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天啓的異世界転生譚  作者: ウスバー
第十四部 真面目にファンタジー編
91/102

第八十章 王女の戦い

何だか過去の話を予定より詳細に書いていたら、書いた本人が驚くほどシリアスになってしまいました

一応話の流れを追うだけなら後半を読むだけでもいいので、極端に耐性がないという人は行空けの後の『そして、現在』というところまで読み飛ばして下さい




 幼少期において、その少女は何の不自由もなく育っていた。

 優しい両親に大きなおうち。

 同世代の子供こそいなかったが、専属のメイドがいて彼女の面倒をよく見てくれた。


 異常が起こったのは、少女が5歳の時。

 二番目に仲の良かったメイドが少女を殺そうとして、一番仲の良かったメイドが少女をかばって死んだ。

 少女には何が起こったか分からなかった。


 ただ、その時点で少女の母親は少女を連れ、自分の元の家に戻ることを決心。

 引き留める父を置き去りにして、少女と母親は田舎の母親の自宅、町外れの古城へと引きこもった。



 そこでの生活は、幸福とまでは言えなかったが不幸ではなかった。

 その時少女は自分の真っ白な髪の意味も理解出来ていたし、何より母親の城の人間は、母親を含めて皆優しかった。

 父親と滅多に会えなくなったのはさびしかったし、城の外にあまり出れないのも退屈ではあったが、それなりに楽しい時期だったと言える。


 しかし、少女が16になった年、再び事件が起こる。

 大抵の犯罪が割に合わない世界だからこそ、大それた犯罪で人生の一発逆転を試みる愚か者共はいる。

 魔王を封印していると言われる少女は世界にとって最重要な存在で、故に誰からでも高額の身代金を取れると考えた人でなしたち。

 少女はこの冒険者崩れのごろつきたちに誘拐されかけた。


 幸い騎士団の対応は早く事なきを得たものの、この際に少女と仲の良かった使用人と護衛が二人、殺されており、少女はすっかり心に傷を負い、外出を恐れるようになってしまった。



 この事態に心を痛めたのが、稀代の錬金術師でもあった少女の母親だった。

 そして、天才錬金術師と呼ばれる彼女が、その技能でもって娘の窮状を救おうと考えたのは無理からぬ流れだっただろう。


 彼女が考えたのは、娘が自由に動かすことの出来る娘そっくりな人形を作って、生身の代わりに外を歩かせること。

 幸いにも、少女の魔法の適性はもともと高く、さらには魔王を封印する巫女という少女の特性上、遠隔地にある物に魔力を送るのは少女の得意分野だった。


 万が一にも事故が起きたり悪用されたりしないよう、幾重にも安全装置を作り、実験を繰り返し、事件から約一年後、それはとうとう完成した。

 傍目には少女と見まがうくらいに少女にそっくりな、少女にしか扱えない、少女のためだけの人形。


 それはある意味で、少女の新しい体だった。



 実験は成功し、少女は魔法を使って人形を操り、まるで人形に意識を移したかのように振る舞い、話し、聞くことができるようになった。

 さすがに魔法で送受信できるのは視覚と聴覚のみで、味覚や嗅覚、触覚のフィードバックは不可能だったが、それでも少女は喜んだ。


 今まで怖くて出れなかった外に、お付きや護衛なしに出歩き、町の人と触れ合い、まるで普通の少女のように買い物をして過ごした。

 最初の頃は人形の動きもぎこちなかったものの、慣れる内に少女も人形の操作に習熟し、段々と生身とほとんど遜色のない動きをさせられるようになった。

 これにより少女の心は持ち直し、一年前とは比べ物にならないほど多くの笑顔を見せるようになった。



 しかしそれから数週間後、少女が倒れる。

 その原因は、人形を操作しすぎたこと。

 常に魔法を使って人形を動かしていたため、魔力を使いすぎていたということもあったが、それ以前に人形を動かすということ自体にも問題があった。


 生身とほぼ同じように動かせるようになったからこそ、人形と本来の体との微妙な差異が、少女へのストレスとなって、彼女の脳に蓄積していたのだ。


 母親は泣く泣く計画を断念。

 少女に人形の使用を禁止させるしかなかった。




 そして意外にも、彼女たちの運命を定める最後の分水嶺になったのはこの事件だった。


 やはり機械仕掛けの体ではダメだ。

 もっと精巧な、人間と変わりがないほどの、最高の体を作らなくてはならない。


 そう考えた少女の母親が、とうとう禁忌の秘術に手を出してしまったのだ。



 ――魂なき肉の人形、ホムンクルスの製作である。




 当然だが、少女はこの母親の愚行を止めようとした。


 ホムンクルスの作成は、錬金術最大の禁忌の一つとされている。

 それは人が人を造る傲慢さに由来する物では必ずしもなく、むしろその術の不完全さにこそ理由があった。

 錬金術によって人を造ろうとしても、そこに魂は宿らない。

 あるいは、科学的に言えば不完全な脳しか作り出せないということなのか、人としての機能を全て備えているはずなのに、なぜか自我が芽生えないのだ。

 人として作られたはずなのに、どうしても人形にしかなれない不完全な存在。

 それがホムンクルスである。


 人のようで人でない。

 その中途半端な性質が、多くの悲劇を生む。

 ――自分の作ったホムンクルスに恋をして、その身を滅ぼした若い錬金術師の話。

 ――主人の命令を忠実に果たそうとして、結局は主人を滅ぼしてしまったホムンクルスの話。

 ――悪魔の依り代として利用され、一国を滅ぼしたホムンクルスの話も伝わっている。

 それがどんな結末であれ、とにかくホムンクルスによって破滅した錬金術師の話は枚挙に暇がない。



 表向きには娘の説得によってホムンクルスの作成をあきらめた母親だったが、娘への愛に、あるいは研究者としての誘惑に負けた。

 娘には秘密で地下の実験室にこもり、少女の髪の毛や唾液を培養し、愛娘の肉体を生成する日々。


 そして彼女はやはり、不幸にも天才だったのだろう。

 なりふり構わずに行った研究の結果、体つきに肌の質感、ほくろの数に筋肉のバランス、髪の毛一筋、血の一滴に至るまで、肉体的には少女と全く変わらない、少女の完全なる複製を作り上げた。


 ――そして最後にして最大の事件は、その時に起こった。




 人形の使用を禁じられて以来の唯一の趣味であった庭での園芸を少女が楽しんでいると、城からふらりと自分と同じ年頃の少女と見られる人影が現れた。


 びっくりするほど少女に似たその何者かは、ゆっくりと少女に近付いてくる。

 普通であれば、少女はただ驚くばかりで何も行動を起こすことが出来なかっただろう。

 しかしその時、少女の封印の巫女としての直感が告げた。



 ――そいつは魔王にくみする何か、だと。



 その感覚に従い、少女は迷わず戦闘態勢を取る。

 するとそれを察知して、その人影、少女の母親に作られたホムンクルス、は後ろ手に隠していた血まみれの斧を手に少女に躍りかかってきた。


 突然襲い掛かってきた自分そっくりの姿形をした物に驚いたものの、数々の襲撃の経験は彼女に暴力への備えを与えていた。

 たゆみない訓練によって身に着けた魔法で、少女は自分そっくりの人影に応戦した。


 写し鏡のように少女にそっくりなホムンクルスだったが、封印の巫女としての機能だけは複製できなかったのか、あるいはホムンクルスか、ホムンクルスを操っている者があまり魔法に習熟していなかったのか。魔法の運用に関してだけは、少女の方が数枚上手だった。


 状況の不利を悟ったホムンクルスは逃亡を選択。

 少女は逃げるホムンクルスを反射的に追いかけ、何とか髪だけを掴んだが、ホムンクルスは未練なく自らの髪を切り落とし、少女が驚いている間に逃げ去ってしまった。



 城に戻った少女が見つけたのは、絶望的な惨状だった。

 少女と共に城で暮らしていた人間は、全員殺されていた。

 ホムンクルスは狡猾にも、少女が庭に出た隙に少女を装い一人ずつ使用人を殺していき、少女を助ける者を皆殺しにしてから少女を襲ったのだった。


 込み上げる涙と吐き気を必死で抑えながら城の奥へと進み、地下の研究所で母親の死体と人が一人入るほどの大きさの培養槽を見つけた時、少女は全てを悟った。



 すぐにホムンクルスを追いかけて仇を討ちたかったが、少女にはそれが出来ない理由があった。

 もし、少女とホムンクルスが同時に目撃されてしまえば人々の疑いを受けることは免れない。

 そうなれば、少女の母親が禁忌の研究に手を染めていたことが明るみに出てしまう。


 少女は仕方なく自らの身分を隠すことを決め、白い髪を薬で黒く染め、死んでしまった年の近い使用人の部屋から侍女の服を借りて、城の外に飛び出した。























 そして、現在。

 少女、ルファイナは囚われて、過酷な拷問を受けていた。


「やめて、ください。これ以上、あなたに、話すことなんて、ありません」

「へぇ? 本当にそうかな?」


 息も絶え絶えに言うルファイナに、目の前の少年は酷薄に笑うと、手にした拷問具をゆっくりと近付けていく。


「やめて! ほんとにもうやめてくだひゃ…あははははは!!」

「まだまだ! ほーら次はわき腹いくぞー!」


 そう言うと、少年は本当に、ルファイナの無防備なわき腹に拷問具、すなわち微振動する木の棒を押し当てる。

 その震えは絶妙な刺激となってルファイナを責め立て、結果、


「きゃははは!! って、ひど、ひどいです! 全部話したじゃ…わひゃはっ!」

「ほらほら! もっと行くぞぉ!」

「やめ、やめて…あひゃひゃ、うきゃははは!!」


 大きな笑いの衝動へとつながっていく。



 それは、古今全ての世界において、主に少年少女に課せられた残酷な刑罰。


 ――その名を『くすぐりの刑』と言った。




「神器レベルまで成長した木の枝というのも珍しいですが、その神器をこんな事に使う人間というのもまた、稀有な物ですね」

 二度もルファイナをつかまえた女性が何かを言っていたが、ルファイナにそれを気にする余裕はなかった。


 鋼を油断させて脱走したものの、ほんの十数秒でつかまった少女は『へたれ王女』の名をほしいままにし、周り中からダメな子扱いされて心を折られながらふたたびイスに縛り付けられ、こうして過酷な拷問にかけられた。

 最初の『猫のしっぽで鼻先をむずむずさせる刑』には何とか耐えたルファイナだったが、次の『後ろで聞こえるか聞こえないかくらいの音量で自分の話をされる刑』で神経を削られたところに、この『振動する木の枝によるくすぐりの刑』を受けてあえなく膝を屈し、自らの事情を残らず話してしまっていた。


 正直もう打ち明ける話もないのだが、くすぐっている方の鋼は当初の目的を見失うことにかけては右に出る者のいない男である。

 何だか楽しくなってきたらしく、無駄にくすぐり攻撃を続けている。

 Yesくすぐり、Noタッチの精神にのっとり体に触れてきたりはしないが、ルファイナはくすぐられた弾みでエッチっぽい声が出ないように堪えるので精一杯であった。


 というか、正直こんなことをしている場合ではないと分かっているし、ほんの数時間前までは母親と親しい人を殺された悲しみと怒りで気も狂わんばかりだったのだが、とにかく身動きが取れない上、なんとなくのんびりした空気に不本意ながら癒されて、ルファイナはすっかり素に戻ってしまっていた。


 鋼と親密になったのは脱出のための演技のつもりだったのだが、いつの間にかルファイナは、本当に鋼たちのペースに巻き込まれていた。

 怒りも悲しみもまだ消えずに残っているのに、それでも他愛ないことで怒り、声をあげて笑ってしまう。

 ルファイナは何より一番、自分の反応に戸惑っていた。





「とにかく、これでようやく状況がつかめてきたな。

 あとは、彼女の話が本当かってことだけど……」

 それから数分。さすがに満足したのか、鋼がくすぐりを切り上げて自らの相棒を腰に差しながらそう言うと、

「そうですね。確実な事は言えませんが、見た所嘘を吐いていたり催眠や操作を受けていたりという事はないようです。

 彼女の話はある程度信用しても問題ないでしょう」

 絡め手に詳しいラトリスもお墨付きをくれた。


 これでルファイナの話を元に、これからの方針を決めようとみんなの意思がまとまりかけたのだが、


「いや、少し待ってくれ」


 あごに手を当てながら、アスティがめずらしく知的な顔で制止を呼びかける。


 そして、集まったみんなの視線を居心地悪そうに受けながら、

「まあ、話は、分かった。

 とはいえ、しかし、つまりは、なのだが、その…………どういうことなんだ?」

「ぜんっぜん分かってないじゃないか!!」

 ひどく矛盾したことを言うアスティに、鋼は全力で怒鳴った。


「う…。わ、私だって彼女の幼少期の頃くらいまでは話についていっていたのだが、途中から話がややこしくなって、だなぁ……」

 鋼が怒鳴ると、アスティはまたもしゅんとした。

 なんかしゅんとすると優しくされることを覚えて、ちょっと癖にしている感じである。


 鋼はここでつけ上がらせてはいけないと、声を張り上げた。

「だから、王女が狙われて危ないから、王女そっくりのホムンクルスを作って身代わりにしようと思ったんだけど、完成したホムンクルスが魔王側に奪われて悪いことに使われてるんだよ!」

 鋼がいささか乱暴にまとめると、

「な、なるほど。うん。私もそうだと思っていたのだ。

 全く、初めからそうやって話せば良いものを……」

 ようやく合点がいったのか、アスティはシロニャみたいな言い種と共にうなずいた。



 そこで、ラトリスが口を開く。

「とりあえず、アスティエール様についてはもう諦めるとして……」

「な!? し、失敬だぞ!?

 私だってハガネに丁寧に話をまとめてもらえれば理解できることもある!」

「……もう諦めるとして、敵の狙いが問題ですね。

 ホムンクルスを操る敵の正体が魔王の魂なのか魔王の手下なのか魔王の賛同者なのか他の何かなのか全く分かりませんが、とにかく魔王の復活を望んでいる事は確かでしょう。

 そうなると、普通に考えれば目的はルファイナ様の殺害だと思われますが、しかし」

「それにしては、ちょっと動きがおかしいな」

 鋼がその後を継いだ。


 おずおずと、ミスレイが発言する。

「あの、封印の巫女が死ぬと、次に王の血が濃い女性が、自動的に封印の巫女になると言われています」

「あれ? でももう王族の血筋って……」

 鋼が思わず口をはさむと、ラトリスが待ってましたと補足する。

「『清めの塔』が反応するような直系の方はいらっしゃいませんが、傍系なら何人かはいらっしゃるはずです。

 極論すれば、国民の殆どが僅かなりとも王族の血は引いているでしょう。

 ルファイナ様が殺害されたとしても、封印は弱まりこそすれ、いきなり復活等という事態は考え難いのではないかと」


 それを受けて、ミスレイはさらに自説を推し進めた。

「ですから、わたしはそのニセモノがやると言い出した封印の儀式が怪しいと思います。

 封印の儀式って、魔王の封印と関係が深い、封印の回廊ってところでやるんですよね。

 もしそのニセモノに、王族の血だけでなく、封印の巫女としての力も受け継がれていたとしたら……」

「その偽王女が封印を解いてしまう可能性がある、か」

 鋼にも、それは何だかありそうな考えのような気がした。


「ふむ。なるほどな」

 そこで、全くはさむ意味のない相槌を打ったアスティに、皆の非難と呆れの視線が集中した。

「そ、そんな目で見るな!

 今度の話は、でまかせではなく本当に理解できたのだぞ!」

 見苦しく言い訳するアスティ。

 あと過去の罪をぽろっと自白していた。



「とりあえず、アスティエール様についてはもう諦めるとして……」

「に、二度も言った!

 父上にもあきらめられたことないのに!」

「……もう諦めるとして、その偽物の排除がこれからの課題になりますね。

 彼女はもう、『清めの塔』に入っています。

 今頃軍隊が防備を固めている頃でしょうし、そうなると……」

 ラトリスは難しい顔で言ったが、それに対して鋼が意外そうな顔をした。


「いや、普通に王様に事情話して、『清めの塔』にホムンクルスを監禁しながらしばらくルファイナのことを守ってもらえばいいんじゃないか?

 儀式をされないなら別にホムンクルスを無理に倒す必要もないしさ」

「ええーっ!!」

「さすがコウ様、ぶっちゃけますね!」

 鋼の言葉に、大声をあげるルファイナと、楽しげに鋼を賞賛するミスレイ。

 そしてさりげに王女を呼び捨てにする鋼。


 ラトリスもこれには驚いたようだが、すぐに首を振った。

「確かにその考えには一理ありますが、ホムンクルスの目的が確定出来ない以上、流石に放置という訳には行かないでしょう」

 その言葉に、鋼はすばやく軌道修正。

「でも、やっぱり王様に相談するのは必要だよな。

 話を聞いた感じでは偽王女自体は簡単に倒せそうだけど、それだけで何かが解決するワケじゃないし。

 確実なところではこいつに『清めの塔』を開けてもらって、全軍で偽王女をたこ殴りにするとか。

 そしたらルファイナが本物だってことも分かるだろうし」

 さりげに今度はこいつ呼ばわりする鋼。


「ちょ、ちょっと待ってください!

 そんなことしたらお母様のことも全部バレてしまうし、わたしが仇を取ることも……」

「まあ、できればバレないようにしたいとは思うけど、それは王様と応相談ってことで」

 ルファイナの悲痛な叫びをあっさりと退けると、鋼はこれで決まり、とばかりにうなずいたのだが、



「それはたぶん、無理だと思うよ!」



 それに対する返答は、意外なところからやってきた。


「ほーらやっぱり戦う流れになってるでしょ?」

「あー、聞こえない聞こえない。

 なんだかわたし、もう胃が痛くなってきたんだけど……」


 現れたのは、二人の女性。


「ララナ! それにリリーアも!」


 王宮から合流してきた、ララナとリリーアだった。


 元々の合流場所は当然ここではなかったが、その辺りはラトリスが抜け目なく手配していた。

 それを頼りに、『清めの塔』で見学を終えた二人がここにやってきたのだった。


 縛られたルファイナも、突然の登場に驚く仲間たちも気にすることなく、ララナは言う。


「王様がクロニャに不用意なこと言っちゃったせいで、『清めの塔』を目指す限り軍隊は確実に敵にまわるよ。

 どーせ戦わなきゃいけないんだったらさ。派手に行こうよ。

 ここにいる七人……」


「にゃー!!」 ブルルルルル!!


 そこまでララナが言ったところで、まるで抗議するみたいにシロニャが毛を逆立て、木の枝が震えた。

 ララナは咳払いをしてから言い直す。


「……と、一匹と一本?でさ。

 軍隊をぶっつぶして、悪者をやっつけてやろうよ!!」




 ――こうして、事態は加速する。

 そして封印の巫女とホムンクルスを巡る戦いは、一足飛びにクライマックスへと向かっていくのだった。



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