失礼があったら大変だもの。こんなの自己防衛の範囲だわ。」



情報集めを疎かにする方が悪い。



「これで、ですか。」

「あぁ、」

「なら、それは致し方ないですね。」

「だろう?」



私が理解できない事を言い合い、頷く2人。

何だか、2人だけ話が通じてる?



「ディア様、あまりご自分の身を危険に晒さないでください。」

「それ、昨日コクヨウにも言われた。」



そんなに2人の目には、私は危なっかしく見えるのだろうか?

謎である。

1度、じっくり話し合う必要がありそうだ。



「大切なディア様が危険な事に向かわれるのは、私達は容認できないのです。」

「どうしても?」

「うっ、可愛くおねだりしてもダメですよ。」

「むぅ、ディオンのケチ。」



唇を尖らせる。



「ディオン、ここはディア様の好きにさせよう。」

「コクヨウ・・?」



私に助け舟を出すコクヨウに怪訝な眼差しになるディオン。



「考えてみろ?ここで僕達がどんなに反対しても、ディア様は勝手に1人で動かれるぞ?」

「・・・確かに。」

「なら、最初からディア様のお好きなようにさせて、僕達がお側で見守る方が良いと思わないか?」

「そうだな。」

「だろ?」



ひどい言われようである。

心外だ。



「2人とも、人の事を何だと思っているの!?」



頬を膨らます。



「お転婆な、私の大切な女性ですよ。」

「アディライトの為に動かれる、優しくて愛おしい人です。」

「っっ、」



顔に熱が集まる。

急に甘い言葉と表情を向けるのは、とても反則だ思うの。



「僕達は事実を言っただけですよ?」

「毎日思っている事ですし。」

「うぅ、」



羞恥に私はシーツに顔を隠して呻く。



「アディライトの事でお怒りのディア様は、どうされたいのか教えて下さい。」

「私達がディア様のお望みを叶えます。」

「・・・本当?」



シーツから少しだけ顔を出す。



「えぇ、ディア様のサフィアに対する最終的な結末は、どのようなものをお望みで?」

「私達も、ディア様とアディライトの為に動きますよ。」



2人が柔らかく微笑む。



「あのね?」



サフィアへの対応を私は2人に告げた。



「ディア様も、あれが欲しいとかのおねだりはしてくれないのに、どうしてこう言う時だけ甘えるのでしょうか?」



コクヨウが呆れの溜息を吐き出す。



「だって、別に欲しい物とかないし、あっ、でも、」

「ディア様、何ですか!?」

「欲しい物がおありで、ディア様!?」



期待に目を輝かせる2人。



「・・あの、ね?2人と何かお揃いの物は、欲しいかも。」



恥ずかしさに頬を染め、告げてみる。

パーティーでコクヨウ達の色を纏えた事は、守られている様で嬉しかったし。

何かお揃いの物が欲しいかも。



「っっ、ディア様が可愛すぎて辛い。」

「どこまで夢中にさせれば良いのですか?」



小さく何かを呟く2人。



「うん?今、2人とも何かーーー」



続きが言える訳がなく。

私は2人によって、ベットに押し倒されるのだった。

アディライトの敵は撃退すべし。

その志を掲げ、何やかんや有りながら海竜祭まで秘密裏に事を進めてきた私達。



「ディア様、見えてきました、あれがルドボレーク国の街です。」



馬車の開いた窓からアディライトが指差す先。

今回の私達が目指す最終目的地、ルドボレーク国の街が見える。



「あそこがアディライトが生まれた街か。」

「はい、懐かしいです。」



懐かしそうに見えてきたルドボレーク国の街を馬車の中から眺めるアディライト。

当の本人であるアディライトにも、私達の思惑は秘密なのだ。

固辞しちゃうからね。



「やっぱり、潮の香りがするのね。」



さすがは、港街。

海鮮類の食材に期待が高まる。

わくわくしながら、ルドボレーク国の門へと皆んなで向かう。



「ーーーどうぞ、お入り下さい。」



無事、門も通過である。

馬車は空間収納へ仕舞い、エトワールは私の影の中へ。

さっそくルドボレーク国の街の中へと入る。



「人が多いいね。」



周囲を見渡す限り、人の波。



「ふふ、海竜祭が近いですから、毎年この時期は観光がてら人の出入りも激しくなるのです。」



とは、アディライから。

全員が海竜祭が目的なのだろうか?



「ディア様、まずは取ってある宿へ参りましょう。」



アディライトに促され、宿へ。



「ーーーお待ちしておりました、ディア様。お部屋のご用意は出来ております。」



この街一番の宿。

そこにたどり着いた私を、頭を下げて待ち受ける子達。



「アイリス、皆んなもご苦労様。」



可愛い私の子達を労う。

アイリス達のメンバーには、この街に先に向かってもらい、私達が到着するまで宿を押さえてもらっていたのだ。




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