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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第2章〜奴隷編〜
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オーヒィンス商会

影の中に消えたリリス。

それを見送った私はゆっくりと、オーヒィンス商会へ向かう事にする。



「ーーーーここ、だね。」



私の目の前には、奴隷商、オーヒィンス商会。

ここに気にいる子がいると良いんだけど。

奴隷商の中へ足を踏み入れた。



「いらっしゃいませ。ようこそ、オーヒィンス商会へ。」



そんな私を中年の男性が迎え入れる。



「私は、当商会の代表をしております、ハビスと申します。どうかお見知りおきを。本日は、当商会へお越しいただき、誠にありがとうございます。」

「今日は奴隷に買いたいんですが、可能ですか?」

「かしこまりました。奴隷の購入は可能ですので、どうぞ、お客様、中へお入り下さい。」



にこやかに微笑むハビスさんに促され、室内へ。

さすが、ルーベルン国1の奴隷商。

調度品の1つを見ても、品良く良いものを飾っている気がする。



「どうぞ、こちらのソファーへお掛け下さい。」

「ありがとう。」



ハビスさんに案内された一室。

私は促されるまま、ふかふかのソファーに腰掛ける。



「お客様にお茶を。」

「はっ、」



この商会の小間使いなのか、ハビスさんは1人の男性に用を頼むと私に向き直る。



「さっそくですがお客様、本日はどのような奴隷をお望みでしょうか?お客様のご希望をお聞かせください。」

「私は、冒険者です。ですから、冒険者としてやっていっても良い子をお願いします。後、年齢は若い子が良いですね」

「・・ご要望の条件はそれだけでよろしいでしょうか?」

「えぇ、それで。」



あまり多くは望まない。

足りない力は、後から私が与えれば良いんだから。



「種族も、性別も問いません。ただ、冒険者としてやっていっても良いと思っている子達をお願いします。」

「かしこまりました。直ぐにご要望に添えそうな者達をこちらにお連れいたしましす。お客様、少々、お待ち下さい。」



恭しく頭を下げたハビスさんが室内から出て行って数分後、運ばれて来たお茶を飲みながら待つ。

不安と期待。

どんな子に巡り会えるだろうか?



「お客様、大変お待たせいたしました。こちらがお客様のご要望に添える者達です。」



ドキドキしながら待つ私の元へ、ハビスさんが何人かの奴隷の子達を連れて戻って来る。

年齢も、種族もバラバラだ。



「少し話しても?」

「はい、構いません。ただし、皆を傷付けるような行為はご遠慮願います。」

「分かりました。」



ハビスさんに頷いて、連れて来られた子達に視線を向ける。

ーーーーさぁ、どんな子達かな?

ハビスさんに連れてこられたのは、どこか緊張したような顔をした数人の子供達。

誰もが表情が固い。



「自分がどんな人間に買われるか不安にもなるわよね。」



苦笑いを浮かべる。

さて、こうして眺めていても仕方ないから、さくさくと面接をしていきましょうか。



(ーーーーディア様。)



リリス・・?

子供達と話そうと口を開こうとした私の頭の中に、リリスの声が響く。



(念話にて、失礼いたします。ちゃんと私の声は届いておりますか?)



ーーーー念話だ。



【ちゃんと聞こえてるよ、リリス。】

(無事に念話が届いて良かったです。ディア様、お忙しい中、お声を掛けして申し訳ありません。)

【それは良いけど、どうしたの?もしかして、何か報告したい事があった?】

(はい、ディア様にご報告したい事がございます。)



ん?

リリスから報告?



【リリス、何かあったの?】

(いえ、そちらにいない奴隷についてなのですが、ディア様の耳にもお入れした方が良いかと思いまして。)

【奴隷の事?何?】

(はい、1人少しだけ気になる奴隷がおります。)



リリスの報告に、耳を傾ける。

・・・へぇ、やっぱりリリスは優秀だね。

この短時間でオーヒィンス商会の中の情報をちゃんと得てくるんだから。



「お客様?」



黙り込む私を不審に思ったのか、ハビスさんが口を開く。



「どうかなさいましたか?」

「・・いえ、何でもありません。では、奴隷の皆さんに私から少し質問させて下さい。」



ふんわりと微笑んで、奴隷の皆んなに問い掛けを始める。

その質問はーーーー



1、名前と年齢。

2、冒険者として、働けるか。

3、得意な事。



の、3点。

たどたどしい受け答えながら、しっかりと質問に答える子達には好印象を受ける。

・・がーーーー



「お客様、こちらの子達は、いかがでしょう?気に入った者はおりましたでしょうか?」

「えぇ、大変良い子達ですね。」

「では、ーーーー」

「ですが、私が欲しい子は、どうやら#この場には__・__#いないようです。」



私が欲しいと思った子が、この場にいない。

ハビスさんの言葉を途中で遮った私は、優雅に見えるように首を傾げる。



「ハビスさん、ある噂を聞きました。」

「・・・噂?」

「オーヒィンス商会の売れ残りの奴隷の中に、()()()()()()()()、と。」

「っっ、!?」



ハビスさんの顔色が変わった。



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