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眩しい光の先

暖かい世界に憧れ 境界線に立ってみた

不確かなモノから確かなモノにと手を伸ばした



薄暗い世界に縛られ 生まれ育ってきた僕らが

水に映る自分を見ても輪郭しか浮かばない

お月様は声だし笑った 「君たちは誰なんだ」と

証明するものはなく 頭を抱えることしかできない


あるとき誰かが言ったんだ 「自分たちを探しに行こう」と

あるとき誰かが言ったんだ 「今こそ扉を開けるときだ」と

あるとき誰かが言ったんだ 「自己証明をしに行こう」と

あるとき誰かが言ったんだ 「希望に満ちた世界へ」と


誰かたちが開けた扉から 輝く光が差し込んで

優しく彼らを包みこんでいく

だけど光は眩しくて まるで初めから居なかったかのように

彼らを溶かし消し去ってしまった



どれほど時が過ぎたのか そもそも時間は存在しない

消えていった誰かたち 誰だったのかはわからない

誰もがみんな同じ顔 誰もがみんな顔無しお化け


だけど確かに感じてる 自分の心を感じてる

心が無ければ皆同じ ほとんどみんなに心無し

僕は孤独で月を眺め 誰かたちを思い出す




そのとき誰かが言ったんだ

「どうして此処にいるんだい?」 進んでしまうのが怖いのだ

「一歩踏み出すだけなのに」 その先を見るのが怖いのだ

独りで進んで消えるのが どうしようもなく怖いのだ

「だったら僕と一緒に行こう」

誰かが僕に言ったんだ



境界線に立って扉を叩いた 自分という確かなモノを得るために

眩しい光は僕たちを優しく包み込み 思わず僕は「あたたかい」と呟いた

そして僕は涙を流し溶けて消えていく

そのあとに見えたのは……




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