0010話 たまには作者に忠告しよう(相互クラスタ、複アカについて)
話題的には時機を逸していますが、まぁ一つよろしく
私が夏コ◯の新刊制作に忙しい時期に相互クラスタ問題とやらが噴出した。
「小説家になろ◯」の外部で相互にポイントを付け合おうというグループが存在したという問題だ。
既に「小説家になろ◯」の規約は改訂され内部も外部もポイントを付ける依頼をする事は違反事項となった。
これで一応の解決は見たと言ってよいだろう。
書籍化を目指して頑張っている作者さんで、この相互クラスタ問題や複数アカウント問題をまだ気にしている人がいたら言っておこう。放っておきなさい、と。
相互クラスタが違反行為とされた今、それを表だって行う者はいないだろう。
これは複数アカウントと同じだ。
きっと地下に潜って密かに違反行為を行うだろう。
それだけでなく、また新たな規約の裏をかくような手段を考えつき行うだろう。
こういうのは、いたちごっこでキリがない。
そして、それに対し私達ができる事は殆ど無い。
精々私達にできるのは運営に苦情を言ったり何かしらの提案をしたりする事くらいだろう。
後は「俺Tuee◯」を使って怪しいと思われる者を探して通報する事くらいだろうか。
下手に作者の誰かを大声で不正していると告発したところで、確たる証拠を示せなければ誹謗中傷になるだけだ。
それどころか冤罪で、もしかしたら本当に無実の人を断罪しているという事もありえる。
今回の相互クラスタ問題にしてもその全ての真実はわからない。
某掲示板では相互クラスタをしているとされた人物達の名前が公表されている。
だが、そこで相互クラスタをしていたと名前を出された人の中には、自分はやっていないとツイッターで否定している人もいた。
その真偽を確認する術は我々には無い。
真実など私達にはわからない。
確実に真実を導きだす手段が我々には無いのだから結局は行き詰る。
こういう問題は運営に任せておくのが一番だ。
不正との戦いは終わる事のない永久ループみたいなものだ。
決して終わる事は無い。
どれだけ不正を暴こうと通報しようと終わりは無い。
相互クラスタ問題や複数アカウント問題、そんな不正に頭を悩ませたり気を揉んだりしたところで自分の作品が書籍化されるわけではない。
それどころか、執筆時間を削られるだけだろう。
それこそ時間の無駄だ。
それよりは、自分の作品を書く事にエネルギーを費やした方が良い。
そもそもだ。相互クラスタで相互にポイントを付け合えば必ず書籍化されるのか?
否である。
某掲示板で相互クラスタをしているとされた人物達の名前が公表されているが、全員が書籍化されているわけではない。まぁ掲示板なんてどこまで信じられるか疑問だが。
以前から複数アカウントの問題も取り沙汰されて来たが、その複数アカウントでポイントを水増しすれば、必ず書籍化されるのだろうか?
否である。
私も全部ではないがランキングの上位作品をこれまで色々と読んで来た。
それらの作品のうちどれくらいの作品が複数アカウントという不正をしたかなんて正確にはわからない。
ただ一つ言えるのは、ランキング上位にあっても書籍化されていない作品もこれまでにかなりあるという事だ。
もし、ランキングだけで書籍化が決まるのならば、不正の有無は関係なく上位に入った作品達は全て書籍化されていた筈だろう。
では何故、書籍化されない作品もあるのか?
出版社が書籍化する作品を選んでいるからだろう。
盲目的にただランキング上位の作品を書籍化していないからだろう。
出版社は商売で書籍化をしている。
利益を上げなければならない。
赤字じゃ出版社が潰れる。
これまで、どれだけのライトノベル・レーベルが休刊したり潰れてきたか……
EXノベルズ、エニックス文庫、白泉社My文庫、徳間デュアル文庫、ゼータ文庫、スーパーファンタジー文庫、スパークエスト文庫、サークル文庫、これらはほんの一部で休刊や廃刊になったライトノベル・レーベルはまだまだある。
出版社だって商売だから当然売れそうな作品を書籍化するだろう。
ちなみにヒーロ◯文庫の場合は編集の人が読んで面白いと思った作品を書籍化していると創刊時のインタビュー記事で読んだ事がある。
他の出版社もただランキング上位作品を書籍化しているのではなく、実際に編集部の人が読んで、面白い売れそうだと思った作品を書籍化しているのではないだろうか。
だからこそランキング上位に入った作品でも書籍化される作品と書籍化されない作品があるのだと思う。
そもそも、複数アカウントによるポイント水増しなどはかなり以前から言われて来たし運営が摘発もしてきた。
「小説家になろ◯」におけるそうした問題点について、出版社の人が全く気付いていないという事などがあるだろうか。
気付いているからこそランキング上位の作品と言えど安易には書籍化されないという面もあるのではないだろうか。
また、出版社は面白そうな売れそうな小説を見つけ出そうとして小説コンテストを行っているのだと思う。
出版社が、ただ「小説家になろ◯」のランキングを盲信しているのなら、それこそランキング上位の作品を片っ端から書籍化している筈だろう。
そうではないからこそコンテストを行い面白そうな売れそうな作品を掘り起こそうとしているのではないだろうか。
今年の6月に結果が発表された第4回ネット小説大賞を見てみればいい。
ランキングで見た作品も受賞しているが、見掛けた事のない作品も受賞している。
中にはブックマークが3桁で受賞している作品もあった。
ランキングが書籍化される要素の全てでは無い事をこのコンテストの結果が証明している。
ついでに言えば異世界ハーレムチートでない作品が5作品も受賞しているし書籍化される。
以前から私が主張している通り「小説家になろ◯」だからと言って、異世界ハーレムチートでなくても面白い作品ならば書籍化されるという事をこのコンテストも証明している。
だから書籍化を目指している作者さんに言いたい。
相互クラスタ問題や複数アカウント問題にとらわれる暇があったら自分の作品に集中した方がいい。
エネルギーは全て自分の作品を書く事に費やしたほうが建設的だ。
そしてランキングに入らないからと言って嘆く事はない。
入らなくてもコンテストで入賞して書籍化されている作品もある。
第4回ネット小説大賞が、それを証明している。