66/102
reverse
車体ごと
のまれていく
薄桃色の空
窓についた
花びらは
重なりあったまま
目的のない
旅に
寄り添うように
少しだけ
わがままを
言いたくて
言えなくて
ドアが開くたびに
入れ替わる空気に
吐き出した
ため息も
置いていけたらいい
長い髪は
切ってしまおう
爪を噛む癖は
止められなくて良いんだ
君が好む女になんて
ならないと決めた
少しだけ
苛立ちを
ぶつけたいんだ
ぶつけたいんだ
ドアが開くたびに
次こそ降りようと
吹っ切りたい
気持ちに
従えたら良いのに
黒い髪は
染めてしまおう
歪んだ恋心は
そのままで良いんだ
君が好む女になんて
なれないのだから




