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棘
心が自然に離れていくということ
別れに自然なんてない
一歩ずつ離れていくときの
心が千切れるような痛み
閉じ込めた心の小部屋から
はみ出さないように
添えた手を離すまでの
気の遠くなるような
作業のひとつひとつ
自然に終わった
いつのまにか離れていった
それは
まだ
終わらせていないのと同じ
ハッキリさせるのを
避けただけ
恋に保険なんて
ないのよ
どんなに
大切に思っているかを
説いてみせても
相手の心に寄り添うことを
惜しんで
自分のやり方を変えないのなら
たとえつまらない拘りだとしても
つらいと言う相手の気持ちを理解できないのなら
それは
愛情ではないとおもう
今まで
こんなにも
意固地になったことが
あったかしら
なーんにも
ねだったことさえないのに
ねだることも
出来なかったのに…




