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わがままな恋
ケンカ別れはしたくなかったの
いつものように
待ち合わせをして
カフェの窓際の席で
他愛のない話をした
まるで
別れ話など
なかったかのように…
若さって
せっかちで
傲慢で
センチメンタルに恋して
傷つけ合うことも
愛情表現のいち部分だと
思い込んでいた
なぜ
許せなかったのだろう
なぜ
打ち明けずにはいられなかったのだろう
なにもかも
共有することに
どんな意味があったのだろう
時間を気にしながら
時計を見る仕草を
お互いに避けていた
それでも
どちらかが
言い出さなくてはならなかった
店を出てから
ひと駅ぶん歩いた
歩道を走ってきた自転車を
避けるように
無言のまま
腕を引寄せられ
ありがとうと
言いたかったのに
ごめんねと
謝っていた
あなたは今
幸せに暮らしているの?




