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ceremony
こぬか雨
もう半時
傘もささずに
諦めて引き返そう
あと10分
もう10分
終わりのない待ちぼうけ
濡れた靴のなかで
小指が小さく悲鳴をあげる
もう来ない
あれが最後だった
納得するための
自分なりの儀式
約束をしても
あっさりと破る人だった
メールが来るたび
開くのが怖くて
床に放り出し
キルトをかぶって
泣き続けた
後になって
冷たくするくらいなら
初めから
そうすべきだったのに
強く引き寄せられた
手首に残る
あの強引さを
忘れてしまえたら
こぬか雨
音なき雨
ひとりきりの儀式




