Weekly*7
*sunday
向かい風のなか
弓なりに伸ばした背中に
2月の陽射しは
まだ少し物足りない
心を閉じたまま
暮らす日々は
無難に生きる
手段のひとつ
広いベッドに寝転んで
カーテンを開けたままの窓の向こう
星の見えない空に
あるはずの星を想う
すこし寝て
すこし食べて
すこし働いて
すこし休む…
日常に溶け込むことは
こんなにもたやすい
そうして一日のおわりに
こっそりと自分を
オマージュしよう
明日をのりきるために…
*monday
生きていることが
もう…矛盾だらけ
道徳も不徳も
節度ある明日へ押しやって
オンナでいたい…
アナタにとってのワタシ
ワタシにとってのアナタ
オンナでいたい…
今夜
オンナにしてよ
*tuesday
ときどき
毒を吐く
本当は卑屈な自分を
忘れないために
ときどき
毒を吐く
まともなことばかりでは
ありのままの自分に自信をもてなくなるから
そんなに
優しくも利口でもない
冷淡なワタシを
見せないままで
いられるかな
*wednesday
物事を深く考えて
歩いてきた
自信がもてない
最善を選ぶことなんて
出来るものだろうか
それが
最善ではないと気づいたとき
余地を残さず振りきってしまった後では
やり直しがきかないから
8割くらいで
妥協することを
許してきたのではなかったか
累積していく
2割の余地が
有効な使いみちもないまま
空き物件になっている
そこは
日当たりは良好ではないらしい
*thursday
帰る時間を
もう少しだけ
延ばせるのなら
次の交差点で
大きな手に
指を滑りこませ
小指をぎゅ…と握って
白いシャツの胸で
深呼吸する
その先の20歩を
振り返らずに走れる
強さだけあればいい
*friday
いつか話した約束を
思い出していた
映画館を出たあとで
コンコースを歩きながら
改札を抜けてホームにたどり着くまで
ふたりはとてもおしゃべりだった
少し暖かい夜だった
上着のボタンをとめながら
目だけはあなたを追っていた
それは
約束などではなかった
ほんの
思いつきだった
無邪気に
優先順位を考えながら
別々の行き先の電車に
それぞれ乗り込んだ
あなたは何かを伝えようと
口をゆっくり動かした
何を言っているのか
まるでわからなかったけれど
わかったという顔をして
何度も頷いてみせた
少し暖かい夜だった
思いつきは思いつきのまま
ホームに忘れてしまった
*saturday
暖かな場所を探していた
雨を避ける場所を
風を避ける場所を
夏の刺すような陽射しを
もの哀しい秋の木枯らしを
やわらかいソファと
清潔なタオルと
少しばかりの
スナックとコーク
おしゃべりが好きで
読むことが好きで
書くことが救いだった
労りすぎて
ケンカも出来ない
弱虫だから
今日避けられた悲しみが
明日追いついてしまう前に
私たちは別々に
逃げなくてはならなかった




