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嘘
コップのまわりについた水滴を
指でなぞって
ひんやりとした手を
あなたの頬にあてる
ごめんね
嘘をついていた
どこまで引き返して
やり直せば 許されるだろう
あなたの瞳が みるみる
色を失っていくのを見て
とても後悔したの
あなたに選ばれたかったのに
先に選ぶことができなかった
決めかねたまま つかんでしまった
あなたの手のあたたかさに
心をぎゅっ・・と つかまれたのよ
自転車をおす あなたの後ろ姿に
拒絶されたようで
泣き出してしまう
どこまで引き返せば
やり直せるのかな
あなたがふっ切ってしまう前に
私が
いらなくなってしまう前に・・・・