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転劇

「ーーーーー・・・・さて、この辺で一旦休憩だ」


4キロぐらい歩いたところで休憩に入る


歩くといっても瓦礫や足場の悪いところが多く、何より魔力の残量を気にしていかないといけないのでたった4キロでも厳しいものがある


「訓練したのに結構厳しいですね。ここ」


「そうだな、慣れないとすぐに飲み込まれるから気をつけろよ」


「・・・・はい」


二人とも少しだが疲労が見えてきている


「フォルナは大丈夫か?」


「ええ、まあ。あと少しぐらいなら大丈夫です」


「そうだな・・・後2キロぐらい行った所で引き返すか。目ぼしいものもないし、これでお前たちにも練習課題が出来たのならそれはそれで収穫だ」


瓦礫があちらこちらに散らばっているので、その瓦礫に座り休むことにする


「・・・・・・・」


・・・不味いな


来ている。確実に、ここに


このままだと皆が巻き込まれることになる


だったらーーーーー


「・・・すみません、思いのほか限界が近いようなのでそろそろ引き換えしませんか?それに俺だけじゃなくてトートもメリヤも疲労が見えてますから」


「わ、私はまだ大丈夫よ。後1キロぐらい」


「俺もいけるぜ。それに、ちょっと確かめたいこともあるし」


「・・・・確かに疲れが見えているな。だが、お前たちも伊達に訓練してきたわけじゃないだろ?こんな所で根を上げるような奴だったか?フォルナ。お前が仲間思いなのはよく解るが、少しは信頼してやれ」


違う、そうじゃない


アイツの前にお前たちが居たら、巻き込まれる


それだけは駄目だ。アイツの目的は俺であり、俺の目的もアイツなのだから


余計な被害を出すわけにはーーーーーーー







「ーーーーよう、仲良くお友達ごっこしているところお邪魔するぜ」




ーーーーーーー刹那、上空に突如そいつが顕現した


朱に染まった髪、見るからに暴走している紅の瞳。黒と赤が交えた獄炎がその身を包んでいる男がーーーーーー


俺達の、目的の男がーーーーー


(・・・な、なんで!?早過ぎる!私の探知能力じゃかなり距離があったはずよ!?)


(ジャミングか、それともダミーか。どっちにしろここまで近づかれていたのに気づかなかった俺達の責任だ)


暴走している割には頭を使ってきやがる


拙い、このままじゃ全員を巻き込むことになる


何とか避難させないとーーーーーー


「ーーーーーー・・・・・・アアアアあああああああッッ!!!!!!」


「・・・!?」


その叫びに思考が停止する


「トー、ト?」


今の叫びはトートが?


一体どういうことだ


「ちょっと、トートどうしたのよ?」


流石にいつもとは全然違うその姿に周りが動揺する


『トート落ち着いて!!今は逃げるのが先決ーーーーー』


逃げるのが先決?


それはつまりお前たちは一回コイツに逢っているのか?


「お前ーーーーーお前が、父さんと・・・母さんを・・・・・ッ!」


その姿は明らかに怒り狂っている


いつものちゃらけたトートはどこにも居ない


『駄目!・・・オデュークすぐにトートを止めてっ!』


「・・・・チッ!おいトートアイツが何者かはわからないが今はーーーー」


「ーーーーーーぉおおおおおおおおおッ!!」


瞬間、トートがオデュークの指示を無視しアイツへ向かって跳躍した


トートの武器はダガー


俺達魔法を使う者は基本的武器に魔力を浴びせて強化して戦うのが戦法だ


だから・・・トートはそのダガーに今総ての魔力を注ぎ


こんな場所でそんな使いかたしたら・・・・・


ーーーーーーギンッ!!


だがそんな渾身の一撃すら身に纏う劫火で受け止める


「俺を、覚えているか!?お前が4年前気晴らしに民家を襲った被害者をォッ!!」


「知らねェよ。テメェに用はねェンだ。引っ込んでろ」


何重にも展開してある魔法障壁がーーーーーー


一瞬にして砕け散りーーーーー


そして、アイツの炎がーーーーー


トートをーーーー


「ーーーーーーッ!!!」


全員、息を呑むしかなかった


一瞬のことで誰も判断出来なかった


こんなにも、あっさりと、殺されることが


炎がトートを貫き、そのまま頭から落下する


「ーーーートートっ!!」


その言葉に反応すら出来ないトートへメリヤが駆けつけ、上手くキャッチする


「トート!ねぇトートってばっ!しっかりしてよ!!」


そこ悲痛の言葉は耳元で発せられているのにも拘らず、トートは無反応


それはつまりーーーーー


「・・・・チッ、五月蝿いなァ。お前」


「ーーーーーっ!!!」


メリヤの叫びは癇に障ったのか、奴の炎がトートとメリヤを襲う


「させ、るかよォッ!!」


一瞬にして間にオデュークが入り、その攻撃を間一髪のところで阻止する


「あ、  あ・・・・」


オデュークが入らなければ間違いなく死んでいた


それが後からメリヤを襲い、狼狽する


「安心しろ。これ以上仲間を死なせねぇ」


必ず護る


昔そう決意したオデュークだからこそここ数年はずっと防御魔法を特訓重ねてきた


その防御は並大抵のモノじゃ砕かれない


「へぇ・・・まあいいや。・・・さて、暇つぶしもこの辺でいいだろう。・・・なァ!!そろそろ準備は出来たか?"朔夜さくや"ァ!!!」


「ーーーーーーああ、丁度今出来たところだよ」


障壁を外す


そんなもの、ルキとリンクしているので必要ない


むしろ邪魔だ。余計な魔力を使いたくない


物理魔法はコイツには意味がない


・・・トートを死なせてしまったのは俺のミスだ


メリヤを護れなかったが、オデュークが咄嗟に助けてくれてよかった


この魔法には、少しだけチャージが必要だから


無防備な状態でアイツと戦えるわけがない


そんなことを、解っていてアイツは仲間を殺した


無暗に、殺した


「・・・お前は、俺がこの手で救っ(殺し)てやる」


ーーーーー顕現する


ルキとリンクすることで手に入れた俺の魔法。奴と同じ段階の物理魔法


刹那、五本の氷の柱が俺を囲む


そしてーーーーー 一瞬して砕け、辺りに氷結が撒布される


両手に持っている剣に意識を集中させ、氷で覆い強度を上げる


「・・・・フォ、ルナ?」


オデュークが今の俺の姿に戸惑う


いや、オデュークだけじゃなくメリヤも


「お前たちは出来るだけ遠くに逃げてくれ」


「そんなこと、出来るわけ・・・」


解っているよ。オデューク。でも・・・


「オデューク。前に話してくれたよな、俺は護るためにここに来たって。ならそれを貫いて見せろ。・・・これ以上、仲間を死なせたいのか!」


「・・・・・ッ!!」


「こいつの目的は俺だ。だから・・・アンタはメリヤを護ってくれ。男として、女を護るのは当然だろ?」


このセリフはいつか俺にドヤ顔でいったアンタの言葉だ


「ーーーーーーー」


悔やむ、情けない、そんな感情が見受けられる


だけど、そうだ。それでいい


今だけでいい、お前たちは逃げてくれ


「よそ見している暇、お前にあんのかよ!!」


「グッ!」


業火の拳による一撃


氷の剣で何とか凌ぐが、


前よりもずっと重い・・・!


だけど・・・・


「この程度で・・・・ッ!!」


弾き返し、お互い体勢を立て直す


「よぉ、最初から飛ばしていくぞ」


その言葉を言い終えた瞬間、炎弾が空中に何百と出現する


こっちもそれに対抗して何百の氷柱を俺の周りに出現させる


そしてその氷柱を一瞬で削ぎさらに鋭利を増させる


「「オラァッ!!!」」


同時に射出。炎と氷 相性は最悪


だが鋭い氷は炎弾を貫き無効化させる


大体一つの氷柱に1.5の割合で炎弾を無効化


そして余った十数本の氷柱で奴を襲う


だがーーーーー


「そんなモノじゃ俺の檻を砕くことはムリだなァ」


取巻いていた漆黒の炎が氷柱を近づく前に溶かす


だがそれでいい


そうでなくてはならない


何故ならーーーーー


「ッ!!」


その攻撃は囮であり、既に間合いを詰めている


奴が氷柱に気を取られている瞬間を狙い、二本の氷の刃で斬撃を繰り出す


「ーーーー・・・ハッ!」


地団駄のように足を空中で踏み込むと、奴から勢いよく炎の波が現れそのまま流される


「アッハハハハハ!!楽しいネェ!そう来なくっちゃ・・・なァ!」


波に吹き飛ばされ体勢を崩した俺にすぐに近づき右腕を振りかざす


「クソッ!!」


何とか左腕でガードするがそのまま地上へと叩き込まれる


小さなクレーターのように地面は抉られ、俺の左腕も微量ながら負傷する


すぐに立ち上がり、見極める


(暴走化・・・かなり進んでいるわね)


(解ってるよ。そのぐらい)


(もう彼は、元にはーーーーー)


(解ってる!・・・ここで殺さないといけない。もう被害は出したくない!あの時、殺しそびれた俺の義務だ!!)


「さぁて、この技は初のお披露目だ。よーく味わえよ?」


瞬間、魔法陣が奴の頭上に展開させる


一つーーーー二つーーー三つ


その三つの魔法陣の中心点に魔力が集中する


そして、巨大な爆炎の弾が創り出される


「一発目ーーー」


巨大な炎は俺に向けて射出される


その様はさながら砲台


つまり、第二発も準備されていること


避けてもその瞬間を狙われたら只では済まない


だったらーーーーー


地面に魔法陣を描く


その魔法陣から巨大な氷の柱を出現させ、上に乗り、そのまま遥か高くまで跳び一発目を避ける


そのまま跳躍し、空中に氷の円を出現させ、それを踏み台に高速で落下しそのまま脳天へと攻撃をしかける


「二発目ーーー」


だが、当然のごとく2発目が下から射出される


ここまでは予想出来ている


だからこの勢いのままーーーーッ!


「グッーーーガァアアアッ!!」


多少のダメージ、受けると解っていたらそう苦痛ではない


「三発目ーーー」


しかし、瞬時に発射される三発目


二発目で半分減速してしまい、これを受けると奴に直接攻撃するときにはダメージ与えられない


だが、それでいい


間合いさえ詰める事が出来るなら!


「ーーーーーーーー!?」


刹那、直撃するはずだったその三発目は触れる瞬間消し飛ぶ


・・・俺じゃない


つまり、こんな芸当出来るのはーーーーー


いや、今はそれよりこのままッ!!


「ォオオオオオオオッ!!」


勢いよく振りかざされる2本の斬撃


それなのにーーーー容易く右腕一本で受け止められる


「ーーーーはぁ」


溜息と同時に振り払わるが、先のような勢いはない


すぐに体勢を立て直し、攻撃を図ろうとするがーーーー


「やっぱり来たか。テメェの出る幕はないんだがなァ」


俺ではなく、その反対側を目視している


その先には


「来るに決まっているでしょ。貴方を、倒さなくちゃいけないんだから」


「・・・華蓮かれん


やっぱりな。こいつの炎を吹き飛ばす元素魔法は、この辺じゃお前しかいねぇからな


「そうかいそうかい。・・・だったらもうこんな茶番は辞めてやるよ!」


「茶番・・・ですって?」


「ああ、そうだ。茶番だァ。物理魔法?元素魔法?・・・ハッ!弱すぎンだよ!こんなごっこ遊びィ!!テメェらに人間の限界を味合わせてやる」


「その言い方。自分は人間じゃないみたいだな」


「ああそうだが?既に俺はその域を超えている。格が違う。次元が違う。・・・だがなぁ、朔夜。お前はその辺の人間とは違う。素質がある。ここまで来ることが出来る素質が」


「素質?それは才能みたいなもののことを言ってんのか?」


「いいや、選ばれたって意味だ。そのテメェの中に居る存在から認めてもらったって意味だよ!」


ルキがいることがバレいてる!?


「そいつから捥ぎ取れよ。力を!命を!そうすりゃオレのところまで来れるぜ?・・・まっ、そうしなければどの道お前はここで死ぬことになるだけだがな」


「・・・へぇ、指し当たってどの段階に居るんだ?お前は」


「そうだなァ。大体神様の手前ぐらいか。・・・だが、神の所業ならオレにも出来る」


「なら、見せてみろよ。その自信満々の手品を」


・・・解る


何も言葉を発していないが解る


今、明らかに何かが変わった


何だ?何が変わった?


地面?空気?空?それとも奴自身?


・・・違う。どれも違う


(フォルナ)


不思議に思ったルキが俺に声を掛ける


(ああ、何か変だ)


(・・・気をつけなさい。彼は今本当に神の所業をやってみせたわ)


(ーーーーおいおい、冗談きつ過ぎだろ)


(事実よ。今の彼は本当に神の一歩手前に居るみたいね。実際攻撃してみなさい。貴方の氷も、彼女の風も、魔法の砲撃も効かなくなっている。・・・もう物理ではムリそうよ)


(・・・!そんな奴を、どうやって斃せってんだ!)


(ーーー・・・方法は一つ、私を・・・)


(駄目だ。今はまだーーーー)


今まで以上に研ぎ澄ます


魔力を、力を、この剣にーーーーッ!!


「とりあえず、やってみないとなぁ!!」


跳躍。ーーーーーそして間合いを詰め


「・・・・・・・あ?」


攻撃した瞬間。別方向から炎弾が襲い、腹部に直撃する


こいつは今、明らかに無防備で、攻撃する素振りすら見せなかったのに


どうやって・・・・


「だから・・・・それも解ってンだよ」


「そんなーーー」


俺を迎撃した瞬間を狙い、華蓮が攻撃する


恐らくは目に見えない攻撃。鎌鼬


それは一度、奴に攻撃を与えたことも在る攻撃だ


何せ目に見えず、そして気配も解らず、高速で接近し総てを切り裂く刃


なのに、それが通用しなかったのだろう


「テメェらの攻撃なんざ読めるンだよ。ったく、そんなモノ通用しないって言っただろうが」


それは物理的に通用しないのか、それとも原理が解り、対策があるという意味なのだろうか


・・・・いや、もしくは


(・・・残念ながら、両方ね)


(マジかよ・・・)


おいおい、どうすることも出来ねーだろ


(彼の言葉で神の所業っていう正体、解ったわ。)


(本当に、神の所業だったのか?)


(神の所業というより最早神ね。何せ、"運命"を操ったんですもの)


(ーーーー・・・・"概念、干渉"?そんなの、本当にあったのかよ)


以前お前が冗談半分で語ってくれた昔話。あれ実話かよ


(失礼ね。私嘘ついたことないんだけど?)


(それよりどうすんだよ、そんなものに太刀打ちできるわけーーーー)


「おいおい、中のお人形と話してないでこっちに集中しろよッ!!!」


「ーーーーーなッ!・・・グッ」


俺の左腕でガードしたにも拘らず、奴の拳がそれごと持っていく


確かにルキと話し込んでいた


だが、決して余所見をしていたわけじゃない


こいつは、コンマ単位の隙を狙って接近して攻撃してきた


概念干渉


つまり、俺がそうなるように運命を捻じ曲げた


だがーーーーーー


「手加減はしておいた。ほら、解っただろ?次元の差が」


「・・・・お前のそれ、数十秒後の未来しか変えられないみたいだな」


「ーーーーーー・・・なるほど、お人形に教えてもらったのか。ああそうだ、確かにその通りだよ。・・・だが、だからどうした?お前ら人間のこれに立向かえる方法でもあるとでも?」


「・・・朔夜」


いつの間にか隣には華蓮が居る


無事の右腕を引っ張り、体勢を立て直してくれる


「ーーーーーガハッ」


やべ、思ったより内臓やられている


「兄さんは、本当に私達とは別次元に居るみたいね」


「残念ながらな、お前と共闘して斃そうかと思ったが、もうムリだな。二人掛かりでも駄目だ」


「・・・そこで、諦めるの?」


「まさか、戦うよ。限界まで、最後まで」


諦めて溜まるか


でも、このままじゃ確かに勝てる見込みがない


・・・ルキを、使うのか?


ーーーーーーーー私の力はね、使ったら回復しないの。そして力を使い果たしたら、私は死ぬ。


隠し事が下手なルキは以前そう正直に言ってくれた


それが本当なら、使いたくない。コイツだって死ぬのは厭なはずだ


だから、見せてやらないとな


人間の力をーーーーー









「気合でどうにかなると思ったか?それで勝てると思ったのか?正義は自分にあるから、負けないと思ったのか?ーーーーーー甘イ。甘すぎる。その程度でどうにかなるのは人間だけだ。そんな程度の知れている価値観だから、こういう事態になる」


読まれていた


総て、俺たちの動き総てを読まれていた


概念干渉。運命を自分の都合のいいように捻じ曲げる


その効果は範囲内。つまり、俺たちぐらいだが、適用される


数十秒後の未来をコイツは丁度自分の攻撃がクリーンヒットするように変えてくる


その結果がこの様だ


俺は既にボロボロ。満身状態


足が震える、立っているのもやっと。左腕は吹き飛ばされ、今は氷で何とか止血している


最早瀕死の状態


いや、それ以上に不味いのが華蓮だ


意識を失っている。頭を強く打たれ、防ぎきれなかった


そして今、奴の手元にいる


「ーーー・・・華、蓮」


「家族が大事か?だったら早く来いよ。じゃないと、死ぬぜ?」


「・・・本当に、もういないんだな。華炎かえん、お前だって家族だったはずだろ。そいつはお前の妹のはずだろ」


「だから、どうしたよ。俺は忠告しただろ。これ以上関わるなって。なのにこのバカは関わってきた。なら仕方ねェだろ。自業自得だ」


・・・・ああ、お前は、死んだんだな


俺たち、知っている華炎はもう・・・


改めて実感する。現実を叩きつけられる


人の身で在りながら、化け物と成り果てた存在


それを超え、斃せるのもまた化け物・・・か


は、はははは・・・


義務、犠牲、執念、野望、目標


そんなもの、化け物の前じゃ総て有象無象と変わりないってわけか


暴走なんかしていない。あれが今の・・・アイツなんだ


「そ、れでも・・・」


それでもーーーーーーー


「この女、今のお前には邪魔だな」


お前の手でーーーーーーー


「大切なものを失って、初めて開花させる力もある。・・・それを体験してみるか、朔夜?」


そいつを、華蓮を、お前の妹をーーーーーー


「ああ、そういえばコイツは俺の妹だったらしいな。なら、一言挨拶しておかないと・・・さようならだ。愚昧。こんな兄を持って残念だったなァ」


撃たせたくないーーーーーーーーーー









ーーーーーーーーーーーー刹那






「ーーーー・・・どうなってンだ?これは」


君臨する


顕現する


召喚する


呼応する


発動する


「何でお前の腕にその女が抱かれている?」


先まですぐ手元にあり、殺されかけたボロボロの華蓮が


今、俺の腕に抱かれて気を失っている


「・・・・まさか」


ルキ、お前の力は使わない


お前がどんな存在かは詳しくは知らない


だけど、お前を失うのも、華蓮が失うのも俺は望まない


・・・そうだ。これは我が儘だ


欲望だ、そして俺だけの渇望イノリ


"大切な家族を失いたくない"


だから、俺は駆け上がるよ


お前たちを護れるのなら、俺はどこまでだって狂える


このさぎばしを駆け上がることだって出来る


そのきっかけはルキ、お前とリンクしていたからだ


いつからか、ずっとお前と一緒に居た


お前という、新聖生命体と慣れていたから俺は更なる高みへと至れた


お前が居るだけで、居てくれるだけでアイツを救える


だから、ありがとう。ルキ


・・・そして、さようならだ。オデューク、メリヤ、トート、リア。そしてフォルナ


もう俺は・・・・・後戻りは出来ない




ついに俺は、神への階を昇り詰め、人類を超越した





「さぁ、もう終わりにしよう。ここが俺たちの終焉だ。最後まで付き合ってやる。お前と俺の存在イノチが尽きるその時までだがな」


「ーーーーー・・・・ハ、ハハハ、アッハハハハハハハッ!!!ついに、ついにここまで来たのかァ!!朔夜ァッ!!」




神格並同士の闘争


惑星すらも砕くほどの強さを持った存在が


この世界すらを変えてしまうほどの魂が戦う


これは最早喧嘩でも、殴り合いでも、殺し合いでもない


いわば戦争


そこには各々の欲望しかない


炎と氷の対決


それはさながら八熱地獄と八寒地獄の領土戦争


己の総て賭して、覚悟を決めた魂の戦い


「「行くぞォ!!」」


天地万物を巻き込んだ戦争の号砲が、この宇宙に鳴り響いた

明らかに展開が雑で・・・

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