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祈り
君がいる
ただ それだけで
ぼくの世界は完成する
君の身体をつつむ
石鹸の香り
抱き締める腕に
力がはいる
もっとよく
顔がみられるように
長い髪を 耳にかけて
少しだけあごを上げてよ
君がいる
ただ それだけで
ぼくの世界は歓喜する
カフェオレボールのふちについた
淡い口紅を親指でぬぐう
ぼくはその手を引き寄せて
君の指を口に含む
君に付属するもの全てが
愛しくてたまらない
灯りを半分おとした部屋で
ソファに投げ出した身体を
思いきり伸ばして
いつのまにか
寝息をたててる君の
祈りのように組まれた指に
ぼくはそっと
手を重ねよう
君がいる
ただ それだけを
ぼくは天に感謝するんだ




