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sweet memorise
少し前まで
未来の話ばかりしていた
どんな町に住みたいとか
部屋の間取りや
カーテンの色
プランターに植える
球根の種類や
日曜日のプラン
ラグの上に
クッションを並べて
二人で観る
映画のタイトル
昨日 君と
思い出ばかり話した
話が途切れるのが怖くて
懸命に思い出しながら
君を笑わせることも
忘れなかった
とうとう話も尽きて
二人とも覚悟した
どちらが先に
切り出したとしても
明るく手をふって
離れて行こうと
僕は何度も振り返ったけれど
君は笑顔だけ残して
二度と振り返らずに
歩き続けた
君が見えなくなると
僕はベンチに座って
両手のなかに
顔をうずめた
泣いたのかもしれない
涙は出なかったのかもしれない
ようやく顔を上げると
小さな女の子が
僕の前にいた
あめ玉をひとつ
僕の手のひらにのせると
笑顔を見せて
走り去った
君と同じ
キャラメルブラウンの
巻き毛が
背中でゆれていた
美しい少女だった
僕はふたたび
泣いてしまった




