Weekly*3
*Sunday*
実現しなかったこと
かなわなかったこと
中途半端にずらした蓋から
漏れて
ときどき追いかけてくる
独りよがりに覚えていて
忘れ去られているなんて
滑稽だわ…
もう苦しまなくてもいいように
しっかり蓋をして
おもしを乗せよう
朱い夕陽をしばらく見ない
もっと
もっと
染まっていけるほど
堕ちてみたいのに…
*Monday*
薄いポケットを
いくら叩いたって
ビスケットも夢も
増えやしない
小さな靴に
不安と
冷たい爪先を押し込んで
ホットミルクを
チャージしたら
出かけよう
東の空は明るい
きみの期待ほど
強くはないけれど
力なく結んだリボンのように
柔らかい心ひとつ
携えて出かけよう
おはよう
同志のような君
*Tuesday*
泳ぐ夢を見た
たくさん水を抱え込むように
平泳ぎをする
こんなに苦しいのに
いくらも進んだ気がしない
きっと
目印がないからだ
目が覚めて
少し泣いた
わたし
どこを泳いでいたのかな…
*Wednesday*
あなたの肩に
額をのせて…
あなたの発する
言葉の振動だけで
すべてを理解できたらいい
本当は
泣きたくて泣きたくて
仕方ないのに
あなたの喉に触れながら
かたくなに押し戻す喉仏が
自分の体の一部なら
良いのにと思う
*Thursday*
晴れきらない空
濃淡の雲をひとはけ
もう何日も見ていない夕焼け
もう何日も
君の声を聞かない
デビューを待つピアス
精一杯装っても
なにも言わない君だけど…
*Friday*
あれは何時だったろう
水溜まりを避けて
ふたり急いだ
夏の夕刻
濡れて光る
石畳の道
汗ばむ額にあてた
ハンカチのなかに
泣き顔まで隠して
見送った駅
帰したくないと
一度くらい
わがままを言っても
良かったのに
怒った君も
見たかったのに…
*Saturday*
不安になること
たしかめようとすること
失望に怯えること
それならいっそ
なくてもいい
自分のなかの
恋ごころ
それだけをみつめて
生きてみてもいい




