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angel
ぬけだせない
哀しみに閉ざされた
重いカーテンの内側
君が出ていった
ドアに寄りかかり
いつから眠っていたのだろう
雨のなかを急ぐ
足音ばかりが過ぎてゆく
タイヤが跳ね上げる水の音
愛しい人を運んで来てはくれない
愛情は足りていたの
優しさは不足していたの
教えてよ
君の理想に近づきたいんだ
今だって
ふりはらえない
押し寄せる孤独から
身を隠すように
水を張らない
バスタブのなかに隠れて
君が出ていった
同じ時間が来るたびに
痛みがぶり返す
雨のなかを急ぐ
色とりどりの傘が過ぎてゆく
見慣れたはずの
君の傘の色が思い出せなくて




