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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第9章〜大会編〜
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大会当日

小物が考えるような悪事なんて、私達にとっては、楽しいお遊びのようなもの。

簡単にあしらえてしまう

不敵に笑う。



「何があっても、私がルミア達の事は守るわ。」



私の大切な家族だもの。

そんな皆んなを害する者がいたら、私は全力で排除に動く。

相手が権力者だろうが関係ない。

全員が私の敵だ。



「・・はい、ありがとうございます、ディア様。」



瞳を潤ませ、ルミアはトウカを抱き締めた。

すり替え防止の為、作った武器は大会当日に会場に持って行く事になっているので、ルミアが腕に大事に抱えている。

ちゃんと大会運営の人達も、妨害対策を考えているようだ。



「まぁ、あの男の監視は数人はいるけどね。」



こちらを伺う様な視線がちらほら。

ゲスナンにお金で雇われた、この街の荒くれ者達だ。

もちろん、彼らも私達の敵ではない。



「あぁ、無謀にも私達の工房にも侵入しようとした輩もいたわね。」



全員、リリスが撃退したが。

侵入の目的は、大会に出す物の破壊、もしくは盗み出す事だと白状してくれた。



「愚かな男です。」



辛辣に言い捨てる、ディオン。



「力の差も分からないようでは、あの男も、もう終わりですね。」



コクヨウが口角を上げる。



「あら、もっと面白く足掻いてくださらないと、ディア様の楽しみが無くなってしまいますわ。」



アディライトは楽しげに笑う。

その瞳は冷たい。



「「暗殺する??」」



しまいには、双子が物騒な事を言い、私へ首を傾げる。

私からの許可があれば、本気でやりかねない。



「皆んな、落ち着きなさいな。」



暗殺?

簡単に、終わらせてなんかあげない。



「ふふ、屈辱の色に染まって、思い知れば良いのよ。」



誰に喧嘩を売ったのかを。



「楽しみね?」



ワクワクが止まらない。

足取り軽く、会場へと向かう私達。

そんな私達の前に。



「ーーーー・・良く来たな、ルミア。」



ボス登場です。



「その腕に抱えているのが、大会に出す物か?」



ルミアの腕に抱えられているトウカに、ゲスナンの視線が向けられる。

トウカは大事に布に入れられているので、ゲスナンにはどんなものか分からないだろうが。



「・・貴方には、関係ありません。」



強張る、ルミアの顔。

トウカを抱えたルミアの腕に、力がこもる。



「ふっ、お前が大会に出るだけ無駄だぜ?どうせ、優勝するのは俺だからな。」

「っっ、そんなの、まだ分かりません!」

「はっ、そんな細っちょい物で、俺に勝てるとでも思っているのか?」



嘲笑う、ゲスナン。

その口元は醜く歪んでいる。



「勝ちます。」

「あ?」

「勝って、私が貴方より優秀だと証明しますよ。絶対に!」



燃える、ルミアの瞳。

苛烈に、増悪に。

一心に、全ての感情がゲスナンだけに向かう。



「大会で優秀?お前が、この俺よりも優秀だと証明する?」

「はい。」

「まだ子供のお前が俺に勝つだと?」

「はい。」

「くくっ、」



ゲスナンが肩を震わせる。



「なっ、何が可笑しいんですか!!?」

「だって、考えてみろ?何の実績もなく、知識も経験も俺より劣るお前が本当に勝てると思うのか??」

「っっ、そ、それは、」

「笑わせるな、ルミア!!何十年とかけて培う職人の技が、簡単に会得できると思うなよ!?」


ぎらつく、ゲスナンの瞳。



「最大工房の本気、お前に見せてやるさ。」

「・・望むところです。私の全力で、貴方に勝利します!」



火花散る、2人の間。



「なぁ、ルミア、1つ賭けをしないか?」

「賭け?」

「そうだ。賭けの対価は、この大会で優勝した方の言う事を何でも1つだけ聞く事、でどうだ?」

「お断りします。私に、賭けに乗るメリットはありません。」

「逃げるのか?」

「ーー・・。」



ゲスナンの横をすり抜け、会場へ向け歩き出すルミアの足が止まる。



「俺に勝つ気なんだろ?」

「・・・。」

「なら、この賭けを受けても問題はないはずだ。違うか?」

「・・本気、ですか?」

「あぁ、俺は本気だぜ?で、どうする?逃げるか?それとも、受けるか決めてくれ。」

「分かりました、良いでしょう。その賭け、受けましょう。」



ゆっくり、ルミアが振り返る。



「では、ちゃんと契約しましょうか。」

「契約?」



ルミアが懐から契約書を取り出す。

魔法付与された契約書。

この紙の書かれた事は、何があっても履行しなくてはならない。



「こちらの契約書にサイン、して下さいますよね?」

「なっ、なんでこんなもの用意してやがる!?」

「こんな事もあろうかと、契約書を用意していたんですよ。貴方の事は、信用ならないので。」



ルミアが冷たい目をゲスナンへ向けた。



「ーーーまさか、貴方から言い出した事なんですから、いまさら逃げたりしませんよね?」



不敵な笑みを浮かべて。




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