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smile
かすりのような空を見上げて
しばし君の不機嫌をかわす
こんな風に僕たちは
喧嘩と仲直りをくりかえして
長続きはしない いさかいを
楽しんでいたのだろうか
君はいつも悲しそうで
悲しそうにするわけを聞くと
優しくされたいからと
小さく笑って
小さな手を 僕の手のひらに
滑り込ませるんだ
退屈すると裸足のまま
テラスから外へ出たきり
戻らなくて
僕は時々 不安になって
サンダルを手に 君を探し回った
君の自由が憎くて
不機嫌になる僕を
君は満足したように
あの顔を見せるんだ