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0014話 たまには作者を叩いてみよう(作品の解釈について)

 時々、小説家になろうに投稿されているエッセイで感想欄が炎上じみた事になっているのを見掛ける。


 よくあるパターンはエッセイの内容について読者が批判し作者が反論している。

 そうした中で時々、読者がエッセイの内容を理解していない、間違った解釈をしていると反論している作者を見掛ける。


 まぁ気持ちはわかる。

 私も某巨大掲示板において、ここに投稿したとある作品の内容について、事実を捻じ曲げられた解釈の末にキチガ◯と書かれた事がある。バカやアホとも書かれた事がある。

 

 だが、しかし……

 この小説家になろうで、解釈云々と反論している作者さんの作品を読むと、誤解されるのも無理は無いと思える場合が多いのも事実だ。


 そういう作者さんには共通点がある。

 

 大抵は意味の明確さを欠いた文章を書いている。

 率直に分かりやすい文章を書いていない。

 

 まるで「分かるやつにだけ分かれ」「一定の学識レベルの者を想定して書いている」「理解できない方が悪い」とばかりに新聞でも使われないような単語や、専門用語、難解な表現方法で文章を書いている。

 

 これが大学や学会で発表でもするというのなら、まぁ理解はできる。

 だが、ここは「小説家になろう」のエッセイだ。

 一定の学識のある人達や専門家の集まりというわけではない。


「小説家になろう」は年齢も学歴も不問な不特定多数の人々が利用するサイトだ。

 サイト案内には「小説家になろうでは幅広い年齢層の方々に利用されています」とある。 


「小説家になろう」での読者の年齢層には未成年者も多い。

 それどころか、義務教育を修了していない者も多い。


 2014年に「小説家になろう」の運営会社が角◯と協力して出した書籍「この小説家になろうがアツイ!」の中に読者の年齢層が載っているが、中学生以下の読者は全体の10.8%と出ている。

 これに高校生を含めれば26.8%になる。

 つまり読者の4人に1人以上は高校生以下だ。

 

 そもそもエッセイであっても投稿する時は、全年齢対象かR15なのかチェックを入れないと投稿できない仕組みになっている。

 つまり作者なら誰もが14歳以下の者が読む可能性がある事を知っている筈だ。


 まぁ実際にエッセイのジャンルにおいて読者の年齢層が4人に1人以上は高校生以下なのかどうかはわからない。

 

 だが、間違った解釈をしてほしくないのなら、色々な学歴の読者、その中には義務教育も済んでいない読者もいる事を想定し、わかりやすい文章を心掛けるべきだろう。


 相対性理論で有名なアルベルト・アインシュタイン博士は相対性について一般人の人に説明した時、次のよう語ったそうだ。

「可愛い女の子と一時間一緒にいると、一分しか経っていないように感じる。

だけど熱いストーブに一分手を当てていると一時間にも感じる。

それが相対性というものです」


 難しい言葉も、表現も専門用語も使っていない。

 学者相手なら専門用語でも何でも使うだろう。だが一般人を相手にはそれに相応しい言葉と表現を使って説明している。

 分かるやつだけわかれなんて事は全く考えていないのは明らかだ。

 アインシュタイン博士の残した言葉には次のようなものもある。


「わかりやすく説明できないという事は充分に理解していないという事だ」

「6歳の子供に説明できなければ理解したとは言えない」


読者がエッセイの内容を理解していない、間違った解釈をしていると反論している少なからぬ作者さんは、これとは逆の方向性にある。

 わかりやすさを捨て難解な表現と専門用語を散りばめた文章を書いている。


 中には読者への反論で、いかに自分が博識で教養があるのか、知識が豊富にあるのをひけらかし自慢しているのが滲み出ているような場合もある。

 難解な文章を書いている事を自画自賛している場合もある。

 そういうのは、あまり感心はできない。


 別にアインシュタイン博士のように「6歳の子供に」なんていう気はないが、「小説家になろう」は何度も言うように年齢も学歴も不問な不特定多数の人々が利用するサイトなのだから、それは考慮するべきだと思う。

 そういう場所での文章の書き方というものはあるだろう。

 読者が解釈を間違えていると責める前に、まずは自分の文章がその場所に相応しい書き方をしているのか、顧みる事をおすすめしたい。


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