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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第8章〜外交編〜
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書状

今の私は、とてもご機嫌でうきうきである。

大国、聖王国パルドフェルド?

そんな事、私は知らん。



「っっ、ソウル嬢!?」

「まぁ、王様?震えた声を出されるなど、どうしました?」

「そ、そなたが物騒な事を言ったからだろう!?」

「物騒?」



私は、ただ、事実を言っただけなのだが。

首を傾げる。



耄碌もうろくした老害達など、無くなって困る人がいるのでしょうか?」

「・・・。」


さらりといえば、絶句する王様。



「で、困ります?」

「・・ソウル嬢、もう少しだけ言葉を選んでくれ。」



がっくりと、王様が項垂れる。

が、項垂れるだけで、王様は私の問いに対して否定しない。

と言う事は、王様も私の意見に同意なんですね?



「ところで王様。」



ーーさぁ、種を蒔きましょう。

破滅への種を。



「・・?何だ?」

「実はここに1つ、王様への書状を預かっております。」



空間収納から、一通の書状を取り出す。



「書状?」

「はい、あの里、今はティターニア国と名をつけましたが、その女王陛下からの書状でございます。」

「何!?」



王様が驚きの声を上げる。



「どうぞ、こちらの書状をお読み下さい。」

「うむ、読もう。」



私の手から書状を受け取る王様。

書状の中に目を通す。



「ーーっっ、なっ、こ、これは、」



見開かれる、王様の目。



「書状をお読みになりました通り、かの里は古き因習を捨て、生まれ変わ始めております。そして、他国との関わりを持ちたいと、女王陛下はお考えなのですわ。」



書状の中身に驚愕する王様へ、私はにっこり微笑む。

ベストタイミングとは、この事である。



「・・ティターニア国、精霊の姫君だった方のお名前か。」

「さようです、王様。」



王様へ頷く。

妖精の始祖となった姫君の名前。

新しい里の名。



「これから先、あの里はティターニア国と名乗ると?」

「その様です。貴い姫君のお名前は、あの里にもっとも相応しいかと。」



あの里に屑達の名残は一切いらん。

新しく、ユリーファを長として、あの里は生まれ変わるのだ。



「まず、この書状のご覧の通り、これで王様の願いの1つは叶うかと思います。」



あの里と、よしみを繋ぐと言う願いが。



「・・あぁ、そうだな。こうも用意が良いのが末恐ろしいが。」

「ふふ、少しの保険、ですわ。」

「保険?」

「王様が私に対して権力を持って何かを強要した場合、この書状はティターニア国の後ろ盾があると言う何よりの証明になりますでしょう?」



別の意味で役立ったが。

結果オーライなら、良いよね?



「ーー・・我が国を捨て、あの里、いや、ティターニア国へいつでも行けると言う、私への牽制にもなるの、か。」

「ふふ、好きにお取り下さい。」



にこりと微笑む。



「まぁ、ティターニア国の女王陛下は、そう思われても良いと思っている、とだけ言っておきますわ。」

「っっ、そこまで、あの里とよしみを繋いでおるのか!?」

よしみと言いますか、女王陛下、ユリーファ様は、我が夫、ディオンの妹なのです。」

「何!?」



王様の視線が、ディオンへ向いた。

その存在を隠されていた、ユリーファ。

奴隷の身に落ちた、ディオン。

この2人が兄妹である事を知るのは、あの里の者だけだ。

王様が驚くのも仕方ない。



「・・ディオン殿は、妖精族と知っていたが、まさか、高貴なる血筋の方、だったのか。」



震えた声を王様が上げる。



「王様、今の私は、ディア様の奴隷であり、夫の身に過ぎません。どうぞ、いつもの通りに接して下さい。」

「しかし、」

「私はあの里から追放されたのです、王様。妹が女王陛下となろうと、私の身分には一切、何の関わりの無い事とご理解ください。」



きっぱりと、関係ないと言い切るディオン。

その顔には王族へや血筋に対する未練の欠片さえない。



「・・そこまで言うなら、分かった。これまで通りソウル嬢の夫として接しよう。」

「はい、ありがとうございます。」



ディオンが頭を下げる。



「ふう、ソウル嬢の周りには、凄い者達が集まるみたいだな。」

「まぁ、それは、お褒めて言葉ですか?」

「無論だ。」



王様が深く頷く。



「魔族を倒せ、王族とよしみを持つ、到底、普通の人間にはなし得ない事ばかりだろう?」

「そうかもしれませんね。」



王族一家との交流は成り行きとは言え、私の周りは華やかな面々が集まっているのかもしれない。



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