85/102
たゆとう小舟
踏み分ける
目印のない宵の大地
名もなき花を蹴散らして
きみの声を追い払うよ
はなさないよ
そばにいるよ
素直になったら
負けと思った
きみの心はたゆとう小舟
冴えた空気に鳴く
宵の明星
肩で息をする
痩せた肺を
締めつけるほど
いま
叫んでみせて
約束をしない
きみのやり方に従い
逢える日には別れ際
キスをもうひとつねだった
はなれないで
そばにいて
夢中になったら
負けと思った
きみの心はたゆとう小舟
迷いをつらぬく
明の明星
きみを照らす
光になれるなら
泣きたくなるほど
いま
呼んでみたい




