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mademoiselle
だめなんだ
そんなに綺麗な君だと
誰もが恋をしてしまうから
だめなんだ
君がぼくのものだと
言えるだけの根拠もなくて
長い 長い
夏が終わったばかり
はじまる前と後で
変わったことなど
何もなくて
夏祭りの帰り道
ふざけて笑っていた君が
赤い鼻緒が痛いと言って
しゃがみこんだ坂道で
差し出した手を
つかんだ君の
金色に光る後れ毛が眩しくて
気の遠くなるような
戸惑いのはてに
やっとの思いで
キスをした
君の手から落ちた
艶やかな林檎飴が
今来た道を指していた
君はいつも自由で
いつだって優しくて
時々すねて困らせた
ぼくはあい変わらず
君の呼び方も変えられなくて
壊れそうなくらい
君に翻弄されているんだ




