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リセット〜絶対寵愛者〜【完結】  作者: まやまや
第6章〜宮廷編〜
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場を乱す者

非難の声を歯牙にも掛けないで笑う私に対する周囲の目がますます厳しくなるが、気にしない。

ふふ、この漆黒の衣装は私に似合うでしょう?



「こんなにも、この衣装はディア様にお似合いですのに。」

「私達のディア様は、どんな衣装も似合いますからね。」

「この素晴らしさを理解できないなんて、皆さん可愛そうですわ。」

「あら、嬉しい。」



上からコクヨウ、ディオン、アディライトの順に漆黒の私の衣装に難色を示す周囲を憐れむ。

お世辞じゃないって分かるから、コクヨウ達の賛辞は照れ臭くて恥ずかしいけどね?



「魔族が黒目黒髪だったとしても、同じ色に罪はないと言うのに。」



黒が不吉?

魔族と同じ色だから?

・・バカらしい。



「ーーーーっっ、黒を纏うなど、なんと不吉な!」



目の前で叫ぶ女も。

私に集まる会場中の視線が、その声の方へ移る。



「それに、瞳に汚らわしい黒い色を持つ者を神聖な王城内へ連れて来るなど、一体お前は何を考えているのかしら?」



こちらを侮蔑の目で睨め付ける真っ赤な髪の少女に私は目を細めた。

汚らわしい、ね?



「お前、私の話を聞いているの?」

「そうよ、ミフタリア様の御前よ?見た事のない顔だけど、どうせ貴方も薄汚い下賤な血筋の者なのでしょう?」



その隣で追随する栗色の髪の少女。



「薄汚い貴方のような下賤な者にミフタリア様が、こうして声をかけてくださったのよ?そのありがたさが分かったなら、早くミフタリア様に頭を下げなさいな、下民が。」



同じ様に侮蔑の視線を向けられる。

ふむ、彼女は。



「これは公爵令嬢様。」

「あら、お前のような下賤な者でも私の事は知っているのね?感心だ事。」

「えぇ、もちろん当然の事ですわ。」



にこりと微笑む。

カーシュ公の一人娘、ミミリア様?

貴方も私の敵になるの?



「でもね?どんなに私に媚びても、お前のような下賤な者がこの場所にいて良い訳ないのよ?」



扇で隠した少女の口元が嘲笑の笑みを刻む。



「・・と、言いますと?」

「分からないの?早くミフタリア様に頭を下げてから、この会場に相応しくない貴方は早く出て行けと言っているのよ。」



小馬鹿にした様にミミリアが笑う。

・・は?

何を言ってるの、この人。



「・・あの、このパーティーに招待されたのに、ですか?私はれっきとしたお客なのですが?」



その私に帰れと?

頭が痛い。

この人も親同様に頭が悪いのかしら?

似た者親子?



「はっ、どうせ格下の貴族の誰かにでも、卑しくもその身体で今日のパーティーへの招待状を強請ったのでしょう?少しは身の程を弁えなさい?」



ミミリアが鼻を鳴らす。



「・・はい?」



え、こんな大勢の見ている場所で、貴族の貴方がそんな事を言っちゃうの?

おいおい、貴族令嬢なのに下品だな。

周りを見よう?

あまりの貴方のあり得ない発言で顔を顰める人が沢山いらっしゃいますよ?

一部では、楽しそうな表情の人達もいるが。



「し、しかし、相手はミフタリア様とカーシュ公のご息女なのですよ!?下手に手出しをすると、我々がどうなるか分かりまん。」

「うぅむ、どうしたものか。」

「陛下へ早くこの場に来ていただける様に知らせを出すのはどうでしょうか?」

「だが、今更遅くないか?」



その中で、先日の魔族討伐の報告に居合わせた高位貴族と思われる人達が囁き合う。

それは、そうだろう。

私が誰だか知っており、あの時の恐怖は残っているだろうから。

なら、このやり取りを楽しそうに見ている人達は私が誰だか知らない下位の貴族かな?



【リリス、彼らの事は分かる?】



リリスにこのやり取りを楽しそうに見ている人達の位置をマップに示して送り問い掛ける。



(はい、ディア様。あの者達は下位の貴族ですね。)

【やっぱり、そうなんだ?】

(先日の王への魔族討伐の報告の時も呼ばれない末端の貴族ですので、ディア様のお顔を知らないのかと。しかも、全員がカーシュ公側の貴族達です。)



ほう、良い事を聞いたね。



【リリス、カーシュ公の血縁である2人をあの人達が放置するのはどうして?自分達の派閥にマイナスになる行いを2人はしていると思うけど?】

(王の主催したパーティーを台無しにしたいのではありませんか?)

【あー、有り得そう。自ら主催したパーティーで何かあれば王様の責任に出来るものね?】



だからかカーシュ公本人も2人を諌めるどころか私達やり取りを楽しそうに見ているのか。



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