第2王女
顔を上げた私達に微笑む王妃様。
そんな王妃様の後ろには、顔立ちが良く似たまだ幼さの残る少女が付き添っている。
彼女は王妃様のご息女である、第二王女のミンティシア様かな?
「ふふ、お久しぶりね、4人とも。元気にしていたかしら?」
「はい、王妃様。今日もお美しく光り輝いています王妃様も、お変わりないご様子で安心いたしました。」
「まぁ、うふふ、最近は幸せ過ぎだからかしら?これも全てディアさんのおかげよ?」
ざわつく周囲。
私達が王妃様と仲良く談笑する姿に、周囲の貴族の皆様は驚きを隠せないようだ。
ふふふ、見て驚け?
「王妃様、国王陛下とは、いかがですか?あれは、王妃様のお役に立ちましたでしょうか?」
ニヤリと笑う。
王妃様は何を隠そう私の開発した商品の買い手のお客様の1人。
ーーそう、下着の、ね?
「・・・えぇ、その、陛下も喜んでくれました。」
頬を染める美女。
4人のお子さんがいるとは思えないぐらいの初々しさですなぁ。
とても眼福です。
「それは、ようございました。」
王ミハエル様、セクシーな下着を着た王妃様に喜んだか。
なるほど、ほう、へえ。
「王妃、・・ソウル嬢、なんだ、その目は?」
王妃様の元へやって来た王ミハエル様へ生温い眼差しを向ける。
「・・いえ、お気になさらず。」
「なら、私からなぜ目を逸らす?」
「不敬罪、」
「許す、だから、申せ。」
ふむ、それなら。
「国王陛下、王妃陛下とますます仲を深められたようですね?うふふ、あの商品は素晴らしかったですか?」
「うん?あの商品?」
「・・陛下。」
首を傾げる王ミハエル様へ、頬を染めた王妃様が扇で口元を隠して耳元へ囁く。
「!?」
あっ、王様が固まった。
王妃様から下着の事だと聞いたらしい。
「王妃様、ますますお綺麗だったでしょう?どの色もお美しい王妃様にお似合いでしょうから。」
「っっ、」
王ミハエル様が動揺を露わにする。
私がアイデアを出し、シーリン商会が商品化させた下着。
王妃様も私がアイデアした下着を愛用してくださった様なので、誠に嬉しい限りだ。
「そ、ソウル嬢!?」
「はい?」
「な、なせ、そなたがあの商品の事を知っている!?」
「なぜって、あの商品の考案者は私ですから。」
「・・・。」
驚きに目を見張り、また王ミハエル様が固まる。
おや、知らなかったのかな?
「ディアさん、陛下はそちらの方には感心はないかと思うわよ?」
「まぁ、男性の方ですからね。」
王妃様に頷く。
「で、国王陛下。王妃陛下はお綺麗でしたでしょう?」
「なっ、」
絶句する王ミハエル様。
やだなぁ、王ミハエル様が許したんだよ?
不敬罪にはなりません。
「次の商品開発の参考までに感想をお聞かせいただけますか?不敬罪は許して下さるのでしょう?」
言いましたよね、王ミハエル様?
にっこりと微笑む。
一国の王として発した言葉の責任は持とうね?
「きっ、」
「き?」
「・・綺麗、だった。」
「っっ、陛下。」
赤面する2人。
はい、大変仲良しなのですね。
ご馳走さまです。
「うふふ、感想ありがとうございました。」
嫌がらせでもあるけれど。
こんな面倒なパーティーへ呼ばれたし?
王ミハエル様と側室との娘である第一王女と、姪御さんには不快にもされたしね。
「・・・綺麗?あの、一体なんの話です、お父様、お母様?」
王妃様に似た少女が首を傾げる。
やっぱり、彼女が王妃様のご息女、第二王女ミンティシア様なのですね。
意味が分からず困惑顔の第二王女様。
ふむ、なら。
「国王陛下、王妃陛下、美しき姫君を私にご紹介いただけますでしょうか?」
下位の者が初めて会話する上位の血筋の方に自分から声をかけるのはマナー違反。
彼女と話したい場合、私は両陛下に第二王女様の事を紹介してもらうしかないのだ。
「あぁ、そうだな。」
私の要望に応えてくれたのは王ミハエル様。
赤面から復活されたよう。
「第二王女の、ミンティシアだ。」
「お初にお目にかかります、第二王女殿下。私、ディアレンシア・ソウルと申します。」
「あ、ソウル様、この国の第二王女ミンティシアです。どうぞよしなに。」
ようやくご挨拶です。
それにしても貴族のやり取りは面倒。
「ご聡明そうな姫君でございますね。初めて、こうしてちゃんとした挨拶をいただきました。」
「「「・・・。」」」
私の言葉に、王家側に沈黙が落ちた。
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