Weekly*10
*sunday
夏の終わりの
乾いた道を
ふたり
小さな車に乗って
旅に出よう
ときどき道に迷いながら
ときどきコーヒーを分けあって
ときどきつまらない喧嘩をし
仲直りのキスをする
夏の終わりの
星降る夜に
ふたり
小さな車に乗って
ここから逃げだそう
すっぽりと
わたしを抱きながら
あなたはつぶやく
抱かれているのは僕なんだ…
*monday
こんなに明るい空なのに
雨が降るというふしぎ
泣いてなどいないのに
涙でかすむ稜線
平凡なしあわせは
長く続かない
君の
腕時計をはずし
精いっぱい甘やかす
ぬるき湯に沈むように
ふいに呼び捨てにされ
真顔で見つめ返す
待つとはなしの
立待の月
*tuesday
きみの
無邪気が可愛い
きみの
無邪気が怖い
こんな風に人生は
狂いたくて狂っていく
言いかけて
気持ちを迂回して
別のニュアンスを探してる
変わらず好きだけれど
愛していない
この距離感に
救われている
なんて言ったの?
イッショニクラソウカ…?
馬鹿だなぁ
馬鹿だよきみは
ソレ…
もっと
ずっと前に
聞きたかったんだ
*wednesday
例えば
頻繁に連絡を取り合わなくても
心に揺らぎが起きないこと
敬意をもって
お互いを認め合えること
傾ける情熱の変化に
疑いの余地がないこと
ただ、
空が青いということ
言いたいことを言うのではなく
伝えたい気持ちを言葉にすること
僅かな疑念に心をあけ渡すのではなく
きれいな気持ちで寄り添うこと
弱さやずるさを責めるのではなく
矛盾も引き受けること
ただ、
海が音もなく凪いで
光のなかで笑う君
*thursday
一生のうち
七日間でいい
一緒に暮らしてみたい…
その日 食べるぶんだけ
買い物をする
鶏肉と
キャベツと
缶ビール
それから、キャットフード
月明かりの下で
お喋りをする
唄をくちずさむかもしれない
あなたのYシャツにアイロンをかけ
ネクタイを選ぶ
向き合うと上手く結べないから
あなたを椅子に座らせ
背中にまわる
一生のような七日間
*friday
「例えば俺とまきちゃんが暮らしたら」
そんなタラレバに
一瞬ドキリ…としながら
空想に飛び込んで
楽しんでみても良いじゃないか
…と開き直ってみる
日常の
こまごましたことを
苦にしないきみと
日常の
こまごましたことが
憂鬱なわたし
それでも
きみを全力で甘やかす
一週間が欲しい
*saturday
充実した一日があれば
それに続く何日かは
やり過ごせる
それでも
いち日経ち
ふつ日経ち
一緒に過ごした
同じ時間がめぐるたびに
胸の奥が小さく疼く
男らしい鼻筋を
カタチのよい耳の輪郭を
何度もうつ
寝返りの向こうに
馳せる
窓辺に傾ぐ
一輪挿しの
まだら模様の花びらに
唇をよせれば
つけた覚えのない
紅が移る
*and… everyday




